私の恋人はまったりさん
センチメンタルな夜を何度も超えて、ジエノゲストに早く慣れたい服用3日目。
いまだメンタル以外の不調は、ちょっと気になる程度の生理痛と 寝ても寝ても寝足りない睡魔のみ。
昨日は、恋人タミオ君の休みに合わせて私も休暇を取得していた。平日私の方が有給を被せにかかるのは交際後初めて。
タミオ君のお仕事は基本土日休みではないし、突然休みが決まったり突然休みが返上したりするので、なかなか事前に予定が入れられない。
もし休みが休みじゃなくなった時のことを考慮して、自分が有給を使うこともなかったんだけど
今回は仕事がそれなりに落ち着いている時期だったことと、私自身が全然落ち着かない時期だったこともあって、リフレッシュも兼ねて取得した。たとえ返上したところで私が単体で休めばいい、と思えたから。
そして過ぎ去りし6月6日は、私が今の仕事に就いた日。
今月をもって17年目に突入した。
もう休むしかない、ご褒美だこれは。1日じゃ足りないわ。
毎度のことながら前日の夜にやってきたタミオ君と、軽くイチャこきながら少しゆっくりお話しした。久々に0時近くまで起きていて、目覚ましも止めて寝た。
それでも体が時間を覚えているからか、早起きしてしまう。
我々は実に早寝早起き。
でも、翌日一緒にお休みで お互いの時間を気にせず一緒にいられるという気持ちで寝るのは、心の余裕と喜びが違う。
交際序盤からタミオ君が連れていきたいと言ってくれていた、平日しかやってないイタリアンのビュッフェ的なお店があって
大型商業施設、またの名をショッピングモールの中にあるお店なので、少し早めに出動して歩き回った。
一緒に行きたい と話していた 無印良品やKALDI、ビュッフェを挟んで ニトリやEIDEN、途中気になったお店もいくつか回りながらたくさん歩いた。
誕生日に友達がくれたスタバのチケットを使うべく、別のショッピングモールもハシゴしたりした。
もはやそっちはまだ期限が少しあったし、若干の生理痛とビュッフェの満腹感で歩き回るのが少々しんどい時があった。
素直にそう伝えて 無理矢理行かなくてもよかったんだけど、走り回ることも歩き回ることも、タミオ君にとっては「念願のショッピングデートが楽しい」に搔き消されているようだったので、行けるとこまで行ったろか という気持ちになった。
翌朝の出勤が早いことも聞いていたし、その日の夜は家でご飯を作って食べる予定だったので、私はいろいろと時間を逆算して考えてしまい
もしかすると心底デートを楽しむ雰囲気は出せていなかったかもしれない。
そして疲れ果てて帰ったらすぐに寝てしまうタミオ君も想像できていた。
更に予想を裏切らないスピードで、彼は寝た。
やっぱり子供みたいだ。
恋人が寝ている間にご飯を作ることも
食べ終わった途端に再眠に入ってしまう恋人を起こさずに片付けて、自分のお弁当やお風呂の用意をすることも
今のところは苦にならない。
自分も同じだけ疲れているはずなのに
まだ愛おしいと思えるなんて私は神様か、と自分で突っ込めるぐらいには その状況に幸せを感じたりしている。
タミオ君はよく『御子ちゃんがいればそれでいい』と言ってくれるが
私の方がそう思っているな、と自らの思考回路をもってして感じている。
私とタミオ君はいろんなことが似ているが
価値観の違いがないと思っているわけではない。
一緒に時間を過ごすことにおいて、大切な部分が似ていて
違っている部分の価値観を受け入れられるぐらい 相手を信頼できているのであれば、それに越したことはない。むしろ最&高。
ショッピングモールデート前夜に 布団の中で話したあれやこれやの中には、お部屋探しの話も含まれていて
今のタミオ君の気持ちもほんのり聞けた。
笑いごとで済むうちが華だぞ、タミオ。
でも確かに我々は、妊活をしないと決めたからこそ結婚を急ぐ必要がなくなった。
ずっと一緒にいたい、死に際に寄り添いたい、という理由を強く前面に押し出す必要がなければ、籍を入れなくたって会うことはできるし、私自身も 今の環境や生活に不満を感じているわけでもない。
方位や距離を気にしたり 自分のメンタルに振り回されたりしているおかげでなかなか決まらないお部屋探しも、私はそれなりにもどかしくて悔しい思いをしているけれど、まったりさんにはちょうどいい様子。
これは進まないぞ。
かねてから言われている『御子ちゃんの住みたいところに行きたい』という言葉は、果たして本当に優しさなのか、単純に放棄なのか考える。(決して本人は放棄しているつもりじゃないことも重々承知)
急いで進まなくたって全然いいけど、進めようと思ったら自分が動くしかないな と、改めて思った。
***
先日イベントで再会したキューピッドの殿方が
『タミオは優柔不断だからな、御子ちゃんが不安じゃないならいいけど、いろいろ大丈夫?』と聞いてくれた。
『確かに優柔不断というか、男としての決断力には欠けるかもしれないけど、普段は男女が逆転してるようなとこあるし、精神面で支えてもらってるから不安には思ってないよ。』 とお答えした。
パッと出た 私の本心である。
タミオ君の方は
部屋も決まってないのに冷蔵庫探したり
一緒に住んだ後のことをリアルに妄想することは得意だけど
現実的にその環境を手に入れるべく動くのは苦手。
そうなる日を楽しみにしてくれているのはよくわかるし、大事に想ってもらえている実感もあるし、添い遂げることに不安があるわけではない。
しかし、思い起こしてみるがいい。
紹介してもらって初めて連絡を取り合う時だって
仲良くなって交際を始める時だって
いつだって私が言い出しっぺだった。
今の部屋に連れ込んだ時も
一緒に住む部屋を探すのも
不動産屋とやり取りするのも
いつも私が動いてタミオ君がそれを文句も言わずに受け入れる。
肉食女子か私は。
どちらかというとベジタリアンだぞ。
最近はオートミールにハマッているよ。
妊活をするかどうかを決める時も
薬を変えることも
ここはさすがに本人の意思を何度も確認はしたものの、私のプレゼンによる決断と了承、時間切れによる結論への到達がメインであり
決して本人から『俺はこうしたい』という強い気持ちを聞いたわけではない。
私の気持ちや状況を、いつだって真正面から受け止めてくれるタミオ君の優しさに 何度も救われてきたけれど
もしかすると一般的にそれは【優柔不断】と言われるやつで
私が 子供を作らない選択をしたことにずっと罪悪感を消せずにいるのは
原因は全部自分にあるのに
タミオ君発信で決めた答えではない 事が大きいのかもしれない。
*****
歩き疲れたショッピングモールハシゴデートは、とても楽しかった。
一般のカップルが当たり前のようにしているデートも、我々は仕事柄難しかったりするので 貴重な経験だった。
賃貸物件の内覧予約も入れず
お互いの家族と過ごす時間も作らず
ただ二人で時間を過ごすこと
二人がやりたかった些細な計画を片っ端から遂行しただけのデートは、普通に考えたら簡単なことかもしれないけど 嬉しかった。
もし一緒に暮らすようになって
同じ家に帰ってくることも、二人で過ごすことも当たり前になったら、今までなかなかできなかったことが もしかするとできるようになるチャンスでもあるわけで
先のわからないことを妄想してマイナスに考えてしまう癖は、私も持ち合わせているのでよくわかるけど 考えても仕方がないし
何より人は、変わる。
人の気持ちも環境も、変わっていくものである。
変わりながらも、その中で一緒にいたいと思い続けられるのかどうかが大切なんであって
変わらないことや、一般的な型にハマることだけが、幸せの全てではない。
タミオ君が言ってくれる
『御子ちゃんがいてくれればそれでいい』も
『写真を見ているだけで恋しくて涙が出そうになる』も
決して嘘や冗談だとは思っていない が
心地良い環境に惰性で身を置いている現状を抜け出してまで、手に入れたいわけではない のが現実。
それが悲しいという意味ではない。
そうだとしても仕方がないし、それでいい と感じている私と
そのこと自体に気付いていない、恋人。
その差異が致命傷になる日が来るんだろうか。
私はそれでも、タミオ君にそばにいてほしいと 思っているけれど。
今後もタミオ君と一緒にいたいと願うなら
人生において何かしらの進展を望んだ場合
自分からアクションが必須であるということを、私が忘れてはならない。
【男たるもの】とか
【女なら】とか
一般的な型にハマらなくたって、うまくいくケースはあるんだと
(妊活然り)ゆっくり証明できるパートナーでありたい。
了
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