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花色のそばかす

いつもマスクで顔を覆って
そばかすを隠す君。

どれだけ素敵だと褒めていても
どうしても好きになれないという君。

そばかすだけじゃない。
特別で神秘的な華のある存在感と
芯の通った類稀なる聡明さ
両方を併せ持っているのを
僕は知っている。

でも気付いていないどころか
自分の全てを世界から隠そうと
透明化を図る君。

皆んなと同じじゃなきゃ嫌という君。

目立ち、見られるのを避けることで
世界の日常に同化したいという君。

みんなみんな仲間がいるのに、私にはいない。
だからみんなみんな私を除け者にする。

そう言って僕のことを忘れる君。

地面から一生懸命に伸びるたんぽぽも
花壇から人の優しさを受けて育つチューリップも
庭園から誇りと気品を放ち続けるバラも

美しさに劣ったり
毒を持っていたり
棘を備えていたり

それでも
全部が受け止められて
それぞれが素敵な意味を得て
愛される花になって
生き生きと存在しているよ



もし花色のそばかすが

君の心臓を喰い尽くそうとしたなら


思い出してほしい。





君には
全部を受け止められる
僕がいるってこと。

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