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小林信彦(1932.12.2- )『合言葉はオヨヨ』角川文庫 1974.11  『秘密指令オヨヨ』角川文庫 1974.12  『オヨヨ大統領の悪夢』角川文庫 1976.11

小林信彦(1932.12.2- )
『合言葉はオヨヨ(角川文庫)』
カバー 小林泰彦(1935.1.3- )
角川書店 1974年11月刊
432ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/4041382068
単行本 朝日新聞社 1973年2月刊
https://anamon-book.tumblr.com/post/612392880055762944/  
ちくま文庫 1994.4
https://www.suruga-ya.jp/product/detail/3Z147863
https://www.amazon.co.jp//dp/4480027963

『週刊朝日』
1972年3月17日号~10月27日号連載

プロローグ
第一話 香港でクリスマス
第二話 死人を起す
第三話 飲茶(ヤムチャ)の習慣
第四話 昼の顔・夜の顔
第五話 九竜城(カオルン・セン)の男
第六話 大統領の幻影
第七話 飴と鞭
第八話 香港番外地
第九話 マカオ定期便
第十話 嵐のまえ
第十一話 南支那海
第十二話 錨を上げて
第十三話 波浪警報
第十四話 骸骨の旗(ジョリー・ロジャー)
第十五話 老水夫行
第十六話 積荷のゆくえ
第十七話 合言葉はオヨヨ
第十八話 神戸・三ノ宮
第十九話 女を忘れろ
第二十話 風雲児と呼ばれる男
第二十一話 歪んだ男たち
第二十二話 横浜・たそがれ
第二十三話 船火事
第二十四話 サリンジャー号の謎
第二十五話 中華街の男
第二十六話 北の海で
第二十七話 水産都市
第二十八話 根釧(こんせん)原野
第二十九話 地吹雪
第三十話 美幌越え
第三十一話 秘密工場
第三十二話 網走まで
第三十三話 流氷のはて
あとがき


父(1920-1996)が
『週刊朝日』を購読していたので、
1955年1月生まれな私は、
連載(1972年3月17日号~10月27日号)
を、毎週、読んでました。
都立北多摩高校
(2013年3月末閉校
現在は東京都立立川国際中等教育学校・中高一貫制共学校)
三年生~
明治大学文学部文学科
一年生でした。

奥付ぺージにあるメモによれば、
1978年4月9日、
国立市旭通りの谷川書店(古本屋)で購入、
谷川さんは鉛筆書きの売値を
消しゴムで消してから渡してくれる店
だったので値段は不明。
聖心女子大学図書館就職直後だなぁ。

沢野ひとし(1944.12.18- )
「国立市・谷川(やがわ)書店の親父は、
その時なぜ首をしめられていたのか」
『本の雑誌』17号 1980年
 なんだ文句あっか陽春号
『古本の雑誌 別冊本の雑誌 16』
本の雑誌社 2012.10 p.65-66
再録
https://www.amazon.co.jp/dp/4860112342
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/6622249564516293

『古本の雑誌 別冊本の雑誌 16』装幀 平野甲賀 本の雑誌社 2012年10月刊。192ページ。 https://www.amazon.co.jp/dp/4860112342 「古本売る人買う人大集合。古本に関するすべての悲喜こもごもがこ...

Posted by 山本 鉄二郎 on Friday, December 10, 2021


『合言葉はオヨヨ』朝日新聞社 1973.2

『大統領の晩餐』早川書房 1972.3
https://note.com/fe1955/n/n9aa89f5956c7
の次の
大人向け「オヨヨ大統領」シリーズ第三作。
次作『秘密指令オヨヨ』1973.6
に続きます。
乞うご期待!


「思い出した!」 
細井[忠邦 ジャパンテレビ・プロデューサー]は叫んだ。
「あんたは <きのうのジョー> って名の流れ者だったな」
男は目を細めて、にやっと笑った。
そして、ちっちっち、と舌を鳴らした。
「命を助けたのは、別に、ヒューマニズムからじゃねえ」
と、ジョーは言った。
「このおれさまが、現われなかったら、
あんたは、いまごろ、オダブツだぜ」
「礼のひとつも言いたいが、
おたくが、偶然、ここに現われたとは思えねえ。
わけを話してくれたら、ひとなみの礼は言うがね」
「こいつは、ご挨拶だな」
ジョーは白い歯を見せた。
「いいブラックジャックだな。どこで買った?」
「カラチの空港さ」とジョーが答える。
「いうことが、いちいち、気障だな」
「真実を語っているにすぎない」」
p.129「第十章 嵐のまえ」

『あしたのジョー』
原作 高森朝雄(梶原一騎)
作画 ちばてつや
『週刊少年マガジン』
1968年1月1日号~1973年5月13日号連載

カバーに描かれた <きのうのジョー> は、
勿論、日活アクション映画の
宍戸錠(「エースのジョー」1933.12.6-2020.1.18)
のイメージです。
https://twitter.com/nave4000/status/806164230583922689


明治大学文学部文学科学生だった頃(1973-77)に、
1973年芸術選奨新人賞(文化庁)受賞な、
中原弓彦(小林信彦 1932.12.2- )
『日本の喜劇人』晶文社 1972.5
を読み、
第六章「醒めた道化師の世界 日活活劇の周辺」
の影響で、宍戸錠が出演する日活アクション映画を
新宿ロマン劇場や池袋文芸坐の
オールナイト上映でたくさん観ました。

「醒めた道化師(宍戸錠)が、
小林旭という無意識過剰のスターと
ぶつかるとき、
1+1=3 といったおかしさが生まれた。
小林旭「ちぇっ、キザな野郎だな」
宍戸錠「むしろ、文学的といっていただきたい」」
『日本の喜劇人』
p.32「第六章 醒めた道化師の世界 日活活劇の周辺」

「当時、[『週刊朝日』の]担当記者だった、
平池芳和氏と私は、北海道をさまよい、
深夜、凍てついた網走の街を歩いた。
平池氏は空手ができ、
風貌が菅原文太にそっくりであるために、
私はいつも心強かった。
私は、人みしりのはげしいたちであり、
初対面における平池氏の印象は
さほど芳しいものではなかった。
そのころ、『朝日ジャーナル』の記者として
私にエッセイを書かせていた
川本三郎氏[1944.7.15- ](のちに、ある事件
[赤衛軍朝霞自衛官殺害事件]に関連して社をやめた)が、
「平池さんはいいですよ。
彼は、『アサヒグラフ』で、
東映の悪役列伝を企画した人ですからね」
と、平池氏の異色ぶりを称揚したので、
私は安心できる気持になり、
次の打ち合わせで平池氏にあったとき、
「今度の長篇は、東映映画で始まって、
<シャボン玉ホリデー> のおかゆがあって、
後半は日活映画になるのです」
と、第三者には、
なんのことか分からぬ説明をすると、
「それはいい。東映から日活へ、
60年代をさかのぼるというのは、いいですよ」
と、氏は言った。
これで私は平池氏を信用できると思った。
こんなことは、どうでもいいように思われるかも知れないが、
ある程度、長期の仕事をするときには、
神経のこまかい動きや好みが、担当者の波長と合わないと、
うまくいかないものである。
北海道の雪の中をさすらっているうち、
氏がみずから発した言葉は、
「北島三郎のうたう「網走番外地」は好きになれない……」
これだけであった。」
p.430「あとがき」

小林信彦(1932.12.2- )
『秘密指令オヨヨ(角川文庫)』
カバー 小林泰彦(1935.1.3- )
解説 稲葉明雄(1934.2.1-1999.3.17)
角川書店 1974年12月刊
https://www.amazon.co.jp/dp/4041382076
単行本 朝日新聞社 1973年6月刊
https://www.amazon.co.jp/dp/B00JX83TMG
ちくま文庫 1994.8 
https://www.amazon.co.jp/dp/4480027971

『週刊朝日』1972年11月3日号~1973年4月27日号連載

『合言葉はオヨヨ』に続く、大人向け「オヨヨ大統領」シリーズ第四作。


「ガラスの砕ける音がした。
楊はその家に近づき、ためらったすえ、
いっきに階段を駆上がった。
正面の椅子に縛られ、顔を柘榴状に斬られた白髪の老人。
ひっくりかえったテーブルとワイングラス。
そして床には、楊が尾行した日本人青年木島が、
意識を失って倒れていた……。

ある目的でヨーロッパを訪れた
香港警察の切れ者楊警部補が、
ヴェニスで巻き込まれた殺人事件の謎は何か? 
第二次大戦末期、名喜劇役者ジャコモが、
ナチのユダヤ人虐殺者の顔を記録した
映画『大勝利』のフィルム、
その行方を追うナチ親衛隊の秘密逃亡組織<オデッサ>。
ヒットラーが隠匿したヨーロッパ各地の
美術コレクションの横取りをもくろむオヨヨ大統領。

リスボン、カサブランカ、ロンドン、
パリから東ベルリンへ……
スピーディーな舞台転換のうちに、
<オデッサ>と大統領の対決は迫る! 
意表をつくトリックを駆使して、
推理小説の面白さをタップリと盛りこんだ、
<オヨヨ大統領シリーズ>第7作。」
カバー表見返し

プロローグ 遠くへ行きたい……が  
第一章 夏時間の土地  
第二章 運河ぞいの家  
第三章 消え失せたフィルム  
第四章 すべての道は……  
第五章 パリからきた男  
第六章 ローマで起こること  
第七章 マルチン・ボルマンの影  
第八章 青年の告白  
第九章 リスボン――晴  
第十章 エストリル海岸で  
第十一章 亡霊  
第十二章 カサブランカ空路  
第十三章 白い家並み  
第十四章 フィルムの幻影  
第十五章 ニース――曇  
第十六章 レ・ボー――快晴  
第十七章 青い鳥は逃げた?  
第十八章 ロンドン――曇  
第十九章 日常の戦い  
第二十章 パリの午下がり  
第二十一章 夢と挫折  
第二十二章 事件の核心  
第二十三章 東ベルリン――小雨  
第二十四章 旅の果てに  
第二十五章 破局――エピローグ

「1972年 39歳 3月、
『週刊朝日』の <不真面目な> 連載小説
(『合言葉はオヨヨ』[朝日新聞社 1973.2])始まる。
半年の予定を、もう少しのばせないかといわれ、別の話
(『秘密指令オヨヨ』[朝日新聞社 1973.6])にさせてもらう。」
『別冊新評 小林信彦の世界』
第14巻第4号 通巻第59号
新評社 1981年12月10日発行
p.198「小林信彦自筆年譜」
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/6116996138374974
https://www.kosho.or.jp/products/detail.php?product_id=210583476

「小林信彦自筆年譜」p.196-200 小林信彦『別冊新評 小林信彦の世界』第14巻第4号 通巻第59号 新評社 1981年12月10日発行。210ページ。 購入年月日書店不明、新刊780円。 「1969年 36歳 12月、朝日ソノラマ...

Posted by 山本 鉄二郎 on Saturday, September 11, 2021


小林信彦(1932.12.2- )
『オヨヨ大統領の悪夢(角川文庫)』
カバー・扉カット 小林泰彦(1935.1.3- )
解説 高橋三千綱(1948.1.5-2021.8.17)
角川書店 1976年11月刊
https://www.amazon.co.jp/dp/4041382122
単行本 角川書店 1975年8月刊
https://www.amazon.co.jp/dp/4048721488

『野性時代』
1974年11月号、1975年2月号、4月号、7月号掲載
第一部 不眠戦争
第二部 虚名戦争
第三部 無限戦争
第四部 終末戦争
華麗ならざるエピローグ


オヨヨ大統領シリーズ最終篇です。
もっと読みたかったなぁ。

「オヨヨ大統領から突然舞い込んだ終身伝記作家の任命通知。
タイム・トンネルを抜けて現代に現れた青年剣士沖田総司。
変な編集者 <真奇郎> に仕掛けられる、奇妙な殺しのテクニック。
そして、胃病の関西ヤクザが巻き起こす珍騒動。
……
私をめぐる四つの物語は、いずれも奇想天外、滑稽無類、
哄笑をさそうギャグの連射のうちに、
かずかずのタブーと暴力に支配される現代日本への痛烈な諷刺を放つ。
<オヨヨ大統領シリーズ> 待望の第8作。」
カバー表見返し

「横溝正史 このあいだ
「夢幻戦争」(小林信彦『オヨヨ大統領の悪夢』角川書店 1975)
読んでたのよ。
これ、オレの文章によく似た文章載ってるぜと思ったのよ(笑)。
「真奇郎はどこにいる?」というやつや。
あれ、ビックリしちゃった。
オレの文章によく似とんなぁと思って……(笑)。

小林信彦 いや、あれは
[横溝正史『真珠郎』
『新青年』1936年10月号~1937年2月号掲載を]
そのまま、ちょっと直して引き写したんです(笑)。」

『いちど話してみたかった
 小林信彦デラックス・トーク』
情報センター出版局 1983年6月刊
p.218「昭和モダニズムのころ 雑誌『新青年』の回想」
https://www.amazon.co.jp/dp/B000J7EF0U
https://seikosha.stores.jp/items/5a3b847a428f2d5bb80002f5

小林信彦(1932.12.2- )
読書メーター 小林信彦の本棚(登録冊数134冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091202

https://note.com/fe1955/n/n9aa89f5956c7
小林信彦(1932.12.2- )
『大統領の密使 (角川文庫)』角川書店 1974年10月刊
『大統領の晩餐 (角川文庫)』角川書店 1974年10月刊
各務三郎「ミステリがオシャレだったころ」
『はじめて話すけど… 小森収インタビュー集』
フリースタイル 2002年7月刊

小林信彦(1932.12.2- )
『唐獅子株式会社 小林信彦コレクション』フリースタイル 2016年12月刊
『唐獅子株式会社』文藝春秋 1978年4月刊
『唐獅子惑星戦争(スター・ウォーズ)』文藝春秋 1978年11月刊
『唐獅子超人伝説(スーパーマン)』文藝春秋 1979年6月刊
『唐獅子源氏物語』新潮社 1982年12月刊

https://note.com/fe1955/n/nd3107e7463f1
小林信彦(1932.12.2- )
『パパは神様じゃない』晶文社 1973年11月刊
『ドジリーヌ姫の優雅な冒険』文藝春秋 1978年7月刊
『超人探偵』新潮社 1981年3月刊

https://note.com/fe1955/n/n24191b2da921
小林信彦(1932.12.2- )
『コラムにご用心
 エンタテインメント評判記 1989~92』
筑摩書房 1992.5
Alfred Hitchcock (1899.8.13-1980.4.29)
『汚名』Notorious (1946)

https://note.com/fe1955/n/n6cc0a819ea9a
小林信彦(1932.12.2- )
『映画を夢みて(ちくま文庫)』
筑摩書房 1998年1月刊
『新編 われわれはなぜ映画館にいるのか』
キネマ旬報社 2013年4月刊
鈴木清順『野獣の青春』
日活 1963.4.21

https://note.com/fe1955/n/n19f177b4b2ad
小林信彦(1932.12.2- )
『気になる日本語 本音を申せば』文藝春秋 2011.5
『日本橋に生まれて 本音を申せば』2022.1
James Cagney (1899.7.17-1986.3.30)
Alfred Hitchcock (1899.8.13-1980.4.29)

https://note.com/fe1955/n/n7f7a01861383
山田宏一(1938.9.13- )
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『たかが映画じゃないか』
文藝春秋 1978.12 文春文庫 1985.5
山田宏一・和田誠
『ヒッチコックに進路を取れ』
草思社 2009.8

https://note.com/fe1955/n/nc4dbaafc05b1
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『シネマッド・ティーパーティ』
講談社 1980.4
『シネマッド・カクテルパーティ』
講談社 1991.11

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