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アパレル業界【服ができるまで】その①

大抵の人はなにかしらの洋服を身にまとっています。ファッション好きな人でもそうでない人も。何気なく、且つ当たり前にあるこの服たちがどのように作られているのか私なりの立場からお話しさせて頂けたらと思います。

「アパレル業界の川上、川中、川下って??」

製造業ではよく川上、川中、川下という表現を使います。材料~製品~販売の流れを川の流れに例えて表現しています。大まかに分けられたこの3つの産業分野に対し、アパレル業界ではどういった仕組みで成り立っているのか
まずは簡単な説明と構図を交えて見ていきましょう。


【川上】主に洋服の原料となる繊維や糸などを作る産業分野の事を言います。糸や生地の開発、ボタンやファスナーなどの洋服に使用する附属の分野も川上にはいります。東レ、旭化成、帝人などの企業や生地を作る機屋さんなどがここに当てはまります。
職種ではテキスタイルデザイナー、各コンバーター、織りや染め職人など
※画像は生地を例に大まかな構図で作成しています。附属類も同じような構図になります。


【川中】主に川上から仕入れた材料(生地や附属)を使用して実際の洋服を形作る産業分野です。デザイン(企画)、パターン(型紙)、縫製、プレス(仕上げ)などが川中産業に入ります。ワールド、オンワードなどの企業から個人ブランド、OEM会社などがここに当てはまります。
職種はデザイナー、パタンナー、縫製工員など
ここで実際の洋服の形にしたあとプレス、検品検針など最終工程を経て既製服としてアパレル企業やブランドに卸されます。


【川下】川上~川中で作られた既製服としての商品を消費者に販売する小売産業の分野です。百貨店やセレクトショップ、EC販売から個人ブティックなどがここに当てはまります。
職種はショップ店員、バイヤー、EC管理など
※ユニクロやGAPはSPA(製造小売)業といい、上記の【川中】と【川下】を一貫して担う業態です。


かなり端折る部分もありますが、ざっとこのような流れで皆様が着る "服” が作られるのです。当然この産業間を繋ぐ "物流" もかなり重要な役割を担っています。この構図はほんの一例に過ぎず、実際はもっと多くの工程が細分化されています。又、会社間によっては独自の製造、販売ルートを持っているところもあります。今回は大まかな流れを把握して頂きたかったので情報過多にならないよう簡潔に仕上げましたが、次回以降具体的な内容の記事もあげていきたいと思っております。

【まとめ】
このように”服”はたくさんの会社や人の手によって実に様々な工程を経て皆様の元へ運ばれるのです。高級な服も安価な服も同じ工程を経て作られているのです。近年海外の縫製工場で現場の職人の過酷な労働環境や製造過程で排出される汚染物質、過剰な在庫廃棄問題などが問題視されています。

今回お伝えした川上~川中~川下の各産業はよりこれらを意識した服作りが今後さらに課題となっていくでしょう。又、消費者にもこういった認識が徐々に広まってきているのは確実であり、売る側、買う側の両側面での意識改革は必須になると思っています。

しかしながら "服" というのは『夢があり、気分を高め、より前向きな人生に導く』という本来の意味を見失ってはいけない気はします。着る側にとっても作る側にとっても光輝く世界でなければいけないとも思っています。きれいごとかもしれませんが、いつか様々な問題が解決され、服に関わる全ての人が気持ちよくいられる将来を作りたいですね。

【余談】
これを皮切りに広く浅く時には深く、私の経験に基づいた業界内の事や、服作りそのものに関しての記事をあげていきたいと思っています。
参考程度にさらっと読んで頂ければと思います。

拙い文章でここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。

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