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Notionデータベースを活用した組織課題解決とミーティング運営方法

※ 長くなりすぎたので、本編を即座に知りたい人は「アジェンダ作成プロセス」を見てみてください。

MESONはXRアプリケーションの企画・開発を行っているスタートアップで、社内の全てのドキュメントをNotion上で管理しており、戦略、組織、採用、広報、社内のミーティング等に至るまでNotionを活用し倒している組織です。

MESONでは組織づくり、カルチャーづくりに社員数が3~4名のときからとっても大事にしており、その組織づくりをしながら同時にNotionで効果的、効率的に運用することを心がけています

ぜひ記事を読んで興味を持った方は、組織づくりや組織課題の解決、会議のファシリテーションなどにもNotionを活用してみてください。
私達も使い方や運用方法を工夫しながら行っているので、面白い活用方法があったら教えていただけますと嬉しいです!


本記事をどんな人に読んでほしいか


  • 人事や組織づくりを担っているすべての方

  • 組織づくりに関して考えるのが好きな方

  • Notionを導入して会議を効果的にファシリテーションしたい方


本記事を公開するに至った背景


継続的な議論が必要な会議にNotionはとっても効果的

もともと会議のアジェンダ設計やファシリテーションはとっても好きで得意だと自負していたのですが、このNotionというツールを使いこなすと更に記録の保持や次回以降の運用でも高い効果を得られるのでは?と考えたのが一つのキッカケです。

本質的な会議で目指したい「お題設定 → 発散 → 収束 → アクション設定」の質は落とさずむしろ上げる

とはいえ、Notionというのは便利なツールではあるものの、会議で行う議論の効果性が下がってしまっては元も子もありません。なので、今までのスライドやホワイトボードやテキストアジェンダに劣らず、むしろ議論の質を高めるためにNotionを活用するという点でも工夫を凝らしました。

現代の働き方 フルリモート / 対面 / ミックスの全てに対応できる運用

現代の働き方は様々な組織が運営の方法などを模索している段階かと思いますが、どうしてもフルリモートにせざるを得ない状況や、リモートの人と対面の人がミックスになってしまう場合、そのどの場合であっても高い議論の効果性と運用性を担保できるように設計しました。

本記事の通じて得られること


  • Notionを活用した組織課題の解決方法

  • Notionを活用したアジェンダの作成方法

  • Notionを活用したファシリテーションのポイント


組織課題の解決の全体図


全社員で自社の組織や制度をデザインする

MESONでは前述の通り、創業間もないころから後々の組織拡大を見越してカルチャーデザインや組織づくりに非常に力を入れてきました。僕は個人的に代表の梶谷(カジ)の相談にのったりしながら休日を一緒に過ごすことが多く、私が独立したタイミングでMESONのカルチャー戦略、組織戦略に携わらせていただくことになりました。

MESONでは全社員で3ヶ月に一度、全社のMISSIONと事業戦略から組織がどうあるべきか?組織がどのように運営されると効果的か?そのためにどのような諸制度が必要か?などをディスカッションするStyle Design Workshopを行っています。

Style Design Workshopの様子 ①
Style Design Workshopの様子 ②

この中で沢山の組織制度や仕組みがディスカッション、検討され多くの実験が繰り返されてきました。
ポイントはいくつもあるのですが、抜粋すると

  • 全員参画で自社の組織をデザインできること

  • MISSION, 事業戦略の達成のために組織をどうデザインするかという観点

  • 各自の強み、才能、経験を活かし、引き出す

という形でMESONにおける組織の諸制度の少なくとも50%以上はこのStyle Design Workshopから生み出されています


組織課題が抽出され方向性が共有されたあとの運用

Style Design Workshopでは組織課題の発散、収束と解決の方向性の共通認識をつくり終了します。やはり具体の施策や解決策や解決までは扱いきれないのが現状です。
そこで、MESONのHRチームが中心となって各組織課題の解決に関心のあるメンバーを集め、アジェンダを準備してディスカッションして解決策の実行までを確実に行う仕組みがあります。
特に注意するべきなのは課題を発散してその時は気持ちよくなったとしても、実際に解決するのは忙しい業務の時間を使ってせねばなりません。とはいえ事業に携わっているメンバーにそれら全てを担わせるのは無理があるものです。
しかも、課題は出したのに解決しないで3ヶ月後を迎えたとすると「なんだまた同じ課題の繰り返しだ!」と思ってしまうメンバーがいても不思議ではありません。なので、確実に事業進捗がありながらも組織課題を着実に解決に前進させる機能が必要です。


組織課題の着実な前進のためにHRチームが取り組むこと

  • 課題のグループを作成して興味があるメンバーを募りスケジューリング

  • ミーティングまでにボードと方向性のすり合わせをしてアジェンダ作成

  • 当日のファシリテーションと議事録の取りまとめ、記録動画の全社シェア

  • 継続的なミーティングの実施

上記を事業の中心的役割を担っているメンバーに担ってもらうことには無理があるので、事業に携わっているメンバーを巻き込みながらも運営まわりでHRチームがうまく運営していくことが一番大事だと思っています。

アジェンダの作成プロセス


ここまで書いて、やっと本題のアジェンダ作成プロセスです。
(長くてすみません)

アジェンダ作成のポイント

ここで、再度アジェンダ作成のポイントを振り返っておきます。

  • 組織課題と解決の方向性はStyle Design Workshopでおおよそ合意

  • とはいえ手段の目的化を避けることが大事(組織課題のための解決策にしない)

  • MISSIONの達成、事業戦略の達成のための組織課題解決という位置付け

  • 集まったメンバーの強み、才能、経験を活かすアジェンダであること

  • Notionを活用しながら効果的な議論、記録、継続的な運営を担保する

上記を達成するためにNotionを活用した運営が必要になります。(あくまでNotionもツールであり、手段なので)
今回はMESONで「20%ルール導入」「フルリモート社員のマネジメント」「副業に関するガイド」をの3つのチームを例ににアジェンダの作成プロセスをシェアしたいと思います。

ディスカッションするチームの目的と方向性を決める

アジェンダ設計で最も大切なのは、そもそも何のために集まった会議なのか?ということを言語化、明文化することだと思っています。これが日本国民全員ができるようになったとしたら、日本のGDPの5%は上がるんじゃないかと思うくらいです笑
特に組織課題の解決策のディスカッションは経営コンサル、組織コンサルを前職でしていた立場からしても「手段の目的化」が起きやすく、結果として効果的な施策にならないことが多々あります。
なので、そもそも何のためにこの会議を行うか?という設定を間違ってはいけません。下記のように必ずNotionの冒頭には目的文を記載しています。

20%ルールチームに集まったメンバーの興味関心をシェアしながら、本チームがMESONのMISSION達成、事業のさらなる発展のために本チームがどのような目的、役割、責任でプロジェクトを推進していくかを決定する。

20%ルール導入検討チームのキックオフアジェンダより

2022年合宿のボードの期待、メンバーの期待をもとに合宿のコンセプト、アジェンダを決定し、それに相応しい最高の開催場所を決定する

20%合宿企画チームのDAY3アジェンダより

のような形できちんと何をする会議なのか?が明文化されていないとアジェンダづくりは始まりません。


発散 → 収束 → アクション決定の流れを限られた時間で効果的に行う

さて、やっとアジェンダの本丸の作成の部分に入りたいと思います。

データベースの設計から

まずはなんと言っても、Notionが便利なのはページを作ったり、ページにデータベースを埋め込めたり、データベースからデータ抽出したりなど本当に色々なことが可能です。それを活用して目指したのは

  • 組織課題のデータベースがあちこちに乱立するのは避けたい

  • 組織課題と解決策を同じデータベース上で管理したい

  • 課題やお題、解決策などはプールできるようにしておきたい

上記のことを加味してデーターベースの設計からスタートしました。
下記が4/6現在の全組織課題のまとまったデーターベースになっています。

組織の何かしらの施策を導入する際にはメリット/デメリットの両面があること、また事業や組織への影響度も様々なので、それらをカテゴリ分けして扱えることを目指しました。
また、ディスカッションの際にもメリット/デメリットを全員で共有しながら解決策や運用を考えることが大事なため、こういったデーターベースの設計になっています。

会議における発散のデザイン方法

まずはStyle Design Workshopでおおよその方向性は決まっているので、事業面、組織面に対してどのようなメリット・デメリットがあるかを全員で発散、棚卸しする必要がありますので、そのNotionページの作成方法が下記となります。

Notionのデータベースの「Linked View」の機能を使って擬似的なワークショップのボードを作成して、アイデアの発散を行っています。
入力前のアジェンダが下記のような形になっています。

  1. Linked Databaseの選択をして、「ボードビュー」を選択

  2. フィルター設定の部分でディスカッション「ジャンル」でフィルタ

  3. プロパティ設定でデータベースのプロパティ設定をする

    1. 横軸「グループ」で「カテゴリ」を選択

    2. 縦軸「サブグループ」でメリット/デメリットを選択

  4. メリットとデメリットのそれぞれの「+」ボタンでカード追加

これを全員で入力の時間をとると下記のような形になります。
(メリット表示が多すぎたので、トグルで隠しています)

この方法で運用を実施すると下記内容が勝手にタグ付けされます。これが何より便利!!!
なので、一気にどのカテゴリのどの内容なのか?ということが明らかになるので、分類の手間なども省くことができます。

  • メリット/デメリットの分類

  • 事業課題/組織課題(採用/カルチャー/マネジメント)/財務の分類

  • カテゴリの分類(20%ルール, 副業検討, 合宿など)


発散したアイデアの評価方法

発散したメリット/デメリットを全て検討できたら最高なんですが、やはり重要度と緊急度に応じて限られたリソースで対応することが求められます。
なので、その際に評価をして、優先順位付けをどのようにディスカッションするか?という点でもLinked Databaseのやり方が活用できます。
同じデータベースを「テーブルビュー」で表示する欄を作成して、フィルターで表示するものを検討します。
ここでは「フィルター設定」「並び替え設定」が肝になってきますが、非常に簡単に設定できます。

  • 棚卸ししたものの、メリット(or デメリット)のみが表示される状態

  • 影響度を入力すると影響度の大きいものが上にくる設定

このような形で即座にメンバーが影響度を評価できる状態をつくりました。

収束から解決策のディスカッションについて

評価である程度収束ができているものの、更に収束が必要になるので、具体の解決策をディスカッションする必要があります。その上でポイントとなったのは

  • 解決策をディスカッションする上ではどの課題に紐付けるのか?

  • 解決策の評価はどうするか?

  • ボードと効果的に合意を取りながら進めたい

上記を達成するためにデータベースをどう活用するべきかを迷ったのですが、Notionのデータベースではセルの中にもページを作成する機能があるので、各課題の解決策と評価、アクションについてはページテンプレートを作成して課題の中に書けるようにしました。

それぞれの解決策について評価とボードのレビューを記載できるようにして、非同期でもボードがディスカッションの流れと解決策を理解してレビューできる構造をつくりました。

議事録と記録のシェア

議事録と記録についてですが

  • 議事録はアジェンダにワークショップした段階で完成している

  • 記録はZoom録画をアジェンダ内に格納

という上記の2点で参加できなかったメンバーにもディスカッションの経緯や背景がわかるようにしています。


まとめ

試行錯誤しながら実施をしているものの毎回30分で効果的な「発散 → 収束 → アクション」のディスカッションができています。
組織課題を解決するのは経営陣(ボード)だけのものでも、HRチーム(人事部等)のだけのものでもなく、事業に携わっている全てのメンバーを巻き込みながら効果的に実施できることが大事です。
まだまだNotionの運用については課題もあるかと思いますが、MESONでは日々の活用方法も含めてメンバーで楽しく実験しながら取り組んでいます。

もっとこういう運用方法があるよ!というアイデアを思いついた方はぜひ教えて下さい!


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