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小林信彦(1932.12.2- )『コラムにご用心 エンタテインメント評判記 1989~92』筑摩書房 1992.5  Alfred Hitchcock (1899.8.13-1980.4.29)『汚名』Notorious (1946)

小林信彦(1932.12.2- )
『コラムにご用心 エンタテインメント評判記 1989~92』
装幀・装画 和田誠
筑摩書房 1992年5月刊 272ページ
2005年11月21日読了(うつ病休職中)
福岡市総合図書館蔵書
2019年10月20日購入 アマゾン中古257円
https://www.amazon.co.jp/dp/4480822976

「黒沢明、周防正行、植木等、上岡龍太郎、島田紳助、とんねるず、ウディ・アレン、ジュリア・ロバーツ…。映画からTV、ラジオまで、今が旬のエンタテインメントを鮮やかな筆致で論じたコラム集。」

ちくま文庫 1995.4
https://www.amazon.co.jp/dp/4480030298
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480030290/

「『コラムは踊る』『コラムは笑う』に続くエンタテインメント評判記第4弾。植木等の軽やかな動きに拍手を送り、〈とんねるず〉の体育会ノリにわくわくし、黒沢明の映画アクションに酔う…。映画からテレビ、ラジオ、舞台まで斬れ味冴えるコラム60篇に加え、映画批評を考える二つの対談を収録。
〈とんねるず〉と植木等
「ニューヨーク・ストーリー」とウディ・アレン
刺激的な「ブラック・レイン」
「ニュースステーション」の特性
〈とんねるず〉をどう評価するか
松田優作の死とカーク・ダグラスの自伝
大阪賛歌―「どついたるねん」
マイケル・J・フォックスの一人四役
1990年の顔
「恋人たちの予感」と「シー・オブ・ラブ」〔ほか〕」

『中日新聞』1989年9月~1992年3月連載
「小林信彦のコラム」61回分と対談二篇、

森卓也(1933- )
「今、映画批評を考える」p.226-240
『キネマ旬報』1991年8月下旬号

中野翠(1946.7.21- )
「ふたたび、映画批評を考える」p.241-262
『キネマ旬報』1992年1月上旬号
「題名索引」巻末6ページ

和田誠さん(1936.4.10-2019.10.7)の装画六枚、
カバー表紙 とんねるず
カバー裏表紙 この女性は誰だろう?
「1989 『ブラック・レイン』の松田優作[1949.9.21-1989.11.6]」p.5
「1990 上岡龍太郎[1942.3.20- ]」p.29
「1991 黒澤明[1910.3.23-1998.9.6]」p.119
「1992 『シコふんじゃった』の本木雅弘[1965.12.21- ]」p.205

1987年春、福岡県太宰府市の
筑紫女学園短期大学図書館に転職した私は、
相変わらず、映画とは無縁な毎日でしたから、
本書を、刊行時には知らなかったと思います。

取り上げられている映画、
『ブラック・レイン』1989
https://www.allcinema.net/cinema/20313

監督 リドリー・スコット
出演 マイケル・ダグラス アンディ・ガルシア 高倉健 若山富三郎

を、読了後、
2005年11月26日に、
福岡市総合図書館から借りた
VHSビデオで観ることができて、
「[松田優作の]
<遅れてきた日活アクション・スター>
らしいキビキビした動き」p.14
を楽しみました。

「アメリカでは9月12日から公開されて、
興行成績一位になったが、
一般観客はアクション、
マニアは『ブレードランナー』的世界に酔う、
という二段構えの映画である。
日本では生かされなかった
松田優作のスター性と
大阪のネオンに魅惑された
二時間であった。」p.15

小林信彦(1932.12.2- )
森卓也(1933- )
「今、映画批評を考える」p.226-240
初出『キネマ旬報』1991年8月下旬号

「小林 ビデオは便利だけど、
あれに溺れるのは非常に危険なんです。
ある日本の中堅監督が
三、四日でヒッチコックの映画をぶっ通しで見れば
ヒッチコックなんか分かる
といっているのをきいてびっくりしたけど、
映画技法というのは大画面で見なければ
分からないことがあるんです。

『汚名』1946 はヒッチコックとしては
出来がいい方ではないと思うけれど、
大画面で見るのとビデオで見るのとでは
大違いですからね。」p.234

「ある日本の中堅監督」って誰なんだろう?

『汚名』
https://www.youtube.com/watch?v=7LwPhO2qPcQ
1:40:58 日本語字幕自動翻訳
https://en.wikipedia.org/wiki/Notorious_(1946_film)

2004年11月うつ病発症・休職・復職・再発・休職・復職・再発・
2007年10月退職後の、
2009年9月15日に、
糸島市加布里サニーで買ったDVD(3枚各498円)で、観ました。

前日に『白い恐怖』1945、
https://www.allcinema.net/cinema/11214

翌日に『山羊座のもとに』1949
https://www.allcinema.net/cinema/23699
も。

毎日、映画館に通っていた
明治大学文学部学生だった頃
(1973-77 1975年には洋画185本・邦画212本!)、
大画面で観られたヒッチコックは、

『フレンジー』1972
1974年1月18日 渋谷東急名画座
https://www.allcinema.net/cinema/20700

『ファミリー・プロット』1976
1977年3月14日 池袋文芸坐
https://www.allcinema.net/cinema/19213

の二作だけでした。
もっと映画館で観たかったなぁ。
 
「和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『汚名』が、ぼくにとっては、
ヒッチコックとの最初の出会いなんだよ。
もうこれで、いっぺんにヒチコックが好きになった。

でも、よく考えてみると、
当時高校一年生だったから、
あんな異常な状況における恋愛なんて
よくわかるはずがないんだよね。

それがこの映画の魅力の半分くらい占めてるでしょ。
半分わからなくても好きになる映画だったんだね(笑)。 」
山田宏一・和田誠『ヒッチコックに進路を取れ』
草思社 2009.8 p.193
2009年9月12日読了
https://note.com/fe1955/n/n7f7a01861383
https://www.amazon.co.jp/dp/4794222440


小林信彦(1932.12.2- )
中野翠(1946.7.21- )
「ふたたび、映画批評を考える」p.241-262
初出『キネマ旬報』1992年1月上旬号

「中野 『映画を夢みて』
[筑摩書房 1991.10]
を拝読して驚いたのは、
ヒッチコックとビリー・ワイルダーの評価が、
今[1991年]と全然違ったんだな、
ということなんです。

小林 双葉十三郎さん[1910.10.9-2009.12.12]や
清水俊二さん[1906.11.27-1988.5.22]たちは
非常に高く評価してたんですが、
もっと一般的な意味でまともな批評がなかった
ということなんです。

ヒッチコックは
『ヒッチコック/トリュフォー 映画術』
[山田宏一(1938.9.13- )・蓮実重彦(1936.4.29- )訳
晶文社 1981.12]
https://www.amazon.co.jp/dp/4794958188
https://ja.wikipedia.org/wiki/映画術_ヒッチコック/トリュフォー
という一冊が大きく評価を引っ繰り返したんです。
以前から研究書は出てたけど、その前と後ではガラッと変った。」p.243-244

「宮部みゆき(1960.12.13- )
映画と小説、どちらにより影響を受けたかと考えると
七対三ぐらいで映画なんです。
最初にミステリーを書こうと思った時に買ってきた参考資料、
ヒッチコックとトリュフォーの『映画術』[晶文社]なんです。
お昼ごはんを一週間立ち食いソバにしなきゃいけないくらい高かったけど、買ってきたのは『映画術』だったんです。」
『小説新潮』2017年6月号
永久保存版 宮部みゆき作家生活30周年記念大特集
p.18「ロングインタビュー 立ち止まって振り返る30年の道のり 二十世紀編」
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/1517937771614190

私が『映画術』を読んだのは2005年9月
(うつ病休職中・2004年11月発症)
でした。

http://kangaeruhito.jp/articles/-/2300
新潮社 Webでも考える人 2017年12月5日
津野海太郎 最後の読書 08 手紙と映画館が消えたのちに

「映画館時代の映画とのつきあいは
「一期一会」が原則だったのである。
そこには、
ここで見のがしたらもうあとはない、
という緊張がたえずつきまとっていた。
そして、その緊張感に後押しされて、
映画的な記憶力ともいうべきものが、
いやおうなしに強化される。

淀川長治[1909.4.10-1998.11.11]、
植草甚一[1908.8.8-1979.12.2]、
小林信彦[1932.12.2- ]、
和田誠[1936.4.10-2019.10.7]
といった人たちの、
映画の細部についての
異様なまでになまなましい記憶力
――かれらにつづく
蓮實重彦[1936.4.29-]や
川本三郎[1944.7.15-]や
瀬戸川猛資[1948.7.5-1999.3.16]
たちをもふくめて、
あれはすべて
ビデオやDVDや YouTube 以前の、
町の映画館で鍛えたものだった」

津野海太郎『最後の読書』新潮社 2018.11
https://www.shinchosha.co.jp/book/318533/
https://www.amazon.co.jp/dp/4103185333
https://www.amazon.co.jp/dp/4101202826
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/2408169572591001

https://kangaeruhito.jp/article/8563
2019年8月5日 24 映画少年のなれの果て

読書メーター 小林信彦の本棚(登録冊数131冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091202

読書メーター 映画の本棚(登録冊数178冊 著者名五十音順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091199

https://note.com/fe1955/n/n6cc0a819ea9a
小林信彦(1932.12.2- )
『映画を夢みて(ちくま文庫)』筑摩書房 1998年1月刊
『新編 われわれはなぜ映画館にいるのか』キネマ旬報社 2013年4月刊
鈴木清順『野獣の青春』日活 1963.4.21

https://note.com/fe1955/n/n19f177b4b2ad
小林信彦(1932.12.2- )
『気になる日本語 本音を申せば』文藝春秋 2011.5
『日本橋に生まれて 本音を申せば』2022.1
James Cagney (1899.7.17-1986.3.30)
Alfred Hitchcock (1899.8.13-1980.4.29)

https://note.com/fe1955/n/n9aa89f5956c7
小林信彦(1932.12.2- )
『大統領の密使 (角川文庫)』角川書店 1974年10月刊
『大統領の晩餐 (角川文庫)』角川書店 1974年10月刊
各務三郎「ミステリがオシャレだったころ」
『はじめて話すけど… 小森収インタビュー集』
フリースタイル 2002年7月刊

https://note.com/fe1955/n/nda06c0300092
小林信彦(1932.12.2- )
『合言葉はオヨヨ』角川文庫 1974.11
『秘密指令オヨヨ』角川文庫 1974.12
『オヨヨ大統領の悪夢』角川文庫 1976.11

https://note.com/fe1955/n/n82441377b708
小林信彦(1932.12.2- )
『唐獅子株式会社 小林信彦コレクション』フリースタイル 2016年12月刊
『唐獅子株式会社』文藝春秋 1978年4月刊
『唐獅子惑星戦争(スター・ウォーズ)』文藝春秋 1978年11月刊
『唐獅子超人伝説(スーパーマン)』文藝春秋 1979年6月刊
『唐獅子源氏物語』新潮社 1982年12月刊

https://note.com/fe1955/n/nd3107e7463f1
小林信彦(1932.12.2- )
『パパは神様じゃない』晶文社 1973年11月刊
『ドジリーヌ姫の優雅な冒険』文藝春秋 1978年7月刊
『超人探偵』新潮社 1981年3月刊

https://note.com/fe1955/n/n7f7a01861383
山田宏一(1938.9.13- )
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『たかが映画じゃないか』
文藝春秋 1978.12 文春文庫 1985.5
山田宏一・和田誠
『ヒッチコックに進路を取れ』
草思社 2009.8

和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『シネマッド・ティーパーティ』
講談社 1980.4
『シネマッド・カクテルパーティ』
講談社 1991.11

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