ぽんしゅグリア全種

ぽんしゅグリアが生まれた時の話。

私たちの商品で、ぽんしゅグリアという商品があります。

日本酒とフルーツが出会うとまるでとろけるカクテルが生まれるという可愛らしいカップです。

今日は、日本酒カクテルの素「ぽんしゅグリア」開発の始まりと、中に入っている素材の正体をお話します。

1、こうしてぽんしゅグリアの開発は始まった。

ぽんしゅグリアは清酒カップを使っています。いわゆるカップ酒の瓶です。

今でこそ、かわいらしいカップのお酒が増えましたが、ちょっと前まではカップ酒=ザ・日本酒!と言ったイメージの物が多く、女子は手が出しにくいものでした。


そもそも、日本酒やカップ酒ってどうして「オヤジ」イメージなのでしょうか。

こんなに素敵な飲み物なのに、ちょっと距離ができちゃいますよね。


一方で、年々日本酒の売り上げが落ちている、という危機感を抱く酒蔵さんの本音も聞こえてきました。

「日本酒が可愛く飲めれば、新しい市場が開拓できるんじゃないだろうか」

「ワインで作るサングリアは美味しいのに、日本酒とフルーツは相性どうなのかな」

「そういえば、果物農家さんの加工用果物で作ったドライフルーツ、あのままじゃなかなか商品としては売れないっていう問題あったよね」

これまで思っていたいろんなこと。

それ、組み合わせてちょっとやってみようか。


そこから試作が始まったのです。

2、詰め込むものは何なんだろう。。。

日本酒に合う素材は何だろう。。。?

いざ日本酒に何かを混ぜてもいいとなっても想像は広がるばかり。

先ずはスパイスや、ハーブをドライにしたものや、頭に浮かんだ食材を片っ端から集めて会社にどっさり持ち込みました。

試作用に小さな瓶をずらっと並べて、ドライフルーツやスパイス、ハーブなどを思いつくままに入れてみて水を注ぐと。。。

さすがに水じゃ味が分からない。

でも業務中にどうやってお酒の試作をしようか。

私たちは、駅前の会議スペースを借りて大量に買い込んだ日本酒と試作品を持ち込んで、大試飲会を行いました。


もちろん、2次会会場も考えて。

3、危ない試飲会

長テーブルに試作品が並べられ、儀式のように日本酒が注がれました。

日本酒を吸い込んで姿をかえていくドライフルーツを見つめながら、「どんな味になるんだろう。。。」と、期待と不安が入り混じった時間。

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それぞれにおちょこが配られ、一つずつ、恐る恐る味を見るという闇鍋のような試飲会。

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確実に「合うもの」と「合わないもの」が明確になりました。

日本酒と素材の相性、こんなにも可能性が無限大なんだと感動しました。


この試飲会で、結論はこれにしよう!という答えは出なかったものの、全く見えなかった商品像の方向性は見えた気がしました。

4、偶然から生まれた、瓶の中の雪国

私たちの仕事は、農産品の加工に関するお問い合わせが多く、日々さまざまな農家さんや加工業者さんとお話しています。

そんな中で果樹農園さんの相談も多く、美味しいのに流通しない果物などがたくさんあります。

そんな果物が日本酒と出会ったらいいなぁなんて思っていたら社長から

「国産の果物に限定しよう。」

というオーダーをもらいました。

これまで日本酒との相性だけを考えて、世界中の美味しいものや珍味などまで集めて試していましたが、流通しなかった規格外の国産果物が日本酒と新しい価値をうんでくれたら、それは嬉しいことです。

雪国である新潟だけでは果物がすくないので、全国のフルーツ農家さんにヒアリングしたりすると、やはり台風とかで傷物も多くでてしまうとか。

これはとても良い出会いの予感がする。。


フルーツの目処が立って来たところに、さらに上から

「もう一つ、何か象徴的なものを入れよう。」というオーダー。

一気に眉間にしわが寄ります・・・。

何か新潟らしいもので、ちょっと面白くて、日本酒に合うもの・・・。

画像3

私の頭の中は、上越から中越、下越(新潟県は縦に長く、地域を3分割して呼んでいます。糸魚川、妙高などの富山県に近い方を上越、長岡を中心とした真ん中らへんが中越、新潟市を中心とした山形に近い方を下越と呼んでいます。)にわたって、それぞれの地域の特産品は何があるか、素材から加工品まで可能性のある食材を書き出してみました。

だけど、これらの商品に「これ!」っていう「何か」が見つけられなかったのです。

きな粉を入れてみたり、もち米粉を入れてみたり、おからを入れてみたり、飴玉入れてみたり、ラムネを入れてみたり。

結構なスランプに陥っていた時、私のデスクの目の前にスタッフみんなが食べていい「お菓子箱」がありました。
その中に他社さんの開発した砂糖菓子が入っていたのが目に入りました。

「薄荷(ハッカ)糖」という、白いマシュマロみたいな見た目の、おばあちゃんの茶箪笥にあるような昔ながらの砂糖菓子。

画像2


「地味だな。。」と思いつつ、「でも甘いなら美味しくなったりして。」
その時は本当に淡い希望で、砂糖が溶けて甘くなったら美味しいかも、という軽い気持ちで入れてみました。

清酒カップに国産のドライフルーツと甜菜糖、薄荷糖を入れて先ずは写真をぱちり。

お昼だったので、水を入れて様子をみる事にしました。



その数秒後、私は大発見をしてしまったのです!!

「瓶の中で雪が降ってる!!」

大騒ぎして、みんなに報告しました。

薄荷糖がふわっと浮き、日本酒を吸い込むとほろほろと崩れながら落ちていき、まるでスノードームのよう。

こうして、ぽんしゅグリアには「薄荷糖」がレギュラーメンバーになったのです。


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「地域を食べる」をデザインする。 / 株式会社FARM8

日本酒カクテル「ぽんしゅグリア」

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