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海外のスタートアップを肌で感じ、大手総合商社を飛び出してAIスタートアップのFastLabelへ。【入社エントリ】

はじめまして。FastLabel株式会社の小林と申します。

2023年6月に入社し、現在はパートナーアライアンス担当として主に自動車関連のお客様向けの営業を担当しています。

前職は三井物産で、今年の4月までエジプトのカイロに駐在していました。

ここでは、総合商社である三井物産でキャリアを歩んでいた私が、スタートアップであるFastLabelに入社することになった経緯をご説明させてもらえたらと思います。

この記事が少しでも誰かの背中を押すことができたら嬉しいです。


これまでのキャリア

三井物産での12年間はざっくり以下の通りです。

経理から営業、海外駐在まで、本当に様々な業務に携わらせて頂きました。周りの人にも恵まれ、感謝しかありません。

  • 2011-2014年 経理部門の子会社に出向し、経理・内部統制・プロセス管理業務を担当

  • 2014-2016年 ヨルダンにてアラビア語の語学研修1年・アンマン事務所でOJT1年

  • 2016-2018年 鉄鋼製品部門で海外営業

  • 2019-2020年 戦略企画・事業投資の稟議審査担当

  • 2020-2023年 エジプト駐在(新規物流商売開拓・新規事業投資検討)

総合商社に入社した経緯

大学1年の夏休みにヨーロッパ7カ国を一人旅したことがきっかけとなり、大学4年時には1年休学して世界放浪の旅に出ました。

未知の場所で誰かと出会い、文化を超えて心を通わせる喜びを得たり、ものの見方や考え方、価値観が揺さぶられるような経験をした結果、就活では海外で働きたいと商社を志望し、運良く三井物産に入社することができました。

エジプトからヨルダン、イスラエル、シリア、トルコといった中東地域を南から北へ縦断し、アラブ人の温かさ、懐の深さに感動した旅の経験は、入社後にアラビア語研修員に応募する動機となりました。


エジプトでの挑戦と挫折

2020年末、コロナ禍の重苦しい空気が世界を覆っていた頃、会社から打診を受けエジプトのカイロに赴任することになりました。
(余談ですが、エジプトには「ナイルの水を飲んだ者は再びナイルに還る」という古い諺があり、バックパッカー時代に訪れたエジプトに駐在員として戻った私は、図らずもその言葉の通りになりました)

当初はまだワクチン接種も始まっておらず、現地到着後の最初の3ヶ月間は完全在宅で、お客さんはもちろん、カイロ事務所の同僚にさえ直接対面することができませんでした。

在宅制限が緩和されると、新規で潜在顧客となりそうな会社を調べては、片っ端から訪問営業を繰り返す日々が始まりました。たくさん失敗もしましたが、結果的には信頼のおけるいくつかの企業に巡り合うことができました。

エジプト駐在時、カイロ事務所のスタッフと


こうして、これから新しいビジネスのスタートを切ろうと準備を進めていた矢先の2022年2月、ロシアのウクライナ侵攻が始まりました。ロシアとウクライナから主食の小麦を大量に輸入していたエジプトは、その侵攻を受けて経済的な影響を受けました。

財務状況は急速に悪化し、外貨準備も減少、政府は国内の輸入業者のドル決済が制限する状況に追い込まれました。

ここまで1年以上かけてお客さんと信頼関係を築き、ようやく契約に至った案件は、相次いで外貨制限を理由にキャンセルになり、私のエジプト駐在中のミッションであった「新規物流商売開拓」は、当面の間ほぼ絶望的な状況に陥りました。

厳しい現実に大きな無力感を抱きつつも、残りの駐在期間で「自分が今できることをしよう」と取り組んだのが、エジプトのスタートアップ企業への投資検討でした。

物流以外の新規案件発掘のために国内の有望なスタートアップ数十社と面談を重ねたのですが、今振り返ると、これが私の人生にとって大きな転機になりました。

ロジスティクス、フィンテック、ヘルスケア、農業と、幅広い分野のスタートアップ創業者から話を聞く中で、彼らが共通して持っていたのは、「エジプト(或いはアフリカ全体)の社会課題を自分たちのプロダクトで解決する」という強い信念でした。

エジプトのスタートアップ経営者と

各社のサービスの内容や方向性は異なるものの、全ての創業者に通底していたのがこのビジョンでした。そして何より、皆一様に楽しそうで、オフィスは活気に満ちていました。

エジプト人のおしゃべりな国民性と相俟って、自分たちのプロダクトの魅力については、何時間でも情熱的に話し続けられるような人たちです。足元で悪化する国内の経済状況に反して、彼らの目には希望に溢れたエジプトの将来像が映っているように感じました。

ワクワクしながら自社の説明をする彼らの姿が、どこかで私の琴線に触れたのだと思います。

・・・気がつくと、私は日本のスタートアップ事情について調査を始めていました。


FastLabelとの出会い

「スタートアップという未知の環境で、ワクワクする挑戦をしてみたい」

エジプトで仕事に取り組みながらも、この気持ちは日々高まっていき、ついに私はエジプトにいながら日本のスタートアップ企業への転職サイトに登録し、リモートで数十社のスタートアップと面談を実施、そのうち数社は内定を頂く一歩手前まで進んでしまいました。

当然、葛藤もありました。

12年にわたる安定したキャリアを歩んだ総合商社を飛び出して、全く未経験の分野で自分はやっていけるのか。

商社の環境や待遇には非常に満足していましたし、努力次第で自己成長できる経験を積むことは、商社というフィールドでも十分可能でした。果たしてスタートアップへの転職は正しい選択なのか・・・悶々としながら2023年を迎えました。


ちょうどこの時期に、自分の人生観を見つめ直すきっかけになる二つの出来事が起こりました。詳細は割愛しますが、一つは、お世話になっていた方が急逝したこと。そして、もう一つは私自身にある疾患が発覚し、2度の入院と手術を経験したことです(現在は完治)。

それまでスタートアップへの転職に最後の一歩が踏み出せない状態でしたが、病室のベッドで天井を眺めながら、「人生一度きり。悔いのないように生きよう」と心に誓い、転職活動を再開する決心をしました。

そのタイミングで声をかけてくれた会社が、FastLabelでした。最初は軽い気持ちで面談したのですが、①社員が数十人規模(当時)であること②AI分野の事業を展開していること、という私の希望にピタリと合致しました。

この2点は、変化の激しい環境で経験を積みたい、産業的に大きなインパクトを残せる仕事がしたい、という思いから私が重視していた条件でした。

また、AI開発の中でも「アノテーション」という、まさに業界のペインポイントに着目した事業を展開している点にも大きな可能性を感じました。

さらに、会社のパーパスとして『AIインフラを創造し、日本を再び「世界レベル」へ』と掲げており、将来的には海外進出を見据えている点も、商社で働く人間としては他のAI系スタートアップにはない魅力を感じました。

この出会いに何か運命的なご縁を感じた私は、すぐにFastLabelへ入社する決意を固めました。

駐在期間はあと半年ほど残っていましたが、人間は決意のタイミングを遅らせるとやらない理由を探してしまうものだと思い、会社には申し訳なかったのですが途中で帰国することを選びました。

階段ピラミッド前で娘と


現在の仕事と、入社後の所感

上記の経緯でFastLabelに入社して2ヶ月が経過しました。

現在はパートナーアライアンス担当として、主に自動車関連企業向けの営業活動に取り組んでいます。

新規顧客獲得から、提案、受注、契約、納品のフォローまで、業務プロセス自体は商社の鉄鋼製品物流業務と類似する要素もあります。

但し、現在の営業活動は物理的な商品を取り扱うのではなく、顧客のニーズに適したソリューションを提供することであり、その点では大きく異なります。

従い、商社時代に培ったスキルがそのまま活かせるわけではありませんが、営業における調整力の必要性は共通していると感じます。

お客様(エンドクライアント)、パートナー企業、社内のエンジニア、プロジェクトマネージャーなど多岐にわたるステークホルダーの関係構築を効果的に進めながら、案件を円滑に進行していくことが求められるので、この点については商社時代の経験を活かしていきたいと思っています。

ここからは入社後の個人的な所感として、特に以下2点に触れてみたいと思います。


スピード感

入社前から想定していたことですが、やはり仕事のスピード感は大企業よりも速いと感じます。

日々のコミュニケーションや業務スピード、プロダクト開発から意思決定まで、まさにスタートアップという速さで物事が進んでいきます。

逆に言うと、そのくらいの速さで進まないとこの業界では生き残れないというシビアさも感じています。

「自分に求められるパフォーマンスを最速で最大限発揮し、成果を出すことにコミットする」、文章として書くと当たり前なのですが、周囲の仲間の仕事ぶりを目の当たりにしながら、その「当たり前」を一つ一つの業務に落とし込んで積み重ねることの重要性を切実に感じています。

入社翌月の展示会にてプレゼンテーションを担当


人財

現時点で正社員はまだ30数名の組織ですが、意欲的で優秀な仲間が多いです。リモートワークがメインなので直接対面する機会は限られていますが、非常に前向きで親しみやすく、仕事に真摯に取り組む方ばかりだと感じます。

入社前まで、FastLabelの強みは「自社でAIのアノテーションプラットフォームを持っていること」だと思っていましたが、2ヶ月この会社で働いてみて気づいたのは、その強みの本質は、そのプラットフォームやサービスを支える優秀な社員・チームの存在にあるということです。

手前味噌ですが、例えばアノテーション代行業務一つを取っても、当社以上にお客様の要望に柔軟に寄り添ったデリバリーができる会社は他に無いと自信を持って言えるほど、非常に丁寧で迅速、効率的な作業が行われています。

このような仲間と一緒に切磋琢磨できる環境で仕事に取り組んだ経験は、自分のキャリアにとっても、そしてこれからこの会社にジョインする方にとっても、間違いなくプラスになると確信しています。


今後取り組みたいこと

当面は、自分の担当商売で確りと成果を出すことが最優先ですが、今後取り組みたい目標は、「海外の市場を開拓してFastLabelのプレゼンスを世界レベルに上げること」です!

上述の通り、私がこの会社に惹かれた要素の一つは、『AIインフラを創造し、日本を再び「世界レベル」へ』というパーパスを掲げていたからです。

日本の産業界の競争力を世界レベルに押し上げつつ、FastLabelとしてもグローバルに事業展開して、このパーパスを会社として体現したいです。壮大な目標にも思えますが、この会社の仲間とであれば、必ず実現できると信じています!

以上、最後まで読んで頂き、ありがとうございました!もし少しでもFastLabelに興味をお持ちになった方がいらしたら、以下リンクをご参照頂けますと幸いです。


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