30代夫婦が築50年のマンションを購入した理由
まずは家族構成
夫30代、妻30代の共働き夫婦。夫はリモートと通勤が半々くらい、妻(私)は、ほぼ在宅勤務。子どもやペットはいません。犬と共に暮らす生活にずっと憧れています・・・。
物件選びの最優先事項
こちらの記事でマンション探しを始めるまでの経緯を書いていますが、私たち夫婦は、リノベーション(リノベ)をしたいがためにマンション購入を決意したので、最優先事項は、リノベできる物件であること、つまり、新築じゃなくてもOKでした。いたってシンプルです。そのため、内見する際には、どれだけリノベの自由度がありそうか、という観点でチェックしていました。例えば、マンションの構造には主に「柱と梁で支えるラーメン構造」と「壁のみで支える壁式構造」の2つあるのですが、一般的には、ラーメン構造がリノベしやすいので、その構造の物件を優先的にみていました。多くの日本のマンションって、小さい部屋が細切れにあるので、壁を取っ払って広い空間にしたいときには、この視点は必須です。また、お風呂やトイレの位置を変更したいときには、配管などの通り方もチェックしたりしました。このような物件の構造については、不動産屋さんやリノベ業者の方がマンションの管理組合に聞いてくれたりします。
私たち基準でNGだったマンション
ちなみに、中古マンションだと、すでに業者がリノベしてしまった物件がたまにあります。好きでもないデザインで勝手にリノベされて、しかもその分が価格に上乗せされるので、私たちにとってはあり得なかったです。もちろん、綺麗にリノベされている物件を好むお客様も多いと思いますが、私たちなんかはむしろ、コンクリートしか見えないような剥き出しのスケルトンがわくわくしましたね・・・。
住む上で大事な5つのポイント
じゃあ、リノベができればアマゾンの奥地でも良いのか(極端)というと、そうではありません。都内で働き、生活しているので、やはり利便性も大事ですし、購入するにあたっては、自然災害への強さなども重要な点です。リノベができる物件という大前提の上で、次のポイントで物件を見ていました。
①立地
最寄駅から徒歩10分以内、地盤が強く高台にある、家同時が隣接しすぎていない(実は地震の被害で多いのは火災のようなので、家が密接している地域は消防車が入れなかったり、燃え広がりやすい)
②環境
ある程度緑が見える、近くにスーパーがある
③広さ
最低65平米から。夫婦でリモートワークしても互いの会議が聞こえない広さ
④建物
耐震基準適合証明がある、管理体制がしっかりしている、修繕積立金に余裕がある
⑤価格
共働きだけれど、一人分の収入でローンが組める範囲
購入した物件は条件に当てはまったのか?
さて、私たちが購入した物件は、上の条件をどのくらい満たしていたのか。まず、リノベができる構造でした。最寄駅から6分、緑が見えて、地盤も強い。高台にあって、家も密接していないから見晴らし抜群。部屋の広さは90平米あまり。管理体制もしっかりしていて、修繕積立金も十分、そして価格も相場より安い。しかも、角部屋で日当たりもばっちり。申し分ないです。幸運にも、ほぼパーフェクトな物件が見つかったのです。
最大の悩みポイント
ただ、ひとつだけ、条件を満たしていなかったのです。それは、耐震基準適合証明。これが、購入した物件にはありませんでした。しかも築50年。地震が多い国なので、この点は最大の悩みポイントでした。悩みに悩んだのですが、最後は、以下の理由で購入に踏み切りました。
築50年でも買った理由
築50年でも購入に踏み切った理由。まずは、自然災害に強い地域であったこと。もちろん絶対安全とは言い切れないですが、地盤が固く高台にあるマンションだったことが安心材料でした。実は、同じ地域で2011年の東日本大震災を経験したのですが、その時住んでいたマンションは、ひとつも物が倒れなかったので、地震に強い地域だと実感しました(地震の種類や規模によりますが)。
次は、大規模修繕を定期的に行い、建物のメンテナンスがしっかり行き届いていたからです。どんなに新しいマンションであっても、10年以上経てば等しく老朽化します。人間も建物も同じで、いかにメンテナンスをするかで、その後の状態が大きく変わります。色々と物件を見学してきた中で、築年数が浅いのに壁などが老朽化しているところもありました。鉄筋コンクリートは本来、ちゃんとメンテナンスすれば100年程度は持つとされているので、新しさにこだわらずに、メンテナンス度合いに注目することが大事かと思います。まさに、マンションは管理を買え、という言葉通りです。
その証拠に、都内や全国の至るところで、大正時代や昭和初期に建てられたビルが現役だったりします。ちなみに、現存する日本最古の鉄筋コンクリートのビルは、KN日本大通ビルで、なんと1911年(明治44年)だそうです。御年111歳!!
最後は、上記ともつながりますが、どんな会社がどんな時代にどんな人をターゲットにして造ったマンションなのか?という点も注目しています。購入した物件は大手の商社と建築会社による施工。そして造られた時代は高度経済成長の好景気のとき。また、住人も経営者など、割と生活に余裕のある人が多かったようです。しかも、私が購入した物件の元オーナーは、マンション建設に関わった関係者でした。現代のような目を引くかっこいいエントランス空間などはありませんが、このような背景により、豊富な材料で、しっかりと建てられたマンションだということを推察しました。むしろ、バブル後の不景気に建てられたマンションは材料をケチっているケースが多いとか多くないとか・・・(業界関係者ではないので真偽不明)。
大きな決断をする方法
このような理由で購入に踏み切ったわけですが、やはり、日本基準では古い物件であることは変わりないので、将来のリセールバリューは心配です。ただし、そのために購入価格も抑えたので、そこは適切なリスクを取る、という決断をしました。何事もパーフェクトに条件が揃うことってないと思うんです。そんな時には、自分が叶えたかったことが何なのかを思い出す、そして、それを達成するためには、自分が納得できるリスクレベルはどのあたりなのかを考える、これが大切ではないでしょうか。
色々長たらしく書いてしまいましたが、最も重要なのは直感かもしれません。「あ、この家に住みたい!」、「なんかわからないけど居心地が良い」と感じる物件。何よりも私は、この直感が一番にきました。
あなたが気に入った物件が旧耐震だったら・・・、そんな時に、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
★今日の記事トップ画像は、リノベ完成直後のがらーんとした部屋。ついに完成したんだという感動と安堵でいっぱいだった瞬間。
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