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徒手療法家のためのファシア考察

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ファシアについて徒手療法家が知っておくべき情報を随時更新していきます。またファシアに限らず徒手療法に関する事柄も随時追加していきます。
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#整体

私は強揉み戦争には参加しませんw

先日、縁があって元有名プロスポーツ選手のマッサージをしました。今回はその時に思ったことを綴っていきます。 その方とは過去に数回会ったりしたことがある仲で、これから日本でやっていくにあたって私のマッサージを受けてもらい感想などを聞きたかったので、とてもお忙しい中わざわざ来てくれました。 ところでみなさんは「スポーツマッサージ」と聞いて何を連想しますか? おそらく同業者(鍼灸マッサージ師)であれば、スポーツ外傷の治療、もしくはコンディショニングのためのマッサージと言うかと思

(多分)最後のブログになります。

ブログ読者の方々、これまでありがとうございました。2013年頃にグーグルブログで始めた「ファシア考察」ブログもアメブロ、FC2ブログを経てこのnote.comに移り全部で約10年、よくここまで続けられたものだと自分で感心しております(笑)。この度、21年半住んだイギリスを離れ日本に帰国することにしました。しかし日本に帰国してまだこの仕事を続けられるかは全くの不明で他の仕事につく可能性も無きにしも非ずなので、これでこのブログは一旦終了とさせていただきます。もしまだ鍼灸あマ指師と

痛みについて勉強しなおす(25)---股関節の治療について勉強してみた②---

で、ここからMehmet Gem氏の「Simplified the Hip」コース(リンク)の自分自身のためのノートのシェアになりますが、始める前にひとつ。 いつも勉強させてもらっている「Better Clinician Project」ででも、各項目(例えば膝痛、足首捻挫、非特異性腰痛)の説明の時、必ず →解剖学 →具体的な症状・サイン →prevalence(有病率、どんな人に起こりやすいか) →検査方法 →どんな治療法が勧められるか →具体的なリハ(エクササイズ)

痛みについて勉強しなおす(23)---新刊「Bodily relearning」の詳細レビュー---

2023年6月に痛みの科学の研究とそのセミナーで有名なNoi Groupから新刊がでました。さっそく1度ざっと目を通したのでレビューしていきます。ほとんどが「痛みについて勉強しなおす」シリーズで紹介した内容でしたが、復習的な意味合いと変わった目線からの説明という意味では買ってもいいのかもしれません。興味のある人は以下にNOIグループのリンクを貼りますが、まだ電子版は発売されておらずFBのグループで聞いた所、あと1年は電子版の発売はない模様ですので、英語が苦手だけど買おうと思っ

痛みについて勉強しなおす(15)---小ネタ集(2)---

今回も引き続き、私が去年からずっと勉強させていただいているpainscience.comからのブログやe-bookからの小ネタ集です。私自身はこうやって一度読んだものをまとめて、後日もう一度目を通すと改めて「あ~、なるほど!」と思うのですが、一度も元の文章を読んだことのない人にはあまり響かないのでしょうか?前回も今回もすごい情報満載だと思うのですが・・・。 ところでこの記事を書いている最中に「徒手療法批判への検証」(最近言われ始めた世界の理学療法界での徒手療法批判への批判)

痛みについて勉強しなおす(14)---小ネタ集(1)---

もしかしたらこのブログの値段設定が高すぎて、まだ購入してはいないけど気にはなっている人がいるとしたら、ぶっちゃけますと(笑)、このブログを購入してくださった方々は全部で30人ちょっとです。しかもそのほとんどはこのnote.comに移行して有料化した直後の方々なので、おそらくそれまで無料で公開していた内容へのご祝儀的な投げ銭だったと思います。多分アクセス数、記事へのスキボタンの押され方から想像すると、現在の「アクティブな読者」(このブログを今でも熟読しているであろう読者)は3〜

ファシアとその繋がり(6)---大殿筋〜ハム〜膝〜足首あたりのつながり(2020年7月1日、ちょっと追加しました)

引き続きJulian Bakerのウェビナーよりファシアの繋がりを紹介していきます。紹介しているのはあくまでもファシアの繋がりでJulianの面白い話や質疑応答までは紹介していないので、もっと詳しく知りたい方はJulianのウェビナーを受講してみてください。1ウェビナーたったの5ポンド(800円くらい?)です。(リンク) あと基本ウェビナーのスクショに少し説明を加えた形になりますが、今回1部分だけ動画も入れました。私も全く知らなかったことだったのでぜひブログ読者とシェアし意

しばらく更新してなくてすみません。

実はまたまたまた9月の下旬に日本に野暮用で帰国していました(なんと今年3回目!)。その後、その時治療した某プロスポーツ選手からリクエストというか質問があったので、痛みとプロスポーツ選手のパフォーマンスとBPSモデルについての小冊子を作るのにかなり時間がかかってしまいブログを更新できていませんでした。ちなみに今、新しいブログ記事を作成中ですのでしばらくお待ち下さい。 ところで今回帰国した時にみさせてもらったプロスポーツ選手達の状況(状態)を考える上で、このブログで述べてきたB

またちょっと帰国してました(笑)

野暮用で先週1週間ほど日本に帰国していました。今回は久しぶりに東京に2日間滞在したので、前から気になっていた「某治療法」をやっている治療院に治療を受けに行きました。(決してこのブログでは誰かを、そして何かの治療法を批判するつもりはないのでその「某治療法」のことを明示しません。) なぜ私が気になっていたかというと、私の知人やその周りの人達の間でその「某治療法」が大人気で、めちゃくちゃ”効く”とのこと。しかもセミナーを告知するや速攻で完売するほどだそうです。 あらかじめyou

2019年解剖実習雑感

2012年から毎年参加している解剖実習に今年も参加してきました。今回はその大雑把な感想をブログ読者の方々とシェアしたいと思います。 今年はスコットランドでJohn Sharkey先生の3日間の解剖実習に参加しました。(リンク) 詳しくは以下有料ブログ読者向けに書いていきますが、今回の解剖実習でも受講者からあった質問「アナトミー・トレインズ」について、実習の先生の一人である某先生から一言。 「アナトミートレインズは筋肉をバラバラに考えてきた従来の考えを脱却するために、筋肉

近況など(2019年8月22日追記あり)

最近ブログを更新できていなくて申し訳ない限りです。言い訳をしますと(笑)、4月の中旬くらいからフラット(いわゆるマンション)にネズミがでるようになり勉強どころじゃないってことがあります(笑。 あと実は2週間位前に日本に1週間帰国していました。帰国する時は必ず誰かマッサージして欲しい人がいるかどうか知り合いに聞くのですが、某プロ野球選手たちがやってほしいとのことで、毎日マッサージしていました。その中の一人の”治療”の概要を紹介することで、このブログ全体の意味がわかるかと思い紹

痛みについて勉強しなおす (12) ---EPSより71ナゲットの紹介+追加ナゲットの計77ナゲット!

「Explain pain supercharged」より痛みの治療に役立つ71ナゲットを紹介します。ちなみにナゲットとは小話のことです。(ナゲット(nugget)はマクドナルドのチキンナゲットを想像してもらうとわかるように「小さいもの」です)。ただそれを直訳すると日本人には馴染みのないものになってしまうと私は思うので、私なりの意訳とあとでそのナゲットを一瞬でみてわかるように画像にコメントをいれたものをつけていきます。そしてそれを臨床の現場で患者さんとの対応に役立てるといいの

痛みについて勉強しなおす(11)---末梢神経障害について---

先日紹介した「なぜデルマトームを信頼できないか?」の論文の作者のAninna Schmidさんのレクチャーをyoutubeで見つけました。 ここ最近、”神経障害”、”絞扼性神経障害”、”神経根圧迫”に関してのブログ内容が続く理由ですが、私は鍼灸学生時代から治療院勤めの間、ほとんど「筋肉がターゲットの治療」に携わってきた(勉強してきた)ので、神経痛については全くの勉強不足でした。そして有名な加茂整形外科のウェブサイトやブログで加茂先生の発信する情報(神経は圧迫しても痛みをださ

2018年に考えてきたことの総まとめ

ある方から質問というか、あるリクエストを受けたので、本来は痛みに関する基礎的事項をすべて紹介してから総まとめとして書こうと思っていた内容を今から書いていくことにします。ずらずらと書き綴っていくので纏まりがないことを予め了承しておいてください。そして無駄に長いです(笑)。 今年の自分自身のテーマは「神経(痛)」と「痛みの科学」でした。私はずっと筋肉の”悪い”部分(いわゆる筋硬結)から骨格の歪みを治すという方針で治療をしてきましたが、2013年の解剖実習で筋肉からファシアに興味