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【サイドの利き足が決め手に】バイエルン・ミュンヘン×パリ・サンジェルマン|チャンピオンズリーグ ラウンド16 1stleg   

俺たちのチャンピオンズリーグが約100日ぶりに帰ってきた。その開幕の狼煙となったゲームの一戦がバイエルン・ミュンヘン対パリ・サンジェルマン。これぞチャンピオンズリーグというメガクラブ同士のぶつかり合い。

前半の静けさを払拭するように、後半に入ると両チームのギアは一気に上がり、世界一の攻撃力のぶつかり合いとなった。

それでは簡単ではありますが試合を振り返っていきたいと思います。

▪️バイエルンの大外アタックに耐えるPSG

バイエルンがボールを保持し攻め込み、パリが自陣に引き込んでブロックを形成しカウンターを狙う構図があっという間に出来上がった。

両チームのスタメンはこんな感じ。

[3-4-2-1]のバイエルンはビルドアップ局面はこの陣形をあまり崩さずに、ボールを前進していった。

両サイドのWBは高い位置に上がり、パリの4バックの大外に位置どり。トップのシュポ・モティングを頂点にムシアラとサネがライン間を流動的に動いていく。

2CHに入ったキミッヒは3バックの頂点に入り後方菱形を形成。3バック+キミッヒの4人が後方から前線へボールへ送る配給役に。そしてもう一人のCHゴレツカ。直接的にボールに関わることは少なかったが、立ち位置で相手にとって非常に憎い存在となっていた。

ゴレツカは自分の持ち場よりも高い位置の左のハーフスペースへ移動。それによりパリのSHとSBはより中への意識を強めて、左のワイドに張るコマンにスペースを与える。また左IHのムシアラはゴレツカのポジションの押し上げに伴い、より自由度をもって動けるようになった。

バイエルンは4-4-2ブロックを形成するパリに対して5レーンアタックを仕掛けて、フリーになりやすい大外からどんどん攻撃を仕掛けていった。

しかしパリが形成するコンパクトな[4-4]ブロックに、フィニッシュ局面のスペースと時間を消されて決定打を打つまではいかなかった。

パリの思惑通り静かに時計の入りを進めネイマールやメッシで一つのチャンスを仕留める。そしてエムバペの投入で更に攻撃を加速させるそんな青写真が段々と浮き彫りになっていく中、ナーゲルスマンが後半早々に動いた。この膠着状態を一掃させた。

▪️同足サイドアタック

後半に入るとバイエルンはカンセロに代えてデイビスを投入。左WBに左利きのデイビスを。右WBに右利きのコマンを配置し同足のサイドアタッカーを配置したバイエルン。同足(右サイドに右利き、左サイドに左利き)になったことでよりスピーディーな攻撃が可能に。

前半左サイドに配置されていたコマンはボールを受けると、左足から右足に一度ボールを持ち替えてから仕掛けの体勢に入るので少しの時間が生まれる。その時間は相手にとっては守備をする準備を整えることにも。

サイドに同足の選手が入ることでボールを受けた際に切り返したり、ボールを持ち替える時間がなくなりより早い段階でクロスやスルーパスが出せるように。相手の守備陣形がより整わない状況で攻撃が可能に。

そんな思惑通りバイエルンが53分左WBデイビスのクロスに、逆サイドの右WBコマンが落ちつてゴールへ流し込み先制に成功した。

▪️このカオスこそPSGの強み

先制点を奪われたパリ。しかもホームで。そうなればいよいよあの男の登場。怪我明けでベンチスタートとなったエムバペがピッチに送り込まれた。

これに対してバイエルンもすぐさま対応。後方3バックの並びと役割チェンジ。3バックのど真ん中にいたウパメカを右に配置して、左ワイドに立つエムバペをマンマーク気味に監視。しかしそう簡単に止められないのが今のエムバペ。

エムバペ投入によりパリの攻撃は明確にギアアップ。左SBのメンデスもより高い位置に上がり、バイエルンの右サイドを何度もぶち抜きチャンスを作り出した。

そして82分メッシ→ネイマール→メンデスとバイエルンの右サイドを完全にブレイクし、最後はクロスにエムバペが合わせて電光石火の攻撃完結!と思われたがこれはVARでオフサイドで取り消しに。惜しくも同点とはならなかった。

試合はよりスクランブルに、よりカオスに。こういった状況を作り出して一気に相手を殴りかかるのがパリの最大の強み。ドイツ王者も試合終盤は収集がつかずにただただ耐え忍ぶ状況に。スイッチの入ったパリの破壊力はやはり世界一レベル。

しかし最後はバイエルンのGKゾマーが立ちはだかり、バイエルンがフランスから貴重な勝星をドイツへ持ち帰った。

▪️おわり

確かアウェイゴール制度は昨季から無くなった記憶。また点差も最小差なので敗戦したパリにもセカンドレグでの逆転の可能性はまだまだあるはずだ。次節はバイエルンホームではあるが、この試合の終盤に見せた、アクセル全開のパリの攻撃力をみられることを楽しみにしたいと思う。

バイエルンは試合終盤にパヴァールが退場処分に。当然次節は累積で出場不可。DFラインに怪我人が多いみたいでそれがどう影響するのか。そしてナーゲルスマン監督がどんな采配をするかも一つの楽しみなりそうだ。

ラウンド16で当たるのは少し勿体無い気もするこのカード。もう1試合見れる喜びを噛み締めて次節も早起きを頑張りたいと思います!


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