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東海林さだお(1937.1.30- )『ことばのごちそう(だいわ文庫)』南伸坊編 松田哲夫企画・編集 大和書房 2021年10月刊 400ページ

東海林さだお(1937.1.30- )
『ことばのごちそう(だいわ文庫)』
南伸坊編 松田哲夫企画・編集
大和書房 2021年10月刊
400ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/4479308857

「ショージ君の、「食」を網羅した大辞典!
東海林さだお氏のエッセイから、食べ物についての言及・描写を集めたアフォリズム集。おもしろいとこ、おいしいとこどりの一冊。」















2021年11月12日読了
福岡市総合図書館予約13人

『東海林さだおの味わい方』
筑摩書房 2003年12月刊
429ページ
改題再編集文庫化
https://www.amazon.co.jp/dp/4480814574
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480814579/

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480814579/

1973年3月に刊行された『ショージ君のぐうたら旅行』から
2003年6月の『もっとコロッケな日本語を』までの43冊
(文藝春秋21冊、
平凡社1冊、
朝日新聞社20冊、
毎日新聞社1冊。
私は『某飲某食デパ地下絵日記』毎日新聞社 1999.9 だけ持ってません、2019年7月に図書館から借りて読みましたけど)
から抜き出した「食べ物についての言及・描写」
「アイスクリーム~ワンタン」350項目と
南伸坊「本書の意義と効用」p.3-6
東海林さだお「文章のチャーシューメン」p.395-397
「単行本一覧[43冊]」p.398-399

「東海林さんのエッセイ集、既刊49冊から定義的なもの、コンパクトに描写してあるものを短めに抜き出し、50音順に並べた[編集者の松田哲夫さんによる]ぶ厚い束が既に出来ていた。」p.3

と巻頭で南伸坊さんが書いていますから、
49冊→43冊が、奥付記載の「再編集」なのかなぁ?

『東海林さだおの味わい方』を持っていないので未確認ですけど、
だいわ文庫編集者は、「49冊→43冊」なんて
どうでもいいことだと考えていた
(あるいは無視していた)のでしょうか?

そんなことを気にする読者なんているとは
思っていないのでしょうねぇ。
たぶん、東海林さだおさんも…。

「餅は生醤油。いろんな食べ方があるが、とにかく生醤油。コンガリと狐色に焼けて、プーッとふくれているのを、アチアチなんていいながら右手から左手へ。左手から右手へ。それでもまだアチーが、それをがまんして生醤油へ。生醤油から口へ。
『某飲某食デパ地下絵日記』毎日新聞社 1999.9」
p.62「お餅」

「焼いたお餅にお醤油をつけて食べていて、ふと思いました。お持ちの魅力は味が半分、噛み心地が半分だと。

お餅をウンニャラコとゆっくり噛んでいると心の中まことに平和。悩みごと少しづつ頭から離れ、かたつむり枝に這い、揚げひばり空に舞い、すべて世はこともなし。
『親子丼の丸かじり』朝日新聞社 1997.10」
p.63「お餅」

『赤毛のアン』巻末でアンがつぶやく
「神は天にあり、世はすべてよし」
ですね。

上田敏『海潮音』1905
ブラウニング「春の朝(はるのあした)」
時は春、
日は朝(あした)、
朝は七時(ななとき)、
片岡に露みちて、
揚雲雀(あげひばり)なのりいで、
蝸牛(かたつむり)枝に這ひ、
神、そらに知ろしめす。
すべて世は事も無し。

Robert Browning (1812.5.7-1889.12.12)
Pippa Passes (1841)
The year's at the spring
And day's at the morn;
Morning's at seven;
The hill-side's dew-pearled.
The lark's on the wing;
The snail's on the thorn;
God's in his Heaven -
All's right with the world!

1937年10月30日生まれ
東京都立立川高校卒業
早稲田大学第一文学部ロシア文学科中退な
東海林さだおさんが、詩を愛する文学青年だったことについては、

「東海林さだお+平松洋子 西荻くんだり」
『COYOTE No.57 平松洋子 本の丸かじり』スイッチパブリッシング 2015年11月15日発売
https://note.com/fe1955/n/nf8e46ae0caf5
を、どうぞ。


「ブドウを食べていたら、ぼくは急に詩人になりました。秋は人を詩人にするのです。秋は誰でも詩人になれるのです。

ブドウは秋の塊。いざ食べん。ブドウを詩人の心で。
ブドウの味。それは真夏の陽ざしの中のむせかえるようなブドウの葉の匂いの名残。

実というにはあまりに柔らかく、あまりに実体のない透明な果肉は、一刻も早く果汁の姿になりたがっているようだ。口中の仕組みはいま水の果肉を圧し、おびただしき果汁口の中にあふれたり。スイカほど淡白ではなく、桃ほど濃密ではなく、ある種の重さを宿したその果汁いまわが舌をひたしたり。

堪えがたければわれは飲みこむブドウの果汁。ブドウのツユの、などかくはおいしき。」
『親子丼の丸かじり』
p.116「われは飲みこむブドウのツユ」

伊東静雄(1906.12.10-1953.3.12)
「水中花」 だなぁ。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001197/files/45279_18539.html
「水中花」『詩集 夏花』1940(昭和15)
以下、蛇足ですけど、念のため、青空文庫から、

伊東静雄
「水中花」
『詩集 夏花』1940(昭和15)

ことし水無月(みなづき)のなどかくは美しき。
軒端(のきば)を見れば息吹(いぶき)のごとく
萌えいでにける釣(つり)しのぶ。
忍(しのぶ)べき昔はなくて
何(なに)をか吾の嘆きてあらむ。
六月(ろくぐわつ)の夜(よ)と昼のあはひに
万象のこれは自(みづから)光る明るさの時刻(とき)。
遂(つひ)逢はざりし人(ひと)の面影
一茎(いつけい)の葵(あふひ)の花の前に立て。
堪へがたければわれ空に投げうつ水中花(すゐちゆうくわ)。
金魚(きんぎよ)の影もそこに閃ひらめきつ。
すべてのものは吾にむかひて
死(し)ねといふ、
わが水無月(みなづき)のなどかくはうつくしき。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001197/files/45279_18539.html


読書メーター
東海林さだおの本棚(登録冊数109冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091206

食べ物の本棚(登録冊数789冊)
エッセイ、小説、マンガ、絵本、レシピなど著者名五十音順
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091194

『週刊朝日』1987年連載開始
「丸かじり」シリーズは全冊(45冊)読んでいます
(再読三読以上もあり)。

『オール讀物』1970年連載開始
「ショージ君の東奔西走」
「男の分別学」
シリーズの登録はまだ10冊です。
読書メーター開始(2009年9月)以前に
何冊も読んだけど、何を読んだかは未確認です。

ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/東海林さだお
でチェックしなければ!
と数年前から思いながら、出来てません。

我が家のささやかな書庫(書架19連)にある
東海林さだお本のリストはエクセルで作成済。

東海林さだお所蔵一覧(72冊 単行本刊行年月順 2020年10月3日作成)
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/4494342367307034

昨日は、我が家にある東海林さだお本のリストをエクセルで作成しました。 読書メーター 東海林さだおの本棚(登録冊数74冊 刊行年月順) https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091206...

Posted by 山本 鉄二郎 on Saturday, October 3, 2020

https://note.com/fe1955/n/na707f7822d01
東海林さだお(1937.1.30- )
『週刊文春 お正月スペシャル号
丸ごと1冊タンマ君! 文春ムック』
表紙・和田誠
文藝春秋 2015年1月1日発売
194ページ

https://note.com/fe1955/n/nf8e46ae0caf5
東海林さだお(1937.1.30- )
平松洋子(1958.2.21- )
「西荻くんだり」
「創作とショーバイ」
『COYOTE No.57
特集 平松洋子 本の丸かじり』
スイッチパブリッシング
2015年11月15日発売

https://note.com/fe1955/n/na1b4228390c5
東海林さだお(1937.1.30- )
『ひとりメシ超入門(朝日新書)』
朝日新聞出版 2020年2月刊
312ページ


https://note.com/fe1955/n/nbcc8f8e1c48f
東海林さだお(1937.1.30- )
『ひとり酒の時間 イイネ! (だいわ文庫)』
解説 新久千映
大和書房 2020年7月刊
288ページ

https://note.com/fe1955/n/n13d57c855813
東海林さだお(1937.1.30- )
『ゴハンですよ(だいわ文庫)』
解説スズキナオ
大和書房 2020年10月刊
288ページ

https://note.com/fe1955/n/nac4686ed8dc3
東海林さだお(1937.1.30- )
『大衆食堂に行こう(だいわ文庫)』
解説 ツレヅレハナコ
大和書房 2021年4月刊
288ページ


https://note.com/fe1955/n/nc2876051f259
東海林さだお(1937.1.30- )
『東海林さだおアンソロジー
人間は哀れである(ちくま文庫)』
平松洋子(1958.2.21- )編
筑摩書房 2021.12
384ページ

https://note.com/fe1955/n/ne8719ab5e759
東海林さだお(1937.1.30- )
『自炊(ソロメシ)大好き!(だいわ文庫)』
大和書房 2022年9月刊
288ページ

https://note.com/fe1955/n/na7a9bc9747ac
東海林さだお(1937.1.30- )
『ショージ君、85歳。老いてなお、ケシカランことばかり』
大和書房 2023年1月刊
224ページ

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