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【気持ちよくW杯!とはいかなかった】プレミアリーグ第16節 マンチェスター・シティ×ブレントフォード|マッチレビュー

さぁいよいよカタールW杯がやってまいります!この試合が終わればシティの多くの選手たちはスカイブルーのユニフォームを一旦脱ぎ、各国の威信をかけた戦いに出ていく。W杯前最後のこに一戦に勝利し気持ちよく送り出したい所だったが…

シティにとっては終始焦ったい試合に。ブレントフォードは辛抱強く自分達の強みを活かしながらゲームを進めていったそんな90分となった。

それでは簡単ではありますが試合を振り返っていきましょう!

▪️分厚いブレントフォードの壁

ホームのシティがボールを握り、アウェイの地に乗り込んだブレントフォードが自陣にブロックを敷いてカウンターを狙う構図が試合開始から出来上がった。

ブレントフォードのブロックは5-3-2。中央の密度を上げながら5バックでシティの攻撃の幅にも対応する狙いを見せた。

シティの攻撃を跳ね返すと前線で待つトニーとムベウモがボールを受けてフィジカルを活かしたカウンターを見せる。もしくは2トップが懐深くボールを収めて時間を作ると、両WBが駆け上がり分厚いサイド攻撃を見せた。

またファールを受ければシティのゴール前に高さのある選手が上がっていき、長いボールを放り込みブレントフォードの強みである高さを活かすセットプレーも見せた。そしてブレントフォードの先制ゴールはハーフラインのFKをGKラヤがシティのペナルティエリアへ放り込み生まれたゴール。

試合開始から5-3-2ブロックをしっかり形成しながら、機を見ては前から圧力に出たブレントフォードにまんまと出鼻を挫かれたホームのシティ。

さて、シティはこの分厚く高い赤白の壁にどう攻略の糸口を見つけていったのか?

▪️後ろと前に+1を

シティはベースの4-3-3配置から相手のブロックを伺いながら陣形を変えていった。ブレントフォードの5-3-2に対してどんな陣形になったのか?

相手のファーストプレスと相手のDFラインの枚数に対して+1を作る陣形

↑この試合に限らず、今季のペップシティは相手の陣形に対してこんな決まりを持って、自分たちの陣形を変えて攻撃を展開しているように感じる。

この試合でもこんな法則.決まりが見られた。ブレントフォードが5-3-2ということで、シティの最終ラインは3バックで前線は6トップとなった。3-1-6の様な配置となり5-3-2ブロックに対して、相手のファーストプレス枚数と相手のDFラインの枚数に対して+1を作る陣形を作って攻めていった。

▪️外と中盤3枚の傍からのクロス

ブレントフォードのファーストプレスの2トップに対して後方を3枚にする事でボール出しの局面に時間と猶予を作り出し、ビルドアップを安定させる事に成功したシティ。

ビルドアップの出口は、最終ラインでボールを動かしてフリーとなった後方3枚の誰かが運ぶドリブルで前進し、前線で待ち受ける6トップへボールをリリース。

もしくはアンカーのロドリにボールをつけて、相手の中盤3枚の意識をより中央に集めながら、ハーフスペースでデ・ブライネ、ギュンドアン、フォーデンが縦パスを受けてフィニッシュ局面へ。

フィニッシュ局面は主にクロス。相手の中盤3枚の傍からのクロス、もしくは大外からのクロスをあげる。前半序盤は単調にそのエリアからクロスを放り込むだけで、ブレントフォードの高いDFラインに跳ね返され続ける。そこからシティは徐々に5バックの背後へのアクションを加えて、少しづつ分厚いブロックに亀裂を入れてからクロスを上げるようになり、ブレントフォードが後ろ向きで対応するようになっていく。

そして前半ロスタイム、畳み掛けるクロス攻撃から奪ったCKからフォーデンの目の覚めるシュートが突き刺さり同点に!強引さも加えながら追いついてハーフタイムへ。

▪️ペップシティにしては大雑把

後半に入っても構図は変わらず、ブレントフォードは5バックでブロックを形成し、シティがクロス攻撃を中心に攻め込んでいった。しかしブレントフォードのブロックは相変わらず分厚く高い。たとえ中にハーランドが待ち受けていても、なかなかその壁を破ることは出来ずに時計の針がどんどん進んでいった。

ブレントフォードがやることは変わらずにこのままブロックを形成しながらカウンターを狙う。それではシティはどう出たのか?ブレントフォード同様にこの膠着する状況のまま勝点1を奪えればOKと捉えたなのか?ペップが出した答えはリスクを覚悟により攻撃的に出ることだった。

左SBカンセロに代えて投入されたのはFWのアルバレス。フォーデンを守備の時に左SBに配置するニューカッスル戦でも見せたファイヤーフォーメーションの登場。

攻撃時のフォーデンの役割はカンセロが高い位置に上がって左の大外で担っていた役割を担うことに。右利きのカンセロから左利きのフォーデンが左サイドを担うことでより早い段階でクロスが上げられる狙い。またアルバレスを投入したことでクロスに対してストライカーを増やす中の厚さを増やす狙いもあったはずだ。

左はフォーデン。右はデ・ブライネが高精度のクロスをガンガン上げる。中には3人のストライカー(ハーランド、ギュンドアン、アルバレス)を配置してペップにしてはやや強引に、やや雑に攻め込んでゴールをこじ開けにいった。

しかし中の枚数を増やしても単調なクロス攻撃ではブレントフォードの壁は高く越えられない。左のフォーデンから再三クロスを上げるも誰も合わせることもできずに何度も右サイドにボールが流れてしまったのは気になった点。

誰か右サイドで待ち受ける設定をしていれば折り返しも出来るし、クロスの厚みも増えるのになと感じた。それに加えてトランジションプレスも効果的に決まらないので、畳み掛ける攻撃も出来ずに決定機まで持ち込めないシティ。

リスクはかけるも攻撃を跳ね返され続けるシティは、後半ロスタイムカウンターから痛恨のゴールを許す万事休す。今季初のホームでの黒星となった。



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