[読書]君のお金は誰のため 田内学
「君のお金は誰のため」という本を読んだ。
新聞の書評欄で取り上げられていた本だ。
13歳の少年が、偶然近所の富豪と知り合い、お金や経済について、教えてもらい、自分でも積極的に学んでいく、という話だ。
詳しくは本書を読んでもらった方がいいが、お金の稼ぎ方とか、経済の仕組みを学ぶ、ということを目的としているのではなく、社会のあり方、その中でお金が果たす役割と、お金だけでは解決できないことについて教えてくれる本、という印象だ。
お金自体に価値はない
お金で解決できる問題はない
みんなでお金を貯めても意味がない
という刺激的な章立てを、物語を通じて説明する。お金を使えるための前提が何かを説明するとともに、社会を支えることとはどういうことかをわかりやすく解説している。
若い人のみならず、お金に囲まれて生きるおとなこそ、こういう考え方を改めて認識した方が良さそうだ。
かくいう自分も、普段からお金に執着して生きているのは間違いない。
お金は回るものだ。たが、それがきちんと回って行くためには、社会を支える各種サービスや、モノの流通、生産が行われていることが前提であり、それがないと、お金だけあっても意味はない、ということを言っているように思う。
また、この本を読んで、税金の使い方についても思いを巡らせることになった。税金は、社会、サービス、必要なインフラの維持や整備に使い、生活する人を支えるところに優先的に使う必要があるし、そのために人々や企業から集める、謂わば参加料のようなものだろう。何を優先して税金という「お金」を使うのかを決めるのが政治家で、その政治家を選ぶのが国民、という建て付けだ。きちんと優先すべき事項について議論が行われているのかを考えると甚だ心許ない。これは、選んでいる我々に問題があるということだろう。
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