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note34 : 花が積もって

私の学校は母の日の発祥地だと言っていて、毎年母の日の前にカーネーションを配ってくれる。


1人で並ぶのは結構恥ずかしいのだけど、今年は友達が誘ってくれて、2人でもらいに行った。


早めに行ったからたくさんあるカーネーションから自分の好みの一輪を選ぶことができて、私はpoppyのドレスみたいな一輪を、友達はかまぼこみたいな花をお迎えした。

もう枯れてしまったのだけど

男女学年関係なくみんなが花を持って歩いて、匂いを楽しんでいる、年に一度のかわいい日。
まるで日本ではないかのような。



金曜4限、そろそろ帰りたくなってくる時間の授業は後輩の隣で受けている。


教室に入っていつもの席に向かうと、本人不在でいつものようにぱんぱんのリュックだけが置いてあった。


外から戻ってきた後輩が、バラ入りますか??
と、どこからともなくミニブーケを取り出して、プレゼントしてくれた。


たまたま、その日の日本文化の授業で生花をやっていたようだった。


私のひらひらしたドレスは存在感のある大きなピンクのバラと鮮やかな黄色を纏うスターチスを側近に置いたのだった。



放課後、学連の人たちを誘ってチャペルの裏にある芝生で遊ぶことにした。 


風がびゅうびゅう吹いていて、買ってきたバトミントンはできたもんではない。


あとからサッカー少年が手に花を持ってやってきた。


彼も生花の授業を受けていた。
ささやかなピンクのカーネーションと、スターチスの群れを持って走ってくる。


彼はその花がいらなかったみたいで、その貰い手を探していた。


ならば是非ともありがたく!


私の姫様は華やかなバラの側近に加え、スターチスの騎士団の規模を拡大し、小さな妹たちも仲間に加えることとなったのだ。

姫様下にいるけど



こうして私がもらった、たった一輪のカーネーションは、少しずつ仲間を増やしていって、もりもりの花束に姿を変えた。


家に帰って箪笥の奥にしまわれていた花瓶を取り出す。


花瓶1つでは綺麗に入らなくて、小さい花瓶と大きい花瓶の2つに分かれることになった。


もともと私のために用意してもらったものではないけど、どんな道を辿ってきたとしても花を貰うのは嬉しいものだ。


誰に見せるわけでもないし、家には私しかいないから飾っても1人で楽しむだけだけど、自分で花を買う時よりも、心なしか愛着がある。


ほっこり花積もり


今度は私が誰かに花をあげたいな。



p.s.
これが100本目のnoteだったようだ
100本目は何か節目になりそうなことを書こうかなと思っていたのだけど、なんだか可愛い内容で満足している。
いつも読んでくださってありがとうございます🌱

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