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ジョージ・ビーム編(2022)『スティーブ・ジョブズの生声』文響社

スティーブ・ジョブズの人となりを伝記で語るものもあるだろう…
この本は、ジョブズの言ってきたことを断片的に拾い上げ、その何の脈略もない点と点の発言の集合が、ジョブズ本人の生き方という軸を、読みすすめる毎に形成していくという、簡単に読める割には最後に本人の考えや行動がおぼろげながら掴めるという構成になっている。

ざっと目を通せば30分、少し精読しても1時間もあれば十分読了できる少ない分量で、ジョブズの人となりが理解できるというのも面白い…

かれは56歳で膵臓がんにより他界した。わたしは56歳で肺癌の宣告を受けた… 50歳の後半に差し掛かると、生きることのリスクも感じはじめるころだろう… アップルの業績が良かっただけに、健康問題で自分が去ることに、多くの葛藤があったことは想像に難くない…

かれが託した後継者を経て、かれの思いが後世にまで及ぶことを願う。

言葉は軽いものも多いが、そこに詰まった想いというのは、決して軽いものではないことを、今になって理解できる。そんな本である。

#読書の秋2022

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