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【5バックに6人をぶつけたシティ】マンチェスター・シティ×レスター・シティ|22/23プレミアリーグ第31節|マッチレビュー

CL準々決勝バイエルン戦から中3日。マンチェスター・シティはプレミアリーグ第31節レスター戦を迎えた。マンチェスター・シティは只今リーグ戦と合わせて3つの大会を勝ち上がり戦っている影響で日程が超過密日程。

プレミアリーグでは首位のアーセナルを追走中のシティ。当然この試合も勝ち点を落とすわけにはいかない。この試合が終わればバイエルンとの2nd legがすぐさまやってくる。こちらも落し方によってはチャンピオンズリーグの敗退が決まってしまう重要な試合だ。

この試合も次も。そしてその次も次も重要…シティにとってここからシーズン終わりまでタイトルを取るためには落とせる試合は1試合もないような状況なのだ。

さぁヒリヒリするような緊張感溢れるゲームが続いているペップシティ。シーズンクライマックスに向かって着実にチームの状況は上向き、調子を上げている。連勝を9に伸ばすべく、ペップシティは試合開始からエンジン全開で難敵レスターへ向かっていった。

▪️早々に5バックで引き下がったレスター

長らくチームを牽引してきたロジャース監督が退き、新監督ディーン・スミスを招聘して最初のゲームとなったレスター・シティ。

ペップも試合前に新監督を迎え入れたレスターがどんなフットボールをするか、試合開始15分ほど観察しなければいけないかもしれないという趣旨の話をしていた。

しかし15分も観察する必要もなかった。試合開始早々からレスターのゲームプランは明確に表れた。試合開始のホイッスルと同時に、レスターはシティのキックオフボールへ前からアプローチに行くことはせずに、自陣に下がって5バックを形成した。

5バックの大きなお皿の上に2-3の五角形を中央に作ってシティのボールを外へ外へ誘導する狙いが伺えた。時には[5-4-1]の陣形になりべったりとゴール前に張り付くことも。そしてボールを奪ったらトップのヴァーディの快速を起点にロングカウンターからのゴールを伺っていたであろうレスター。

しかし、このレスターのプランニングをあっという間に破壊してしまったシティ。最終ラインに並んだ5人のDFをバラバラにしていった。

▪️5バックなら6人で攻めるよ?

シティはボールを保持するとこの日右SBに入ったカイル・ウォーカーが高い位置に上がることで、前線に6人の選手を配置した。

この時後方は左SBラポルトを加えて3バックになり、アンカーロドリと共に菱形を形成。この4人が主に後方の配給役となり、相手を押し込んだ際にはカウンター対応に備える役回りとなった。

右SBウォーカーが高い位置をとることで右WGマフレズはインサイドへ。5バックで最終ラインを守るレスターに対して前線6人を配置して数的優位の状況を作り出したシティ。

あらゆる局面でレスターの5バックは常に数滴振りの状況を強いられ、ボールへのプレスも定まらずにずるずるとラインを下げてゴール前に張り付くことしか出来ない状態になっていった。

相手を押し込み切ると動き出したのがデ・ブライネ。彼は自由にボールサイドにどんどん絡んでいき、局面でどんどん数的優位を作り出し攻撃を活性化させていった。

そして開始5分レスターを押し込み切って奪ったCKからシティが先制ゴールを悠々と奪ってみせた。

ここ最近のシティはセットプレーから多くのゴールを奪えているのもチームの得点力を爆発さえている要因の一つになっている。

ロドリを含めて最終ラインには長身の選手が並び、ハーランドもいる。それにキッカーも天下一品のキッカーの持ち主たち。必然的にセットプレーからのゴールは増えていくよね。

↓(これもシティのセットプレーが強くなっている要因のひとつ)↓

▪️再現性が薄かったレスター

先制点を奪ったシティはその勢いそのままに追加点を奪っていった。前半12分左サイドに人をかけて、レスターの5バックの外から崩しにかかったシティ。

最後は左WGグリーリッシュがドリブルで左サイド深くを抉る。そしてクロス。これをレスターがハンドでシティにPKが言い渡された。このPKをハーランドがきっちり決めて点差を2に広げた。

まだまだシティの攻撃は止まらない。前半25分レスターの横パスを中盤で引っ掛けたシティがショートカウンターを発動。デ・ブライネがドリブルで持ち上がるとハーランドへ絶妙スルーパス。これをハーランドが相手GKの飛び出しをしっかり把握。ちょんと浮かしてゴールへ流し込んで3点目をゲット。

やられっぱなしのレスターだったが、後方からしっかりボールを前進させてシティのゴールへ迫るシーンを作っていた。

シティはボール非保持の陣形は4-4-2。レスターはボールを保持すると最終ラインの5バックが3バックに。そうなるとシティのファーストプレスの2枚に対して数的優位ができる。

その優位性を作って3バックのサイドの選手がボールを持ち運び前進するシーンも。左CBのソユンクは前半後半それぞれ一回ずつくらい最終ラインからボールを持ち運びシティ陣内へ侵入していった。

そしてWBが高い位置に上がると、シティの4バックの大外サイドから攻め込めるシーンも。しかしWBが上がれる時間も作れずにそんなシーンを何度も作り出すことはできなかったレスター。

こんなシティの守備陣系の穴を突いた攻撃を、再現性高く実行することはできなかったレスター。

▪️おわり

レスターは後半スローダウンしたシティから1点を返すも試合は前半3点のリードを奪ったシティが勝点3を持ち帰った。

シティは交代枠5枚を全て使い、しっかりバイエルンとの2nd legを見据えたターンオーバーもできた危なげないゲーム運びを見せた。

これで公式戦9連勝。シーズンもクライマックス。そんな中この連勝と勢いはどこまで続くのか。残る3つのタイトル全てを手に入れるにはもう1試合も落とせない。

このまま連勝街道から逸れることなく突き進んでほしいね。

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