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【AoE2:DE】がっつりDLCレビュー!

 AOE2DE発売から2年以上が経ち、セール期間には本体が1000円を切る価格で販売されるようになりました。
 セールのタイミングでAOE2DEを購入した人も多いのではないでしょうか。

本体は日本円で700円ほど。

 ゲームを買う時、悩むポイントがDLCをどうするかという問題です。
 私自身は他のゲームを買う時、だいたいDLC含めて買います。なぜなら半分くらいのゲームソフトで、DLCによって解放される機能があるからです。特にシミュレーションゲームの場合、特殊な施設や敵、コマンドが解放されることが多いように思えます。

 しかしAOE2DEはそうではありません。文明とキャンペーンが解放されるだけです。すべてのパッチはDLCの有無にかかわらず適用され、DLCを所有しているかどうかで友達と対戦できなくなるということもありません。

 したがって、私はこれまで「DLCは買う必要がない、まずは本体だけでも十分に遊べる」と書いてきました。

 ただAOE2DE本体が面白かった場合、DLCが気になるはずです。
 ちょっと世界史が好きな人であれば、ジャンヌダルクを遊べばブルゴーニュの存在が気になるでしょうし、中世ヨーロッパの顔といっても良いチュートン騎士団と激闘を繰り広げたポーランドや、中世後期の重要な事件が起こった地であるボヘミアに惹かれないはずがありません。

 そこでストアページに行ってレビューをチェックすると思うのですが、そこにはSteamでよくありがちな現役プレイヤーによる酷評レビューが並んでいて、評価が低いのが目立ち、買うのを躊躇してしまうことでしょう。
 私も良く知らないゲームのDLCを買うか迷う時、当然レビューを確認し、あまりに酷ければ手を出しません。当然のことです。

 ですが私の受けた感想とは離れたものもチラホラありますし、発売後、つまりその酷いレビューを書かれてから何度もアップデートが繰り返された後の追記訂正もありません。恐らく批判ありきで書いているのでしょうし、書いたものに対しての責任感もあまりないのでしょう。
 それでは運営の努力が浮かばれず、あまりに可哀そうです。

 そこで今回は、DLCに絞ってレビューしていきます。
 そんな高くないし全部まとめて買ったけどなんかよくわからないから触っていない、試しに一つ買ってみたいけどどれがいいかわからないという方に向けて、DLCで追加されるオススメ文明やキャンペーンについて書いていきたいと思います。

■DLCの種類

 まずは軽くDLCの紹介をしていきます。

第一弾: Lords of the West (以下LotW)
 西の大公たち
 文明: ブルゴーニュ・シチリア

第二弾: Dawn of the Dukes (以下DotD)
 公爵たちの夜明け
 文明: ボヘミア・ポーランド

第三弾: Dynasties of India (以下DoT)
 インドの王朝
 文明: ベンガル・ドラヴィダ・グルジャラ

 第三弾であるDoIは22年4月末に発売されたので、割引も25%となっています。
 それぞれの詳しい内容や感想は発表発売当初の物ですが記事を書いていますので、次のマガジンから探してみてください。 

■キャンペーンについて

 私がDLCを買う理由の一つとして推したいのは、キャンペーンの出来の良さです。

 キャンペーンはHD版から数えれば全ステージクリアしていますが、遊んで楽しかったキャンペーンを3つ挙げろと言われたら、全部DLC産になるかもしれません。

 AOFE (旧AOE2の2番目のDLCで、HD発売のきっかけになった) の反省を生かしてか、アフリカ、東南アジア、そしてDEの東ヨーロッパと、DLCを追うごとにキャンペーンの質はどんどん上がっているように感じます。

 というわけで、DLCの中から特にオススメのキャンペーンを2つ紹介したいと思います。

・オススメキャンペーン: ブルゴーニュ

 一つはブルゴーニュのキャンペーンです。
 ブルゴーニュ公国は百年戦争の英雄ジャンヌダルクの敵としてのイメージが強くありますが、百年戦争を終結させた勢力でもあります。
 AOE2をプレイしたことのある人ならおそらく誰もがクリアしたであろう、ジャンヌダルクのキャンペーンを裏側から見ることができる、非常に面白い作りとなっています。

 個人的に好きなのはマップの作りで、ややこしいネーデルランドの地形やフランスの都市を上手く表現しながらゲームに落とし込んだマップは、遊んでいてわくわくしました。

 ゲーム的な話をすると、15世紀の国家だけあってほぼ帝王の時代をプレイすることになり、ブルゴーニュを特徴づけるブドウ園や強い火薬を存分に使うことができたのも嬉しいポイントでした。

ネーデルランド支配を巡る戦いでのブルゴーニュの陣地

・オススメキャンペーン: ポーランド

 二つ目はポーランドのキャンペーンです。
 DotDのキャンペーンは、リトアニア、ポーランド、ボヘミアと時代が繋がっているのですが、ポーランドからやってみても問題ないと思います。

 ポーランドのキャンペーンで面白かったのは、特殊ギミックの多さがちょうどよかったところです。
 昼夜のシステムや陣取りゲームを取り入れたマップは、ただ単にAOE2DEの腕前だけではなく、戦略的に考える時間が必要になるものでした。

AoMの頃にはあった夜システムがついに登場。夜の間は敵の侵攻が止まる。

 こういった特殊ギミック系のマップは好みが分かれるところでしょう。
 AOE2でシナリオを作ろうと思った人の多くがやろうとする、例えばRPG要素や迷路になっているようなトリガ(エディタで設定できる特殊効果)マシマシのマップは、それわざわざAOE2でやる意味無くない?と思わされるような代物が多い印象です。
 AOE2の醍醐味を極力削って実現する別ゲー再現系は、個人的にはあまり好きではありません。

 そんな特殊ギミックステージですが、このポーランドキャンペーンはラインぎりぎりをせめていると感じました。
 プレイヤーはそのステージでのルールに従って勝利を目指さなければいけませんが、時間管理や要所の確保、兵の相性、補充速度といった、AOE2DEを特徴づける要素を最優先に考える必要が出てきます。

 もちろんポーランドという文明自体も使っていて楽しく、固有要素を活かして攻略することになります。

 ポーランドのキャンペーンは、エディタ機能を使ったAOE2でしかできないプレイ体験をちゃんとさせてくれます。AOE2に慣れた人にもちゃんとオススメできるキャンペーンなのではないかと思っています。

・ちょっと微妙なキャンペーン

 ここまで良い所しか書いてないのですが、個人的な感想として拡張パック第三弾、DoIのキャンペーンは少し微妙に感じました。

 その理由も書いておきます。
 インド系文明は象かラクダを主体に戦います。これがキャンペーンが持っているゲーム性に合わないのです。

象三種盛り

 象は"生産が難しく移動も遅いが耐久力も突破力もある"というユニットです。通常のゲームであればメリットとデメリットが程よく釣り合っているのですが、キャンペーンでは極端になってしまいます。

 もう少し詳しく書くと、キャンペーンの特徴として、開戦のタイミングが通常のゲームと異なるというものがあります。
 キャンペーンの開戦タイミングは、2つパターンがあります。
 一つは時限式だったり敵が攻めて来たりするプレイヤーがコントロールできないステージで、もう一つはプレイヤーが任意のタイミングで開戦できるステージです。

 前者だった場合、象を主体に扱うのはなかなかストレスが溜まります。
 移動が遅いために多方面から攻められる状況に弱く、また内政が整っていない状況ではあまり威力を発揮できないためです。

 後者だった場合、プレイヤーは内政を育てきって十分に軍隊を揃えた状況で攻撃を開始できます。
 十分にそろった象部隊の破壊力はAOE2の中でトップクラスであり、並みの軍隊では太刀打ちできません。要塞化された陣地も一切無視できます。
 
 つまり、取り回しの悪い軍隊にやきもきしながらクリアするか、圧倒的な軍事力ですべてを押し流すかのどちらかになってしまうのです。

 ラクダにしても同じで、ラクダの性質は騎士よりも生産難度が低いが脆いというところにあって、それは象とは正反対に見えますが、結局内政に頼った物量勝負につながります。

 また先ほど特殊ギミックについて書きましたが、DLC第三弾になって更にギミックが盛り込まれました。
 もうここまでてんこ盛りになると、説明を読んだり条件の達成方法を探すのも億劫になり、しかも結局象部隊が強すぎるので多少のギミックは無視しても構わず、結局大軍を揃えて用意された壁にぶつけるだけのゲームに感じられました。

インドの日常

 もちろん、面白かったか面白くなかったかといわれれば、面白かったです。大軍を揃えるのも、それを強敵にぶつけて破壊力を見るのも、AOE2の醍醐味の一つだからです。
 でもキャンペーンという性質と、文明の性質があまりにもちぐはぐで、キャンペーンをオススメするかと言われた時に、ちょっと微妙だなと感じました。

■文明の性能について

 DLC購入の最大の理由は文明の解放だと思うので、文明についても触れておきます。

 今まで何回もDLCの購入は見送ってもいいとTwitterやnoteに書いてきましたが、その理由は既存文明が十分に強い上、DLC文明はちょっと特殊な経済や戦い方をする必要があるものばかりだからです。

 そして最近の文明では個人的に一番オススメのヒンドゥスタンも、旧インドが置き換え削除になったものなので、DLCを買わなくても遊ぶことができます。

 ですがそれでは文明を理由にDLCを買おうとする人は困ってしまうと思うので、対人戦で面白い性能の文明を使いたい人にオススメのDLCを書いておきます。

・ブルゴーニュについて

 それは第一弾DLC、LotWです。
 LotWではブルゴーニュとシチリアがアンロックされます。

1つ買うならこれ

 ブルゴーニュは登場時にはあまり強くなく、評価されていませんでした。
 経済技術の先取り、畑や箱からエクストラに資源が手に入る、火薬が強い、革命が起こせる、重騎士が城主で使える、ユニークが突撃スキルを持っているなど目新しいボーナス満載の文明でしたが、そのほとんどが冷静に見てみるとそこまで大きな効果ではなかったからです。

 それがどんどん調整が入り、ちゃんと扱いやすい文明となりました。
 世界トッププレイヤーが作成した"1v1アラビアでの文明tier表"では堂々のSランクとなっています。
 理由としてはトップレベルのランク帯での1v1アラビアでは長期戦が多い傾向にあるため、終盤戦に強いブルゴーニュが入ったという形です。

ユニークなボーナスが目白押し

 ブルゴーニュが強い時間帯は城主中盤から帝王序盤です。
 城主重騎士かクースティリエで機先を制し、箱もちゃんと回収しつつ、そのまま強力な騎馬や火薬につなぎましょう。

 手放しでオススメできないのは、特殊な経済と平凡よりやや下の領主戦が理由です。
 ブルゴーニュの強みを生かすには暗黒で斧を研究しなければならず、これが経済を複雑にします。城主に入るまでにボーナスで受け取ることができる資源量が他の文明と比べて非常に薄く、万が一領主戦が長引いた際には血統が無いことも弱点になってきます。
 またある程度はボーナスがあるとは言え、金ユニットをどんどん使ってしまうとやはり経済が苦しくなってきますので、少し劣勢になってきたと感じたのであれば、金を使わないいわゆる安物ユニットを選択する判断が必要になります。

 ブルゴーニュをチーム戦で出すなら、経済をちゃんと練習したうえで、まずは領主戦が積極的に起こらないような、チームが集合して配置されるマップや遊牧マップを選ぶとよいでしょう。

・シチリアについて

 シチリアも出た当初は微妙な文明でしたが、その後の強化によってオススメできる文明になったと思っています。

 ブルゴーニュは陸マップで城主中盤から強いと書きましたが、シチリアは領主戦も海マップもしっかりこなすことができる文明です。

使ってみたくなるようなボーナスが多い

 ボーナスダメージ軽減はすべての時代で生きてきますし、初心者殺しのような威力を持つ塔ラッシュに対抗できるボーナスとドンジョンという固有の建物を持っています。
 さらに海マップでは重要になる輸送船の強化がチーム全体に入るので、上陸作戦もスムーズにこなすことができます。
 上陸を安全に行うための上陸ポイントの偵察は、斥候を先行させるしかありませんが、シチリアは輸送船で視界確保ができるのです。
 さらに城が倍の速度で建つため、橋頭保の確保までを短時間でこなすことができます。
 加えて攻城兵器関係の研究もトップレベルで充実しているため、ちゃんと資源が揃っていれば突破力はかなりのものになります。

 弱点は速度の遅さです。準備、進軍、突破すべてに時間がかかり、瞬発力に見合ったスピード感はありません。
 サージェントはどうしても移動速度が気になりますし、強力な重騎士部隊を編成しようにも経済の遅さが気になります。
 奇襲のようにドンジョンや城を建てても、その後の侵攻はどうしてもゆったりとしたものになるでしょう。

 これを解消するには、思い切って初めから経済に振り切る、ジャブとしてドンジョンや城を建ててから経済に移ってさっさと時代進化を目指す、という方法が考えられます。
 "隠れ家"のような変わったマップでは、軍兵ドンジョンラッシュという攻撃力満載の戦術を使うこともできます。

 第一次十字軍や築城など独特な瞬発力がある文明ですが、その瞬発力を活かすにはゲーム全体を見て計画を立てる必要があるでしょう。

 雑に使ってもそこそこ強い文明ではありますが、雑に使っていたら強みを出し切れない文明でもあります。ゲーム全体の流れが分かってきてそろそろ何か変わった文明を使いたいという人にオススメできる文明です。

■今は見送っても良いDLC

 第二弾で追加されるポーランドボヘミアも、そこまで使いにくい文明ではなく、独特な強みを持った文明なのでオススメできますが、第三弾、DoIは今のところ購入を見送ってもいいかもしれません。

 まず発売されたばかりということで、セールの値引き率が低めですし、若干弱めかつ扱いづらい文明が揃っていて、それでいてバランス調整もされる予定がありません。
 旧インドからの置き換え文明であるヒンドゥスタンはS tierに入るほどの性能を持っていて、DLC無しで扱うことができるのです。

 あと数か月経つと大規模なアップデートがあって、そこで何かしらの変更がされると思うのですが、それを待ってからでも全然ありだと思います。
 キャンペーンのところでも触れましたが、もしキャンペーンに興味があるなら、第一弾、第二弾をやってからでも遅くありません。

 扱いづらいとは言え3つともハマれば強いユニットを持っており、対処方法を知っていないとなぶり殺しに会う危険もあるので、自分で使うことで弱点を知ることができると考えるのであれば、この際買ってみても良いとは思います。

■まとめと注意点

 今回はDLCをがっつりレビューしてみました。
 まとめるとLotWがまずはオススメですよ、ということになりましたが、気になってる文明があるならそれから買っていいと思います。

 ちょっと下げる形になってしまった第三弾DLCにしても、買って損はないでしょう。ベンガルもドラヴィダもグルジャラも遊んでいて楽しい文明ばかりです。

 割高になるしいきなり文明沢山増えても遊びきれないだろうからまずはDLCを買わなくていいよ、と書き続けてきましたが、ボリュームに対して恐ろしく安いので、もし迷ってるなら買っておきましょう。
 一人で遊ぶ予定でも対戦メインの予定でも、どれも楽しいDLCだと言えます。

 また毎度の告知宣伝?となりますが、AOE2DEのローカライズはあまり良いとは言えません。
 キャンペーンの物語部分は非常に良い翻訳をしてくれているように思えるのですが、なぜか肝となる文明ボーナスは表記の揺れがあったり内容が間違っていたりと残念です。
 ほかにもフォントが残念、昔あった日本語音声が削除されてるなどの不満点があって、それぞれに対応するMODを製作しています。導入するときっと色々捗るはずです。

 以下の記事や過去の記事から、色々と探してみてください。

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