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【ベルナルド・シウバの巧妙】プレミアリーグ第10節 マンチェスター・シティ×サウサンプトン|試合分析

止まらない止まらないシティの攻撃力。
果たしてこの破壊的な攻撃力を止めるチームは現れるのだろうか?

そんなチャレンジに今節挑んだのが、ハーゼンヒュットル監督率いるサウサンプトン。実に彼ららしくアウェイの地に乗り込んできた。

セインツのプレスを空転させた巧妙

アウェイのセインツ(サウサンプトンの愛称)は勇敢に前からプレッシングに出た。

いや、セインツにとっては前からのプレスは決して“勇敢”ではなく、いつも通りの振る舞いに過ぎなかったと表現した方が良さそうだ。それがセインツのスタイルであり、強みだからだ。

プレミア王者に対して“いつも通り”のスタイルを貫いたセインツではあったが、シティの1人の男によって彼らのゲームプランは壊されていった。

いったその男とは誰なのか?
ハーランド?デ・ブライネ?フォーデン?
いや、違う。


一体誰なんだ?



その男の名は、




ベルナルド・シウバだ。

この男の立ち位置一つで、セインツの分厚いプレッシングは無効化されてしまった。ソコに立つだけで相手の脅威となったベルナルドの巧妙。それでは彼がドコに立ち位置をとったのか見ていこう。

シティがボールを保持すると、セインツは最終ラインを高く設定し4-2-4の陣形でボールに出ていった。

セインツの前線4枚は背中で中盤のパスコースを消しながら、シティのDFラインへプレスに出た。後方からショートパスを繋ぐシティのボールを、高い位置で引っ掛けてシュートカウンターを仕掛ける狙いだ。

しかしあの男の立ち位置によって、セインツのプレスは空転していった。

窮屈さを感じていたいシティDFラインに、IHのベルナルド・シウバが斜めに左サイドへ下がって落ちる。この動き一つでセインツのプレスは空転し、一気にシティの攻撃の歯車がハマり出す。

高い位置へ上がった左SBのカンセロが開けたエリアに、中盤のベルナルドが斜めに落ちて行く。セインツはこのベルナルドの立ち位置にプレスが届かない。

誰が行くのか?プレスに出たらこっち開いちゃうよ?中盤の選手がついて行ったら、中盤開いちゃうからついていけない!という具合にベルナルドはフリーでボールを引き受ける。

そして彼がこのエリアでボールを受けることで、シティの左サイドが数的優位に。数的優位になったことで、一つずつセインツのプレスがズレていく。

落ちたベルナルドにはセインツの右SHが。左SBのカンセロにはセインツの右SBが。相手SBが前に出れば背後には広大なスペースが開くのは簡単に想像がつくだろう。そこへシティの左WGのフォーデンが、中から外へ抜け出し、一気にスピードアップ!というシーンが特に前半多かった。

これがシティがセインツの4-2-4プレスを空転させた要因だ。

ベルナルドの立ち位置一つで、セインツのプレスがかからなくなっていく様を目の当たりにして、私は彼の戦術眼の高さに本当に脱帽させられた。ボールを触っても、ボールに触らなくても相手の脅威になってしまう選手。本当にいい選手すぎる。

手薄な中盤に入れて.落として

セインツは4-2-4のプレスということで当然中盤が手薄になる。前線4枚が背中で中盤のパスコースを消すように中盤を締めたが、ベルナルドの巧妙によって少しづつ横へ広げられる。

そうなればシティにセインツの手薄の中盤にパスを差し込むスペースが出来上がる。

そこへWGから中へ絞ったフォーデンが縦パスを受けてロドリへ落として前向きにさせるシーンや.ハーランドが中盤で縦パスを受けて前進するシーンも。この日のハーランドは今までよりも多めに、中盤に落ちて縦パスを受けていたが、セインツの中盤が手薄だったことが理由のひとつだろう。

セインツの前線4枚を剥がすと、シティは一気にギアを上げる。セインツの4バックの大外から攻撃を畳み掛け前半、後半それぞれ2点をとり、4-0で難敵セインツを撃破した。

おわり

この勝利で公式戦6連勝となったマンチェスター・シティ。今季開幕から失点が目立っていたが、2試合連続クリーンシートと改善も見られ始めた。

攻撃力は相変わらずの破壊力。直近3試合で奪ったゴール数は15と止まらない。セインツもこの攻撃力を止めることが出来なかった。それではどのチームがシティの攻撃を止められるのか?

その最有力となるであろうチームとの対戦が次節やってくる。

CLを挟んで、リヴァプールとの試合がやってくる。待ちに待ったリヴァプール。毎回最高の試合になるクロップリヴァプール。舞台はアンフィールド。

我々サッカーファンは世界最高の90分を目撃するはずだ。果たしてシティの攻撃を止められてしまうのか?壮絶な殴り合いになりそうだ!!

楽しみで楽しみで楽しみだ!!


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