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【18歳が試合を制圧】|ライプツィヒ×マンチェスター・シティ|23/24 CLグループリーグ第2節|マッチレビュー

公式戦2連敗で迎えたチャンピオンズリーグ、グループリーグ第二戦。相手は今季加入したグヴァルディオルの古巣ライプツィヒ。移籍してすぐにお世話になったクラブに凱旋となったグヴァルディオルはいつも以上に気合いも入っていたのでしょうか?いつもよりも積極的に攻撃に出るシーンも目立った印象でした。

それでは簡単ではありますが試合を振り返っていきたいと思います!


▪️プレスをずらす偽CB

試合開始からアウェイの地に乗り込んだペップ・シティが圧倒的のボールを保持していった。

シティのこの日のベース配置は[4-3-3]。ボールを保持すると右CBアカンジが中盤に上がってアンカーのロドリと2CHは形成。今季から見られるようになったいるアカンジの偽CB戦術をこの日に披露。それに伴い後方を[3-2]の陣形になり攻撃の屋台骨を形成していった。

そしてこのアカンジの偽CB戦術はライプツィヒにとっては非常に邪魔な素材となり、プレスの基準をズラされる要因となった。

ライプツィヒのこの日の非保持の陣形は[4-4-2]もしくはトップのポウルセンが一列下がった[4-2-3-1]となった。

ライプツィヒの2CHを組んだサイヴァルトとシュライガー。右CHのサイヴァルトはフォーデンにマンマーク気味。ここは明確なマークが決まっていたが問題は相方のシュライガー側だった。ここの右CBアカンジが中盤に上がってくることでシュライガーはリコ・ルイスを見るのか?そんなアカンジを守るのか迷いが生じることに。

その迷いを完全に把握していたこの日IHに抜擢された18歳のリコ・ルイスがシティのビルドアップの出口に何度もなって見せた。

リコ・ルイスは常にシュライガーの背中に立ち続けてパスを要求。後方から縦パスを受けてターンで前進。

また後方がオープンな状況でヘッドアップして長いボールが蹴れる状況になると斜めへ長いランニング。それにより右大外に立つベルナルドをフリーにさせるアクションもどんどん見せていった。

大外のベルナルドがボールを受けると迷うことなくチャンネルへ走り続けて、ライプツィヒの4バックに亀裂を入れ続けた。シティの先制ゴールはまさにこの形から生まれたホールだった。

後半に入ると存在感を増していった18歳のリコ・ルイス。ヌネスもコヴァチッチもベンチにいる中で起用されたリコ・ルイス。そんな中でも堂々とプレーしペップの起用に大いに応えるプレーを存分に見せてくれた。

▪️ベルナルドの右サイド起用の意図

シティは前半ボール非保持での局面でもライプツィヒのお株を奪っていった。ライプツィヒが後方でボールを持つとシティはハイプレスを仕掛けた。

フォーデンとベルナルドが1人で2役やることで分厚いハイプレスを可能にした。特に右WGに入ったベルナルドは正にベルナルドにしかできない守備タスクを任された。

背中で左SBラウムのスペースを消しながら積極的にCBへプレス。WGの外切りプレスで圧力をかける。それでもベルナルドの頭を超えるボールで左SBラウムにボールが入ってしまうシーンも。しかしベルナルドは走ることをやめずにすぐさまラウムへプレスバックをし前進許さなかった。

もちろん左SBラウムにボールが入った瞬間に右サイドの縦スライドで圧力をかける戦術も備え付け。

シティは前半ライプツィヒに撃たせたシュートは僅かに1つに抑えてみせた。

先制点も奪い攻守でもプラン通りにゲームを運んで行った前半のシティ。しかし後半開始早々ライプツィヒの鋭いカウンターが襲いかかった。

▪️切れ味抜群のカウンター

試合開始直後にライプツィヒが試合を振り出しに戻すカウンターを炸裂させた。

ボールを奪うとポストプレーがお得意のポウルセンと、裏抜けの速さ抜群のオペンダのカウンターを炸裂させるには最適なコンビがお見事なカウンターアタックからシティのゴールをこじ開けた。この日ライプツィヒが放ったシュート数は3つ。本当に少ないチャンスの中で奪い切った決定力。オペンダの質はお見事だった。

▪️シティの次なる一手

ゴールを奪ったライプツィヒはホームの後押しも背に勢い付いていった。その圧力にこの時間帯シティはやや押され気味になったが、試合の主導権をしっかり取り戻していった。

まずは右サイドの攻撃の修正。
先ほども少し触れたが左IHのフォーデンはサイヴァルトにマンマーク気味で監視されていた。そこを逆手にフォーデンが揺さぶりをかけていく。

フォーデンはサイドに流れてサイヴォルトを外へ誘導。そうなると空いてくるのが右ハーフスペース。そこへグリーリッシュが入ってパスを受けるシーンも。

そんな揺さぶりをかけられたサイヴァルトはサイドに流れるフォーデン捨てて、中央のスペースを消すような振る舞いも多くなっていった。

するとサイドに流れたフォーデンが大外で前向きでボールを受けるシーンが増えていった。当然フォーデンは左ワイドでも決定的な仕事が出来る選手。マッチアップの変わった右SBシマカンを抜き切らずにクロスからハーランドの決定機を演出するシーンも見られ、右サイドからの攻撃も増やしていった。

それでも点数の奪えないシティは選手交代を重ねてさらに攻撃の厚みを増やしていった。

アカンジ→アケ
グリーリッシュ→ドク
フォーデン→アルバレス

立て続けに3人の選手を交代。
これによりウォーカーが右サイドのより高い位置へ。IHからCHに落ちたリコ・ルイスは3列目から、IHの時のように変わらずにライプツィヒのライン間で狭い局面でパスを受け続ける。

攻撃の枚数をさらに増やしたシティが84分待望の追加点を奪った。途中交代の2人が正にペップの起用に応える活躍を見せる。右サイド深くでボールを受けたドクはライプツィヒの選手を3人集める。その瞬間抜きに行くのではなく、中で待つアルバレスへ横パス。

パスを受けたアルバレスはややトラップが深く入ったようにも思えたが、軸足をトントンと変えながらシュートモーションを作りシュート。ボールは相手に少し当たりゴール右上の隅に吸い込まれていった。

▪️おわり

アルバレスのゴールでリードを奪うと少ない残り時間をガッチリ守備に重きを置いてプレーをしてゲームを終わらせにいったシティ。そんな中でもトドメの3点目を見事なカウンターからゲット。クリアボールをハーランドが納めてアルバレスが前向きに。ドリブルで突き進んだアルバレスは最後はドキへスルーパス。これをきっちり決め切って勝負アリに3点目を奪った。

「あぁペップ・シティはカウンターチームだったね」と思わず呟いてしまうほど久しぶりのカウンターアタックからのゴール。昨季ペップシティの新たな強みとなったカウンターアタックを呼び戻すような3点目でした。

公式戦2連敗を払拭したペップ・シティ。CLはこれでグループリーグ2連勝。そして次なる試合はプレミアリーグのアーセナル戦。舞台はアウェイ。昨季プレミアリーグの覇権を争った両チームが早速ぶつかり合う。今回は両チームに怪我人やコンディション不良が多いようでそこはやや残念だが、だからこそ監督の采配や、抜擢された選手の活躍を大いに期待したいと思う。

この試合に出場できたロドリだが、そんな次節の頂上決戦にはあのレッドカードの影響で出場不可。3試合の出場停止勝負の最後の試合がアーセナル。シティにとっては大いに痛い。案の定彼が居なかった2試合は2連敗と結果でも影響が証明される結果に。

ロドリのポジションに誰が入るのか?それともシステムを一新するような戦術をペップが見せてくれるのかもしれない。その辺も本当に楽しみだ。

それではまた会いましょう!


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