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小林信彦(1932.12.2- )『気になる日本語 本音を申せば』文藝春秋 2011.5  『日本橋に生まれて 本音を申せば』2022.1  James Cagney (1899.7.17-1986.3.30)  Cary Grant (1904.1.18-1986.11.29)

小林信彦(1932.12.2- )
『気になる日本語 本音を申せば』
文藝春秋 2011年5月刊
2011年6月12日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4163739807
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163739809

改題・文庫化
『伸びる女優、消える女優 本音を申せば 7』
文春文庫 2014.1
http://www.amazon.co.jp/dp/4167900211

「アマチュアの時代はこまったものだ―徹底した個人主義を守りつつ、世間にきっぱり物申す。映画の話題も満載。「週刊文春」好評連載単行本化第13弾。」

「日本語の乱れに憤り、社会を憂い、戦争を回顧し、故人を偲び、アイドル女優を正しく評価する。ますます活き活きする当代一のエッセイ」
「週刊文春」好評連載エッセイの単行本化13冊目。80歳を目前にしてますます冴えわたる社会観察の目。日本語が壊れていく現状に説得力ある議論をふっかけ、またアイドル女優を鑑定したり、時には政治の混乱を憂いたり、次から次へと世を去っていく同時代人を偲ぶ。映画や本の話題も満載です。」

「売れる人、売れない人の見分け方巷に氾濫する不思議な日本語を一刀両断したかと思えば、冷やし中華の起源に迫り、売れる女優を予言する。信彦節が冴え渡るコラム集。」

「伸びる女優と消える女優、何が両者を分けるのか。「九十パーセントは当たる自信がある」という著者ならではの“女優論”に、映画評論家・品田雄吉氏との対談「現代女優名鑑」も特別収録。さらに冷やし中華の起源に迫り、谷啓の死を悼み、気になる日本語を俎上に上げる。鮮やかに時代を切り取る名物コラム!」

『週刊文春』
2009年12月31日・2010年1月7日号~2010年12月23日号
連載「本音を申せば」一年分収録

毎年一冊刊行される
「クロニカル」エッセイ集ですが、
もう十三冊目です。

『人生は五十一から』文藝春秋 1999.6
『最良の日、最悪の日 人生は五十一から[2]』2000.6
『出会いがしらのハッピー・デイズ 人生は五十一から[3]3』2001.6
『物情騒然 人生は五十一から[4]』2002.4
『にっちもさっちも 人生は五十一から[5]』2003.4
『花と爆弾 人生は五十一から[6]』2004.4
『本音を申せば』 2005.4
『昭和のまぼろし 本音を申せば[2]』2006.4
『昭和が遠くなって 本音を申せば[3]』2007.4
『映画×東京とっておき雑学ノート 本音を申せば[4]』2008.4
『B型の品格 本音を申せば[5]』2009.4
『森繁さんの長い影 本音を申せば[6]』2010.5
『気になる日本語 本音を申せば[7]』2011.5

1932年12月2日生まれな
小林信彦さんのファンにとっては
年に一度のお楽しみです。
今年も紹介されている古い映画を観たくなりました。

「ジェームズ・キャグニーの映画は、
戦争に負けたあと、
おそらくどこかの倉庫に眠っていた
「オクラホマ・キッド」[1938]が公開され、
黒ずくめの悪役を
ハンフリー・ボガートが演じていた。

自伝『汚れた顔の天使』の中で、
キャグニーはひどい脚本だった、と回想している。

小柄で動きの早いキャグニーは、
一度見たら忘れられない。
この人はギャング・スターとして知られ、
高額所得者になったのはそのせいだろうが、
本来は <ソング・アンド・ダンスマン> であった。
芸人志望といってもいい。

若いころ、
旅まわりのヴォードヴィルの三人組の一人、
アーチー・リーチという男が抜けたので、
その穴埋めとしてキャグニーが入り、
六ヶ月、巡業して歩いたという。

アーチー・リーチとはのちの名前が
ケイリー・グラント。つまり、
ケイリー・グラントも
<コメディとアクロバット> の人だったのである。

いってみれば、
キャグニーもグラントも、
映画に入る前はショウマンであり、
愛嬌が命であった。

このキャリアは、
二人が大スターになってからも、
みごとに生かされていたと思う。」
p.10「 ベスト男優二人+α」

James Cagney (1899.7.17-1986.3.30)
Cary Grant (1904.1.18-1986.11.29)

ジェームズ・キャグニーの作品は
あまり観たことがなくて、
思い出せるのは、
2005年9月と12月に、
福岡市総合図書館から借りたVHSビデオで観た、

『栄光何するものぞ』1952 監督 ジョン・フォード
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=2697

『ミスタア・ロバーツ』1955
監督 ジョン・フォード マーヴィン・ルロイ
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=22754

の二本ぐらいです。

戦前の有名な作品
『汚れた顔の天使』1938 
 監督 マイケル・カーティス
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=24302

『彼奴(きやつ)は顔役だ!』1939 監督 ラオール・ウォルシュ
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=5507


などを観てみたいものです。

キャグニーの代表作は、
小林信彦も本書で触れていますが、
見事なタップダンスを見せる、
『ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ』1942

監督 マイケル・カーティス
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=23875

だそうで、アカデミー賞主演男優賞を受賞してます。
廉価なDVDがあるのかな?

追記
『アカデミー賞 ベスト100選
DVD10枚組 1,998円
http://www.amazon.co.jp/dp/B00YC30YUW/
レベッカ
サンセット大通り
ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ
黄金
聖処女
ジェニイの肖像
悪人と美女
赤い靴
シラノ・ド・ベルジュラック
地上最大のショウ
を、
2015年11月に、購入しました!



小林信彦(1932.12.2- )
『日本橋に生まれて 本音を申せば』
題字平野甲賀+吉良幸子 章扉イラスト二枚小林泰彦
文藝春秋 2022年1月刊 280ページ
2022年3月18日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4163914927

「「映画は子供のころから見ていた。東京は日本橋区の生れで、和菓子屋の九代目の長男で、親や番頭に可愛がられながら育ったから、そういうことになる。」
自らをそう振り返る小林信彦さんが、折にふれて観なおす名画の話。八十何年かの人生をいろどる幸福な出会い。名著に加筆を施した『決定版 日本の喜劇人』のこと・・・。
「週刊文春」で23年連載された名物コラム『本音を申せば』シリーズが、本書をもって完結します。
第一部「奔流の中での出会い」は、野坂昭如さん、山川方夫さん、渥美清さん、植木等さん、長部日出雄さん、大瀧詠一さん、江戸川乱歩さんなど、ひときわゆかり深い17名の思い出。
第二部「最後に、本音を申せば」は、2021年のクロニクル。NHKBSプレミアムで放映される映画のラインナップが上質なのに感心し、『日本の喜劇人』に加筆して「決定版」を刊行された年でした。
「数少い読者へ」と題した最終回が「週刊文春」に掲載されると、愛読してこられた読者の方々からのお便りが、編集部に続々と寄せられました。
長年のご愛読に感謝しつつお届けする最終巻。平野甲賀さんのフォントを題字に使用し、本文挿絵は小林泰彦さんです。」

福岡市総合図書館予約10人。
『週刊文春』
2018年11月1日号~2019年6月20日号、
2021年1月14日号~7月8日号
掲載38篇と
「あとがき お手を拝借」p.274-275

1932年12月2日生まれな小林信彦さんが、
65歳、1998年1月1日号から連載を始めた、
「人生は五十一から」
「本音を申せば」
最終巻(全23冊)。

『気になる日本語 本音を申せば[7]』2011.5
『非常事態の中の愉しみ 本音を申せば[8]』2012.5
『映画の話が多くなって 本音を申せば[9]』2013.4
『「あまちゃん」はなぜ面白かったか? 本音を申せば[10]』2014.5
『女優で観るか、監督を追うか 本音を申せば[11]』2015.5
『古い洋画と新しい邦画と 本音を申せば[12]』2016.5
『わがクラシック・スターたち 本音を申せば[13]』2017.5
『生還 [14]』2019.3
『また、本音を申せば[15]』2020.4
『とりあえず、本音を申せば[16]』2021.3
『日本橋に生まれて 本音を申せば[17]』2022.1

週刊誌を買うことがまったくない私は、
毎年一冊刊行される「クロニクル・エッセイ」を、
毎回、リクエストした図書館から借りて楽しんできました。

最初の
『人生は五十一から』1999.6
から、もう二十年以上経ってしまったんだなぁ。

「『見知らぬ乗客』[1951]や
『ダイアルMを回せ!』[1954]の
ヒッチコック、
中期のヒッチコックは、
ハリウッドの体制にようやく従うかに見えて、
離れ技をやってみせた。
彼が <天才> なのはこの瞬間である。
みなさん、拍手をするならここです!

別にそうしたことが分かっても、
エラくはない。しかし、
ヒッチコック[1899.8.13-1980.4.29]であれ、
ビリー・ワイルダー[1906.6.22-2002.3.27]であれ、
そこに気づき、認めなかったら、
彼らはエンタテインメントの帝王でなくなるではないか。

きみたちは、
古今亭志ん生[1890.6.5-1973.9.21]や
マキノ正博(雅弘)[1908.2.29-1993.10.29]
に充分な拍手を送らなかったではないか!
2021年12月12日」p.275

長く続いた連載の読者への単行本最終ページを読んでいて、
27歳だった『ヒッチコック・マガジン』編集長・中原弓彦が
花田清輝(1909.3.29-1974.9.23)を斬り捨てた文章
「花田清輝氏の批評を読んで サイコでなければいいが…」
(初出『映画評論』1960年6月号なので、
1955年1月生まれな私はリアルタイムでは読んでませんけど)
を連想してしまいました。

私の手元にあるのは、
『映画を夢みて』ちくま文庫 1998.1
https://note.com/fe1955/n/n6cc0a819ea9a https://www.amazon.co.jp/dp/44808718610 https://www.amazon.co.jp/dp/4480033610

ですが、最初に読んだのは、
晶文社から何冊も出ていた、
「ヴァラエティブック」
『東京のロビンソン・クルーソー』1974.6
他のどれかだったかなぁ?

当時は(も)
新刊書を買える可処分所得がありませんでしたから、
都立立川図書館から借りたのでしょう。

読書メーター 小林信彦の本棚(登録冊数134冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091202

小林信彦所蔵一覧(2021年9月4日現在 54冊 単行本刊行年月順)
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/6075249012549687

明治大学文学部学生の頃(1973-77)の
「オヨヨ大統領シリーズ」晶文社~角川文庫や
『唐獅子株式会社』から読み続けてきました。

大学四年生になり卒論指導担当が
小野二郎先生(1929.8.18-1982.4.26)になった時、
小野先生が晶文社創業者(の一人)だったことを、
先生自身から聞いたなぁ。
もちろん私も知ってはいましたが。
https://ja.wikipedia.org/wiki/小野二郎

小野先生と小林信彦さんの対談を、
小林信彦『地獄の観光船 コラム101』
集英社 1981.5
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/6094901827251072 https://www.amazon.co.jp/dp/B000J7YEVK

で読んだのは、
聖心女子大学図書館に勤務していた頃で、
この本は新刊で購入しました。
小野先生が52歳で急逝される前年でした。

http://www.aokishoten.com/yuko/yuko94.html
ユーコさん勝手におしゃべり
「ウィリアム・モリスをはじめて知ったのは、
小野二郎先生の教室だった。」

読書メーター 小野二郎の本棚(登録冊数21冊)
アマゾンに書影がない本(5冊)が残念です。
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091265

https://note.com/fe1955/n/n6cc0a819ea9a
小林信彦(1932.12.2- )
『映画を夢みて(ちくま文庫)』筑摩書房 1998年1月刊
『新編 われわれはなぜ映画館にいるのか』キネマ旬報社 2013年4月刊
鈴木清順『野獣の青春』日活 1963.4.21

https://note.com/fe1955/n/n9aa89f5956c7
小林信彦(1932.12.2- )
『大統領の密使 (角川文庫)』角川書店 1974年10月刊
『大統領の晩餐 (角川文庫)』角川書店 1974年10月刊
各務三郎「ミステリがオシャレだったころ」
『はじめて話すけど… 小森収インタビュー集』
フリースタイル 2002年7月刊

https://note.com/fe1955/n/nda06c0300092
小林信彦(1932.12.2- )
『合言葉はオヨヨ』角川文庫 1974.11
『秘密指令オヨヨ』角川文庫 1974.12
『オヨヨ大統領の悪夢』角川文庫 1976.11

https://note.com/fe1955/n/n82441377b708
小林信彦(1932.12.2- )
『唐獅子株式会社 小林信彦コレクション』フリースタイル 2016年12月刊
『唐獅子株式会社』文藝春秋 1978年4月刊
『唐獅子惑星戦争(スター・ウォーズ)』文藝春秋 1978年11月刊
『唐獅子超人伝説(スーパーマン)』文藝春秋 1979年6月刊
『唐獅子源氏物語』新潮社 1982年12月刊

https://note.com/fe1955/n/nd3107e7463f1
小林信彦(1932.12.2- )
『パパは神様じゃない』晶文社 1973年11月刊
『ドジリーヌ姫の優雅な冒険』文藝春秋 1978年7月刊
『超人探偵』新潮社 1981年3月刊


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