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【転職活動】退職は裏切り行為?併願は応募先に失礼?〜義理堅すぎる転職活動に要注意!

終身雇用が崩壊して、転職文化が根付いたとはいえ、定年まで企業に勤め上げる、という価値観に長くいた方(40代〜50代)は特に、退職に対する抵抗感が強いのではないでしょうか。
20代の若手の方でも、先輩や上司の目が気になり、退職に罪悪感を持つ方がいらっしゃいます。

転職活動には時間のやり繰りや気持ちの切り替えなど、細かなハードルが多々あります。
今回は転職活動におけるハードルの1つ、「義理」と「罪悪感」についてのお話です。

これを読めば、「企業・現職に失礼」になることと、「過剰な義理立て」の違いが見えてくると思います。
転職に踏み切れない方、遠慮がちに転職活動をしている方は、ぜひご一読ください。


転職活動を阻害する2つの「義理」

エージェント時代、転職の相談に来ていただいているはずなのに、転職活動に多数の遠慮を持ち込み、動けない方にしばしばお会いしました。
その度に、「転職したいの?続けたいの?」と私は本心を測りかねていました。

転職活動を積極的にできない「遠慮」には、「現職への義理立て」と「応募先への義理立て」の2種類があるように思います。
1つずつ解説します。

1−1.現職への義理立て〜退職への躊躇い

「辞めたいけれど、現職を裏切るようで申し訳ない」
「退職するとお世話になった先輩に迷惑がかかる」
「部下を残して自分だけ辞めるのは申し訳ない」

転職活動の初期、または内定が出ていざ退職となった時、このような気持ちになり、転職への覚悟を決められない状態です。

まだ現職を続けるメリットも感じていて迷うのであれば、きちんと将来設計を踏まえ、転職することの意味を見つめ直すことが必要です。

ただ、現職に残る意味が無いとわかっているのに躊躇うのはもったいないです。
去ることへの罪悪感が湧いてきたら、以下のような問いを自分に投げかけてみてください。

  • 「あなたが義理立て残ることで、会社はあなたに何をしてくれますか?」

  • 「あなたが頑張っても会社から返ってこないから、辞めようと思ったのでは?」

  • 「お世話になった先輩は、この先ずっとあなたの面倒を見てくれる?」

現職への義理を守ることが人として誇れる生き方なら、キャリアは無視して現職を続けましょう。
でも、もし周りの顔色を伺っているだけなら、自分の未来のために転職しましょう。
現職を続ける意味を感じられないのであれば、これまで真面目に頑張ってきたこと自体が、会社への義理立てです。
過去の自分が義理を果たしたと考え、未来の自分には自由をあげましょう。

1−2.現職への躊躇い〜有給や定時退社の活用

現職に対するもう1つの躊躇いは、転職活動中のスケジューリングです。
面接選考に対応するためには、有給休暇や定時退社が必要になる場合があります。

「ただでさえ退職して迷惑をかけるのに、在職中から休んで迷惑をかけるなんて・・・」
「嘘をついて休むなんて、周囲を騙すのは心苦しい・・・」

そんな風に感じるかもしれませんが、未来永劫の抜けること(=退職)と比べたら、一時的な抜け(=有給休暇)ぐらい誤差です。
 ※最近はアルムナイ採用があるので、出戻る可能性もありますが、それでも長期的に不在になることは変わりません。
また転職活動を現職に知られないようにすることは基本なので、そこはビジネスライクでかまいません。

退職して迷惑をかけることへの罪悪感があるなら、退職後に周囲が困らないよう、分かりやすい引き継ぎ資料を作ったり、引き継ぎ先の方に感謝をした方が現職にとってはメリットになります。
自分の未来を作るため、割り切っていきましょう。

2.応募先への義理立て

意外に思われるかもしれませんが、「辞退するのは申し訳ないから、1社ずつ応募する」という方も、一定数いらっしゃいます。
しかし、これも義理立ての必要はなく、自分が納得感を持って集中力のある状態で転職先を決めるためには、同時並行の方が良いです。
理由はこちらで解説しています。

転職市場は、多対多のマッチングです。
この10年は売り手市場が続き、「企業に雇っていただく」のではなく「お互いに選び合う」という感覚が強くなり、企業と応募者は対等な関係に近づきつつあります。
企業も複数の応募者と会って一人を選び、応募者も複数社に応募して一番自分に合う企業を選ぶことが当たり前になっています。

仕事でもプライベートでも、見積もりをもらって複数社検討することはよくあると思います。
転職活動も同じ。お互いに選び合う立場として、複数社を比較検討しながら進めていきましょう。

転職活動で守るべきマナー

では、転職活動は遠慮なく好き放題やっていいのか、といえば違います。
社会人、ビジネスマンとしての節度やマナーは守らなくてはいけません。
現職と転職先の印象を下げないために、以下のポイントを気をつけておきましょう。

■現職に対して

  • 選考のための有給取得は可能な範囲で早めに行なう

  • 休み当日は、引き継ぎ相手や関係者が困らないよう事前に準備をする

  • 退職が確定したら(=応募先の内定承諾をしたら)速やかに退職を申し出る

  • 退職代行を使ったり、突然翌日から来なくなる、といった強行突破はしない
     ※退職の申し出により、身の危険が生じる場合は別。

  • 退職日や有休消化日は、意思を持って交渉する

  • 後任が困らないよう、資料作成も含めて丁寧な引き継ぎを行なう

  • 退職日には上司や同僚への感謝を伝える

■応募先・内定先企業に対して

  • 絶対に入社しなさそうな企業まで無闇に応募しない

  • 面接の当日キャンセルをしない

  • 応募先やエージェントに対して、音信不通にならない

  • 意欲が高くなくても、面接準備は行う

  • 辞退をするときは早めに、理由を添えて断る

  • 無闇に年収をふっかけたり、上目線で企業に交渉を持ち掛けない

  • 現職を尊重し、入社日を遅らせたり調整中の状態を長引かせない

注意:現職を優先して優柔不断になると、現職・転職先双方から悪印象に

特に現職に罪悪感がある場合、退職日の調整で優柔不断になり、結果的に現職・転職先双方に迷惑をかけてしまう危険があります。
よくある悪い流れは以下の通りです。

本人「来月末をもって退職します」
現職「これから繁忙期なんだから、○月まではいないと非常識だよ」
本人「(現職に)転職先に入社日を伸ばせないか聞いてみます!
   (転職先に)入社日、翌月にできませんか?」
転職先「▲月に来れるって話じゃないの?翌月は遅い」
本人「(現職に)なんか延ばせないみたいです。当初の予定通りじゃだめですか?」
現職「入社日交渉したんじゃなかったの?部内で相談してみるから待って(嫌がらせ兼ねて1週間以上放置)」
転職先「結局、▲月にこられるの?どうなの?」

少し誇張し割愛した部分もありますが、これをやると、現職の引き継ぎも始められない、転職先も本人の転職意欲や調整力に疑問を感じ始め印象が悪くなる、という最悪の状態が生まれます。

転職先、現職、双方に迷惑をかけないためにも、毅然と、時には割り切って動きましょう。
優先順位は、過去(現職)<未来(転職先)です。

まとめ:転職活動は自分の未来のために行なうもの

今回はよくある転職活動中の遠慮・義理立てとその対処法を解説しました。
キャリア自律が叫ばれる今、自分の人生・キャリアは自分で作っていかないといけません。
周囲の顔色だけでなく、自分自身の顔色も気にしてあげましょう。
ときには、我を通すことも大切です。

最後に、転職ではありませんが、私が悩んでいる時にもらったアドバイスで今も大切にしている言葉を紹介します。

20代の頃、選択肢AとB、どちらをとっても誰かしらに迷惑をかけてしまう状況がありました。
故にどちらも選べない、と悩み知人に相談したところ、こう言われました。

「ゆかこに選択権があるんだから、周りは受け止める覚悟ができている。
周りが”迷惑をかけられたけどよかった”と思えるぐらい、自分自身が満足する選択肢を選んだ方が良いよ。変に遠慮すると全員不幸になる

今でも、”我を通して周囲に負担をかけるかも”と思ったときは、この言葉を思い出すようにしています。
そして、我慢してもらった分周りに感謝を示すと共に、その方の我慢が報われるように頑張ろう、と思うことにしています。

人生100年時代。自分の人生は自分で作っていきましょう!
今日も読んでいただき、ありがとうございました!

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