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月の本と眠る

March 12, 2019

友達に、ビオディナミについて教えてもらったのは、いつのことだっただろう。満月の日に収穫するブドウでつくられたワインなど、月の満ち欠けに深く関わる農法のこと。

そんな、月とひととの不思議な関係性についてさまざまな角度から説いている本を読んでいる。その中にはこんなフィクションも紹介されている。362年も前に書かれた本だ。

老いた人々が若者に従う、鳥は歌うというよりしゃべっている、樹木が哲学者ぶる、支払いが通貨でなく手書きの詩で行われる。月人貴族は、火を通した食べ物そのものでなく、その湯気を食べて生きていて、単純なメロディーで会話をし、それが合わさってハーモニーをつくる。(シラノ・ド・ベルジュラック『月と太陽諸国の滑稽譚〈月の巻〉1657』)

クラフト・エヴィング商會の吉田篤弘さんが好きそうなお話だ。この挿絵もいいよね。そんなことを思いながら眠りに落ちていく。

この本はしばらく枕元に常駐させておく本だ。


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