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最高のお誕生日プレゼント~前編~

って、言ってもらえた話。


土曜日は久々に恋人タミオ君とのお休みが重なったので、誕生日を間近に控えたお母様のお祝いと、入籍予定の報告を兼ねて実家にお邪魔した。

入籍予定の報告については、元々予定していたわけではない。

ざっくり5月の吉日を狙うことにしただけで、特別その日に思い入れや拘りがあるわけではなかったことと
急遽詳細日程が決まらない5月の出張任務を言い渡されていた数日前。

しかしながら、行くかどうかもわからない仕事の予定を加味して 入籍の日付をズラすなんて腑に落ちなくなって、実際入籍できるかどうかは別として一旦予定日を目指して準備をしよう と話していた時だった。


先日用事があって仕事の帰りに実家に寄ったタミオ君が、ご両親から『入籍はいつするの、お祝いしたいから決まったら教えてほしい』と言われたそうで、そんな話が出た後にお邪魔するのに その話に触れないわけにもいかないよね ってことで、5月の吉日に考えていることを報告することになった。



タミオ君にも、本当に5月を狙っていいのかどうか事前に何度も聞いたし、その日親御さんに直接話をしていいかどうかについても行く前に確認した。

そもそも土曜日の休みが決まったのも突然だったし、おうちにお邪魔する許可を得たのも前日だった。


去年の年末、引っ越しと同じタイミングで籍を入れるかどうかの話をしていた時に我が母が先走って区役所で貰ってきてくれた婚姻届け二枚と 必要書類の説明書きは 今でも役所の封筒に入ったまま。

せめて最初に目を通すのは一緒に って、開けずに引き出しにしまったままだった。今度の休みに、って何度言ったかわからない。

それでも封筒を開けるどころか引き出しから出すこともなく、今に至る。

証人の欄にはそれぞれの親にサインをもらう予定にしていたけれど、さすがにそれは今回突然行ってお願いするんじゃなくて
ちゃんと そのために行くから時間を下さい って事前にお願いしたいから今回は持って行かないよ、って伝えた。


*****


近所のおいしいお店でケーキを買って、お昼ご飯を済ませてから実家にお邪魔したんだが、そうした経緯としては

タミオ家の【お誕生日には親にお金を渡す】というしきたりに沿って、今年の母の誕生日にはタミオ君がお金をくれた。

タミオ君の家では、誰かがお誕生日でも特にケーキを買ってお祝いするなどのことはしないらしいので
それなら今度は逆に我が家のしきたりに沿ってお祝いさせてもらいたい!!


と、お母様にも伝えて
ご両親と一緒に持参したケーキを食べました。


ケーキを食して、軽い世間話を終えて

『あの、これまでちゃんとお話できていなくて申し訳なかったんですが、入籍を5月にできればと考えております。』 と、切り込んだ。

できれば二人で一緒に提出に行きたいので、出張の具合では延期することになってしまうかもしれないことと

ずっと直接言えなかった
私の女体トラブルについても、詳細を報告できた。


結婚に対して、とても喜んでくれて
第一に私の身体や健康状態を気にかけてくれた。

お母様もその昔、子宮筋腫を摘出する手術を受けていて、生理の大変さや生理がなくなったことの解放感について思いのほか盛り上がってしまった。

特別しんみりすることもなく、和やかに、元気に、報告ができて
あたたかくその全てを、受け止めてくださった。


話の流れで(今考えれば赤裸々になりすぎかとも思うんだが)
避妊について触れられたので
今はしていないと正直に伝えた。

一応確率については病院でも確認したものの「医療の立場から100%も0%も存在しない」と言われたことや、可能性は極めて低いものの万が一できた場合にどうするか というシミュレーションはした上で 避妊を辞めたことも話したが

そこでタミオ君がまさかの『そんなシミュレーションなんてしたっけ?』という発言をかましてきた。


え?


シミュレーションという言葉をチョイスした私も悪かったが、話し合いの末『産んでほしい』と言ったのは誰だ?

年齢的にも身体的にも元々可能性は低い上に、完全に生理を止める薬を飲んでいる。それでも医学的に0%ではない確率に引っかかって妊娠しないとも限らない状況で、もし授かったとしたら 

それこそ奇跡であり、産まない選択はない って
話し合ったのは幻か?


一瞬にしてそんなことを考えたけど 親御さんの前で説教するわけにもいかず、『覚えてないの?話したよ。』とだけ伝えて話を続けた。


子供は産んで終わりじゃないから
その後育てるにしても、仕事を続けられないとか、身体への負担とか、いろんなことを考えた上で【妊活を頑張らない】と決めて薬を変えたこと

二人でも楽しく仲良く過ごしていければいい と思ったこと

子孫を残せないことへの罪悪感は今でもあるけれど、実際毎月動けない日が発生して心配や負担をかけるよりも、心身共に健康を維持することで私もタミオ君を支えたいという気持ちがあってこその決断であること

私が伝えたいと思っていたことは、ちゃんと全部伝えられた。

ご両親ともに最後までちゃんと聞いてくれて、二人が幸せなら、身体が健康で元気ならそれでいい と 言ってくれた。



それでいて改めて、一緒になることを喜んでくれて

私はご両親と、ちゃんと向き合って話ができてよかったと 思う反面
タミオ君が【覚えがない】と言った大事な話 がずっと頭の片隅から離れず。

帰りの車の中で、本当に覚えていないのか聞いたところ、覚えてる(思い出した)とは言った。
こんな大事なこと 本当に忘れてるら速攻避妊再開だし、産んでほしいなんて冗談でも勢いでも言うことじゃないしそうだとしたら許さんよ、それにあの会話の中で、例え記憶が曖昧でもご両親の前でそう言われちゃったことで 私はとても恥ずかしくて悲しい気持ちになった。 と説明した。


改めてちゃんと認識合わせはしたし、気持ちは正直に伝えられた。

それなのに
なんだろうこの、モヤモヤした気持ち。

なんだか心の奥底にたまった悲しみに、ただ蓋をしただけで根本的には何も消えてないこの感じ。



(長くなったので続く)

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