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スーパーコンシェルジュ

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スーパーマーケットの食品担当者だったのに、なんだか突然食品フロアの専門職に!? スーパーマーケットのお仕事小説、全編無料です
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2014年8月の記事一覧

スーパーコンシェルジュ 5-⑤

 「さっきの材料のこととかもうちょっと教えてもらっていいですか?」
 「あぁ、えっと例えば陶器と磁器の違いとか。グラスだと、どれも同じガラスだと思うかもしれないけど、ソーダガラスもあれば、クリスタルもある。で、そこによって値段も結構変わってきちゃうんだよね」
 「クリスタルガラスっていうのは、高いですよね」
 「そう。でも使ってみるとやっぱり『いいものはいい』みたいな気持ちになったりするよ」
 そ

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スーパーコンシェルジュ 6-①

 6)周りの理解と無理解と
 ①
 8月に入って、間もないころだった。ちょっと遅めの昼休憩。
 チラシの立ち上げ日で、平日なのに、お客様は多かった。スーパー業界の売上は全体ではまだ売り上げの前年を割ってるっていうけど、幸いにしてリバティマートはしっかり回復傾向らしく、調子も悪くないらしい。
 
 お弁当を作って来ていなかったので、お寿司でも食べようかな~ と売り場を回る。休憩中とはいえ、お客様の目

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スーパーコンシェルジュ 6-②

 ②
 休憩の後は、さっきのこともあって、食品フロアをちょっと見て回った。見て回った所で、私に「ああしなさい、こうしなさい」っていう権限があるわけじゃないから、ホント見て回るだけ、なんだけど。
 
 で、気付いた。今回のレシピ、ちゃんと書いてある通りに作ろうかと思ったら、スパイスが二つ、売り場にない。一般食品、かー。よりにもよって、古巣だよ。さっきのこともあるから、やっぱり黙っててはだめだよね、と

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