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【ニュースコラム】自民党総裁選と岸田さんの忘れられない光景
―人にはそれぞれ与えられた役割がある
テレビも新聞も自民党総裁選について、連日大きく報じている。
官房長官はおそらく相当な激務である。
いわゆる、デキる人でなくては務まらないだろう。また、各省庁の調整も担うため、人望も備えてなくてはならない。そのストレスは尋常ではない。軍師とか参謀といわれるタイプの人にピッタリな役職。
菅官房長官は、まさにそれを絵に描いたような人だと思う。ただ、君主タイプなのかと言われると甚だ疑問である。また、マスコミへの受け答えは雄弁とは言えず、とても国会答弁を堪えることが出来るとは思えない。
政策通なら間違いなく石破さんであろう。話の中身が充実している上に、話し方も上手い。聞かせる力を持っている。ただ、右よりと言われている方々からの評判がすこぶる悪い。
人柄なら間違いなく岸田さんであろう。岸田さんと言えば、忘れられない光景がある。2016年にオバマ大統領が広島を訪問したときのことである。
サミットからの強行軍でホストであった日本側は、明らかに疲弊しきっていた。安倍総理はカメラに抜かれることを想定していなかったのだろう。建物の壁に寄りかかって、目はうつろの状態となっていた。5月だったが、とても暑い日だったのでムリもない。
外務大臣であった岸田さんは、オバマ大統領を出迎えるために、ひとり立ち続けた。汗を吹き出してはそれを拭いを繰り返しながら。結構な長時間であったと思う。それでも微動だにしない立ち姿が本当に美しかった。
そのとき、見どころのある人だなと率直に思った。おそらく、そう思った人は少なくなかったのではないか。その頃から世論調査などで、次期総理の筆頭に岸田さんの名前が挙がるようになった。
どう考えても菅さんだけはない。安倍政権を継ぐようなマネは止めてほしい。今は非常事態である。だからこそ、せめて党員選挙という民意を反映する過程を経なくてはならない。
だからと言って、社会の混乱に乗じて、ヒトラーみたいな人間が出てきても困るのだが…
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