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月が綺麗ですね

I LOVE YOUを貴方はどう訳しますか?
夏目漱石はタイトルの通り「月が綺麗ですね」と訳したそうだ。

片想いの彼とつい最近呑む機会があった。そういつもnoteに出てくる彼だ。
映画を観た日から彼多忙にて会う機会がなく(職場では毎日顔を合わせているが)
やっと漕ぎ着けた約束であった。

友達が来るまでの間2人でいろんな話をする。
動画の話や音楽の話、引っ越しの話を聞くと急に現実味が湧く。
今までの恋愛で積極性の「せ」の字も無かった私が、今回の恋は後悔したくない、そして正面からぶつかろうと勇気を振り絞って言葉を絞り出す。
彼に「ちょっと夕ご飯食べるだけでも、少し一緒に過ごすだけでもいいから誘ってください。」と。
今考えるとなんと他力本願•利己的な誘い文句なんだろうかと呆れるがあの時の私はこの言葉が精一杯だった。

そんな御願いが通じたのか機会はすぐに訪れた。
「晩飯食った?」

のLINE

生憎先約があり、すぐには行けなかったがその後無事合流。

隣に並びビールを飲む。
多幸。ユーフォリア。
まさにこのことだ。

食事も終わり帰路に着く。
今日は家まで送ってくれるらしい。
いつもはただの日常情景にすぎない通勤路も今日は特別色付いている。

橋の上で月を眺める。今日の月はまた一段と綺麗だ。
「月が綺麗ですね。夏目漱石だよ。」と一言。
いつもは文学の話になるとすぐに返しがくるがこの度はどうやら知らなかったみたい。

「今度までに調べておいてね。」とぽつり。

そう言って2人で手を繋ぎ自転車を轢きながら歩く帰り道。
「時が止まればいいのに。」
これが今日の私なりのI LOVE YOUの訳し方。

3月10日また思い出がひとつ増えた。

サヨナラまであと15日

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