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【コラム】ウルルンの彼は何を思う

―マンガみたいなことってホントにあるんだ
その衝撃は尋常じゃなかった

♪口笛は なぜ 遠くまで聞こえるの
  あの雲は なぜ わたしを待ってるの

日本人は西洋人ほどホリが深くない。蒙古膜があるから、目だってパッチリしていない人が少なくない。

だから、何の期待もしていなかったんだろう。そうして、ドアを開けたらスイスのアルプスに天使が舞い降りた。

アルプスで生まれ育った純朴な青年は、その美しさに鼻血を流して倒れ込んだ。

マンガで少しエッチな場面やキレイな女の子を見ると、男の子が鼻血ブーって表現があるけど、本当にそんなことがあるんだと、その衝撃は尋常なものではなかった。

「あっ、鼻血の女優さん出てる」
彼女が出てくる度に、ウチではいつもこの話になった。

『世界ウルルン滞在記』の忘れられない光景。反響は大きく、番組内の人気企画だった再会スペシャルにも行っていた。

梨園の人と結婚したときは、スイスの青年が気の毒で仕方がなかった。
(俳優としては実力もあるし好きだけど、よりにもよって何であんなブ○○○と!!スイスの青年がかわいそう過ぎる)

しかも、その後、梨園の人は浮気騒動を起こした。
(何であんなキレイな女優さんもらって浮気できるねん、スイスの青年がかわいそう過ぎるやろ!!)

これまでの業績として、メディアでは、ドラマや映画の話が中心になっているが、やっぱり鼻血エピソードが忘れられない。

もちろん、女優さんとしてのキャリアを積むために、日本に戻るのは当然だけど、あのままスイスに残って結婚していたら、彼女にはどんな人生が待っていたのだろう。

タラレバの話でしかないけど、違ったカタチがあったのではないだろうか。人間の幸福って何なんだろう…

遠きスイスにもこの訃報はもう届いているのだろうか…彼はこの事実を知ったとき、その胸には何が去来するのだろう…

昨日からずっと、『世界ウルルン滞在記』のテーマ曲「風たちとの出逢い」がリフレインしてる。

あまりにも、こんな話が続き過ぎている。哀しみを通り越して、正直なところ怒りのようなものすら感じている。

釈尊は、ただ生きてるだけで苦しいということに気づき、そのことを説いた。それを、“あきらかに見ること”が必要なのではないか。

諦めるという言葉は、決して夢を追いかけることを止めることや、ヤル気をなくすことではない。

台湾では女神とのニックネームがあるらしい。

なんで?なんで?なんで?

♪教えて 女神さま
  教えて 女神さま
  教えて ランチの女神さま

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英沢公存
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