「腰痛探検家」 面白かった!

前から気になっていたこの本をキンドルでセールだったかポイントが高くつくだったかで購入し読んでみました。このブログ読者なら絶対に「ある意味で」面白いと思うはず!そのある意味とは・・・


まずはじめに、まだ「腰痛探検家」を読んでいない人は、この過去のブログを参照してみてください。

そうです、この本はそのブログで書いた徒手療法界にはびこる「神話」を元に治療している方々の治療を受けて治らなかったという話です(笑)

また、本にでてくる治療家達はこの過去のブログで書いたタイプの方々のようです(笑)


著者の腰痛も全然治っていないのに、その治療師は「本を出したい。この素晴らしい治療法を世間一般の方々に知らせたい。絶対にベストセラーになる!」的なことを言っていたようですが、まずは

わが身を振り返れよ!(笑)


それと私の知っている某治療法の教祖様達(複数人です)が自分の腰痛や五十肩が全く治っていないこともあったなあ、と思い出しました(笑)。ところで、自分の”治療法”を主催しセミナーとかで受講者からお金を得ている治療家達は論文を書いているのでしょうか?論文もかかずに、その治療法がちゃんと効くのかどうかも証明せずに、よう金とるよなあ(笑)

この著者が受けた治療師達が言ってたことは、例えば深層筋が原因だ!それをリリース(ほぐす)しないと治らない!ってやつでした。もちろん、このブログ読者なら「あらら笑」とわかるはず。そういう超強揉み系の手技の危うさは、以前Yahoo ブログでブログを書かれていた方のブログを思い出しました(Yahooブログ自体が閉鎖されてしまったのと、ご本人も最後には自害されてしまったので、今ではウェブ魚拓を探すしかないと思います)。

他にもストレッチを勧めていたり(過去のブログのストレッチの是非を紹介しています)、背骨の歪みや股関節のズレ、足の長さの違いが痛みの原因だ!とか恥ずかしいことを言っていたり(過去のブログでそれが間違いかを紹介しています)、挙句の果てには化学調味料がとか云々(笑)。まあ、治療家業界あるあるです(笑)。患者さん達には申し訳ないですが。

あと著者はPNFを頼っていたみたいですが(本の中ではPNFが腰痛解消にはならなかったと書かれています)、PNFに関しては過去のブログでEyal Ledermanが徹底的に論破していたのを紹介しています(リンク)。でも私はPNFは「自分で行う運動」という意味ではいいと思っています。ただ他の様々な運動法とはほとんど効果の差はないとは思っていますが。


最終的にはあることで著者は自身の腰痛を解消されたようでした。ただその「分析」が痛みの科学を勉強したものからすると「甘い」と感じました。(もちろん著者の方は医療関係者ではないのでしかたないです)ですので、腰痛や痛みについて勉強する本ではなく、いかに(;´д`)トホホ…な治療家が我が物顔で世間にはびこっているかを知る本だと思ってください(笑)そしてそれ以上に、我々治療家が普段治療している患者さんをじっくり観察することを怠り、そして日々の臨床の反省をしていないのでは?と示唆してくれる重要な本だと思いました。

ちなみに患者さん側の方々がもしこのブログを読んでいたとしたら、痛みについて簡単に知るために過去のブログ(有料読者でなくとも誰でも読めます)と、痛みに対処する様々な方法を紹介した「痛みの治療に役立つ77ナゲット(リンク)」を読んでみるといいかもしれません。

他には

とか

とか

とかが参考になると思います。

もう一つ上の本のような系列の本はあって売れているようですが、まだ読んでいないので読んだらまたレビューするかもです。





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