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増田俊也(1965.11.8- )「続 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか 最終回[第6回] 弱き者の戦い」『小説新潮』2018年8月号  先崎学(1970.6.22- )『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』文藝春秋 2018.7  橋本治(1948.3.25-2019.1.29)『いつまでも若いと思うなよ(新潮新書)』新潮社 2015.10

『小説新潮』2018年8月号
新潮社 2018年7月21日発売
https://www.amazon.co.jp/dp/B07FDN2LFL
https://www.shinchosha.co.jp/shoushin/backnumber/20180721/
p.474-495
2018年8月30日 
 拾い読み


増田俊也(1965.11.8- )
「続 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
 最終回[第6回] 弱き者の戦い
 強さとは、弱さとは、一体何なのかを考えながら、作家は入院中も執筆を続けた。忘れられた巨人に再び光を当てるために。なにより、後輩が見ているから――。そして、ついに彼はある答えに至る。」

鬱病で入院中の増田俊也さん(1965年11月8日生まれ)は、
「[脳内てんかん発作痙攣が]機序はわかっていないが、
重篤な鬱病に効く」p.475
電気ショック痙攣療法手術を3カ月の間に13回受けて退院。

2006年、『シャトゥーン ヒグマの森』で
第5回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞。

『ゴング格闘技』に
「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」連載開始。
単行本刊行、新潮社 2011.9、増刷28刷。
2012年、第43回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞します。

全6回で終了してしまったこの連載は、
木村政彦(1917.9.10-1993.4.18)
についての作品としては、
物足りない内容でしたけど、
1955年1月生まれで、
2004年11月にうつ病を発症し遷延化して
現在でも部屋からほとんど出られない、
障害年金受給のために必要な診断書
(毎年、私学共済に提出)には
「難治性うつ病」と記載されている私には、
興味深い内容の文章でした。

「鬱病は死に至る病である。
自死へ向かわせてしまう病気だ。
人々の最初の受診を促すため
ハードルを下げて喧伝されている
「心の風邪」という言葉で表現することは、
自死した者たちに失礼であろう。
私は多くの北大柔道部の仲間を自殺で失った。
そして入院中に知り合った若者たちを
同じように自殺で失った。」
p.492

私も自分自身を自殺未遂で失いかけました。

先崎学(1970.6.22- )
『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』
文藝春秋 2018.7
https://www.amazon.co.jp/dp/4163908935

「「いまだに心の病気といわれている。
うつ病は完全に脳の病気なのに。
何が苦しいのか、まわりはまったくわからない。
当事者以外には理解できない病気なんだ。
 … 
うつ病患者というのは、本当に簡単に死んでしまうんだ。
 … 
究極的にいえば、精神科医というのは
患者を自殺させないというためだけにいるんだ」
p.172」

橋本治(1948.3.25-2019.1.29)
『いつまでも若いと思うなよ(新潮新書)』
新潮社 2015.10
http://www.amazon.co.jp/dp/4106106396/
p.110「第七章 病気になる」
「人はオーバーワークが重なって、
それが当たり前の状態になってしまうと、
「出来ません」ということが、言えなくなるのです。
「出来るか、出来ないか」の判断をする前に、
自分の頭の中でそれをするための
やり繰りをつけようとしています。
過労状態が当たり前になっているので、
脳の回路のどこかがぶっ壊れて、
「もう無理だ」という判断が
出来なくなっているのです。
「ちょっとしんどいかもしれないな」
と思いながらちょっとづつ無茶を引き受けているので、
無理が当たり前になり、
「もう無理」という選択肢自体が消滅してしまうのですね。
だから、「あれをこうして、こうすれば、
なんとなく出来るか?」などという
勝手な判断を頭の中でしています。
そのこと自体が無茶だとは気づけないないんですね。
そういうところに入り込むと、人は後一歩で過労死です。」

職場に一日13時間以上居るのが当たり前だった
二十年以上前の私は、過労死ではなく、
うつ病を発症しました。
2004年11月、49歳でした。

https://ja.wikipedia.org/wiki/増田俊也

公式ブログ
http://blog.livedoor.jp/masuda_toshinari/archives/52056077.html

http://www.hatirobei.com/ブックガイド/作家から/増田俊也/雑誌掲載記事 
には、
『新潮』2019年11月号
「 山羊のレイプニュース」
以降の記載がありません。
四年間も、何も発表していないのか、
このサイトが更新されていないだけなのか?

読書メーター
増田俊也の本棚(登録冊数14冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091431

https://note.com/fe1955/n/nff6eb86aa605
増田俊也(1965.11.8- )
「続 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
 新連載
 第一回 熊本の風」
『小説新潮』2018年3月号

https://note.com/fe1955/n/nf01486301794
増田俊也(1965.11.8- )
「続 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
 第二回 1993年の涙」
『小説新潮』2018年4月号

https://note.com/fe1955/n/neb24d6463920
増田俊也(1965.11.8- )
「続 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
 第三回 リアルファイトの黎明」
『小説新潮』2018年5月号

https://note.com/fe1955/n/nba752145631e
増田俊也(1965.11.8- )
「続 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
 第四回 だらしない精神
 木村政彦の汚名を雪ぐ。」
『小説新潮』2018年6月号

https://note.com/fe1955/n/n15f9b12d7e56
増田俊也(1965.11.8- )
「続 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
 第五回 残酷な再会」
『小説新潮』2018年7月号
鈴木大介(1973- )
『脳は回復する
 高次脳機能障害からの脱出(新潮新書)』
新潮社  2018.2

増田俊也(1965.11.8- )
「さよならスペンサーなんて言わない」
『本の雑誌』2010年5月号
http://blog.livedoor.jp/masuda_toshinari-about/archives/38339610.html

https://note.com/fe1955/n/n6ed20bab5a3b
Robert B. Parker (1932.9.17-2010.1.18) 
ロバート・B・パーカー
『約束の地』菊池光訳 早川書房 1978.8
『ユダの山羊』菊池光訳 早川書房 1979.9
『レイチェル・ウォレスを捜せ』菊池光訳 早川書房 1981.12
『初秋』菊池光訳 早川書房 1982.9

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