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提案だけなら猿でもできる

私の宿題

今思うと、なんだか「あれ?」って感じなんですが、ここしばらく、見失ってました。いや、決して「忘れてた」とかではないはずなのに、なんか悩んでたというか、迷ってたというか。
そう、昨年のエクスマセミナーに参加したときに質問したこととか、そこで出会った方と会話したこととか、今思えば「わー惑ってる」みたいな。

で、一つ一つと向き合って。
強いから、自分を信じられるんじゃない、自分を信じているから強いんだ、なんていうのは、そこから導き出された一つの答えで。
あそこであいまいにごまかしたから引きずってるんだ、戦う時には戦えばいいんだってのも一つの答えで。
そんなあれこれが「見つかった」中で、まだ引っかかってるものが一つ。

「私、なんで小売業にこだわってるんだろう?」

一つ目の会社を辞めた時もその後も、割と折に触れて「独立すれば」とか言ってくださる方も居たし、正直そういう言葉に心揺れたこともある。だって私、今の会社に来て丸9年、自分としては夢も希望もない仕事をずーっとしてきたんだもん。そんな中、ひょっとして独立とか起業とかそういう選択肢を考えた方がいいのかも、と思ったことがないとは言いません。そんなん、やりたいことやらせてもらえないんだったら、なんの為に生きてるの? ってことですもん。もやもや。もんもん。いや、私のやりたいことは、小売業だからできることなのよ。だったはずなのよ。日々埋もれて、あやうく忘れかけるけど、つい最近まで、私はしっかりとそれを握っていた……はず。

提案型企業?

とりあえず、今の会社で「やりたいことをやらせてもらえない」私は、それでも理解してくれる方たちにも恵まれて、少しずつ発信を始めました。一昨年の秋のことです。それはそれで、やりがいあります。さらにそれを見たいといってくださる方も増えてきて、今は結構な人数にダイレクトに届けているし、そういう私のことを冷ややかに見ている人もいるかも知れないけど、そういう人のことまで考えていては何もできなくなってしまいます。
なのに。分かっているのに、何か違和感。
私にできるのは、提案だけ、ですか。
この会社がお客様にできるのは「提案だけ」ですか。

違うだろー

※昨年ヒットしたアレではありません(念のため)
自分の中の違和感を探っていくうちに、思い出したことがありました。私は広島市の割と中心に近い所に生まれ育ち、高校は思いっきり繁華街近くの高校で、まぁ広島っていうと中四国随一の都市ですから、それなりに色々便利で、なんでもある生活を送っていたわけですよ。
そんな私があこがれの一人暮らしを始めたのは、松江市。島根県の県庁所在地です。今こそ、スタバもゴディバもバーキンもできました。大きなイオンもあります。便利な街ですが、私が新生活を始めたころ、そこには「広島で当たり前のようにあった」ものが結構「なかった」んです。
最たるものが無印良品かな。当時好きだったんですが、松江にはなくて、広島に帰省するたびに文具や生活雑貨をまとめ買いして持って帰っていた覚えがあります。無印良品的な「ライフスタイル」にあこがれても、松江には当時無印良品はなかった。

ちなみに今でも同じような思いはしていて、昨今のネットで「100均の商品を使ってDIY」なんて記事が人気だったりしますが、キャンドゥは津山にありません。セリアとダイソーはあるので、セリアの100均で出来る、とか書いてあれば読みますが、うっかり「100均」の言葉だけで読んじゃうと「セリアの〇〇と、キャンドゥの△△を組み合わせて」とかあって「無理じゃーん」となってしまうのです。

松江の生活は、食生活は「ふくしま(=現ラパン)」という「こだわり品」を置いているしっかりしたスーパーがあったので、あまり不自由を感じなかったのですが、生活雑貨はしんどかった。当時愛読書は(渋いことに)クロワッサンだったりしたわけですが、いくらその生活にあこがれても、そもそも「それを入手する術がない」というのは(金がなかったということもありますが)しんどかった覚えがあります。

提案から提供へ

そうなんです。今、ネットもSNSもこれだけ浸透し、個人がメディアになれる時代に、提案なんて猿でもできる、んです。問題はその先。

「じゃぁそれはどうやったら手に入るの?」

おしゃれなワンプレートをアップして、朝はしっかり、とか言ったって、そのお皿は? そのソーセージは? そのロマネスコは? 美味しそうな玉子だけど、どこの玉子?

もちろん、提案がないよりはあるべきです。ミールソリューションは消費者の課題解決から始まりました。この20年少し、猫も杓子もミールソリューションで、じゃあ次は?
お客様の「不」を解決し、スーパーマーケットはどこへ行きますか。

私の書いたスーパーコンシェルジュという小説の中に、「チラシにのっているスパイスを品ぞろえしない担当者」というのが出てきます。「(チラシで)提案をしているのに(店頭では商品を)提供していない」というスーパーマーケットあるあるです。実際にいろんな事情があって、そういうことはままありますが、これからのスーパーマーケットのあり方、というものを考えた時に、やはりそこはきちんと「提供」すべきだし、「提供はできない」のなら「提案もすべきではない」なぜなら、お客様は提供できる場が提案してくれるのだから「提供してくれるだろう」と思ってしまうから。

私がやりたいことは単なる食の提案ではなく、もっとその先「食卓の提供」です。その企業があることで、お客様が「その店がある」わが街を誇っていただけるようなそんな「小売り業」です。

ってここまで書いて考えたらね、5年くらい前に会社で「夢レポート」ってのを書かされた時に、書いてたわ、私。日々のルーティンに埋もれるということは、こんなにも我を失ってしまうことなんだなと改めてその怖さにおびえています。病んでたんだな(ストレスチェックも2年連続引っかかったしな)

結論。やりたいことをやろう。組織だからできることもある(できないこともあるけど)。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。お役に立ちましたら幸いです。 *家飲みを、もっと美味しく簡単に*