新潟薬科大学学生向け|「スティグマ」について身体を通して体験する
株式会社フィアレスでは、新潟薬科大学の学生の皆様に研修を行いました。
研修の目的
今回の研修の大きな目的は、未来の薬剤師である学生の皆様に、糖尿病のスティグマについて体験し、考えてもらう時間を設けることです。
「窓口でのやり取りの中で、患者さんにとって安心できる存在になることが重要。正直に現状をシェアしてもらえることが、患者さんがより良く治療を続けていく一手を担っている。」
「そのためには学生の間に、実際の薬剤師のみなさんが困ったシチュエーションを疑似体験して、自分ならどうするだろうかとイメージをしておくこと、身体を通して体験をして、共に考えること。」
知識のインプットだけではなく、身体を通して考える機会が重要であるという新潟薬科大学の先生のお気持ちから、今回の研修実施が決まりました。
演劇でも、「相手にレッテルを貼ることで、キャラクターの台詞や行動、表現は大きく変わる」ということをトレーニングしていきます。
演劇におけるレッテル、医療現場におけるスティグマ、共通する観点を大事にしながら、実際の薬剤師の皆様が「困ったな」「こんなことがあった」というエピソードを演劇的手法で実際に体験しました。
研修の内容
相手をどう思っているかで自分が変わる(レッテル)
やってみると、普通にやった時と相手にレッテルを貼った時では自分の行動が変わってくることがわかります。その様子を見ていた他の学生からも、各々がどんな人に見えたのかもシェアして違いを理解していきます。
相手への認識で自分の行動が変わり、自分の行動で、相手に与える印象が変わっていくことを、体験と目の当たりにすることで理解を深めていきます。
実際に起きた窓口業務の設定をやってみて、対応の引き出しを増やす(フォーラムシアター)
自分の認識や行動の大切さを学んだ上で、実際に窓口業務に立った時を想定したやり取りにチャレンジしました。この授業を普段担当されている教授の方に、実際に困ったエピソードなどを伺いながら設定していきました。
この方法の目的は「上手にその設定を切り抜けること」ではありません。「困った状況になったとき自分の身体の反応を知ること」「他にどんなやり方があるのか考えて引き出しを増やすこと」です。
すでに薬剤師として業務をされている方が実際に困った場面を体験してみて、患者さんはどう感じたのか、周りで見ている人はどんな印象だったのかを聞いてみる。そして、他にどんな方法があるのか考えて試してみるという繰り返しの中で、視点や対応方法の引き出しを増やしていくことを期待しています。
参加者の感想
医療関係者の方々とお話させていただく機会が多いですが、医療と人との関わりは、切っても切り離せないのだなと感じます。
自分が病気で手術が必要だとなったら怖いですし、行動が制限されたら悲しくなります。そんな時、病気そのものだけ見る方と、患者である自分を通して見てくれる方とだったら、自分が病気に向き合う心持ちも変わってくるだろうと感じます。
一方、医療関係者の方も人間です。本気で命を救いたいと思うからこそシビアになっていくし、患者さんに全力でケアしていくために内部の人までケアしきれなかったりもします。患者さんの中に苦手なタイプの人もいれば、得意なコミュニケーションスタイルもそれぞれある。
だからこそ、コミュニケーションについてトレーニングしていく時間、自分がどんな人間なのかを理解していく時間が、医療関係者の皆さまを、ひいては患者さんたちを元気にしていくことに繋がっていくのだと強く感じました。
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