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ショートショート集

38
ちゃちゃっと読める短い小話
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#ショートストーリー

Bed Time

朝8時のアラームが鳴る。 一向に起きてこない彼は朝日が当たるベッドで可愛らしい寝息を立てて…

ふぁむ
3年前
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One Morning

朝7時、我が家にはバターのいい香りが立ち込めていた。 最近君がパンを焼くことにハマって、休…

ふぁむ
3年前
1

Rainy Day

雨は嫌いだ、癖毛がうねるから。 そう言うと君は僕の髪の毛を触りながらハハハと笑った。 「い…

ふぁむ
3年前
2

After Birthday

夜22:30、残業を終えた僕は深いため息をついてパソコンを閉じた。 誰もいなくなったオフィスに…

ふぁむ
3年前
1

Friend Ship

「ちょっと!聞いてんの!?」 顔を真っ赤にして机をドンと叩きながら彼女は怖い顔をして僕に…

ふぁむ
3年前
1

Semi-Friend

夜の11時、風呂上がりでさっぱりしていたところに突然電話が掛かってきた。 「どうした?」 「…

ふぁむ
3年前
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Vampire

赤はとても綺麗な色だと彼女はよく口にする。 心を掻き立て、ざわつかせ、覗き込めばどこまでも深い真紅の世界に見惚れる、と。 正直人間の僕には到底理解できることではなく、てきとうな相槌を打ちながらさくらんぼのゼリーを蕩けるような瞳で見つめる彼女を尻目に一口で頬張った。 「ぁぁぁ!」 普段は絶対にしないのに指を指して僕に向かって叫んだ。 「早く食べなよ、美味しいよ?」 「何にも分かってない…この美しさを無碍にするような食べ方して…」 分かりやすく肩をすくめてため息をつくと、彼女は

Spring

春は出会いと別れの季節、なんてのは誰が最初に言ったんだろうか。 確かにそうなんだけど、改…

ふぁむ
3年前
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無題

「…くしゅんっ!」 またこの時期がやってきた。 厳しい寒さがひと段落するとあいつらはやって…

ふぁむ
3年前
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Date

「なぁ〜なぁ〜、はよ起きて〜」 遠くから誰かの声がする。 微睡の中で、段々と頭が覚醒してい…

ふぁむ
3年前
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Hot Early Winter

「ねぇ、私っていつまでも幼馴染のままなの?」 その言葉に対して僕は返事を打てずにいる。 な…

ふぁむ
3年前
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ショートショート⑤~お見舞い~

見上げると白い天井、吊られた手足、そしてがちがちに固定された首。 ほんの少しも動かせない…

ふぁむ
3年前
1

ショートショート④〜風邪をひいたある日〜

37.8度、頭が痛い。 鼻水が止まらない、完璧に風邪だ、風邪をひいた。 暑かった日が遠い過去…

ふぁむ
3年前
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ショートショート③〜誰かさんの"もしも"の話〜

待ち合わせは決まって夜の9時、駅を出てすぐそこの変なオブジェの前だ。 何が良くてここに置いているのかよく分からないけど、とにかく目立つからここらへんでは格好の待ち合わせスポットになっている。 すっかり季節は冬の装いで、悴むような寒さに肩を竦めながら時計を見る。 「…そろそろかな」 と改札のほうに目を向けるとちょうど電車から降りてきた彼女が見えた、今日は少し疲れ気味みたいだ。 それでもこちらに気付くとパァっと笑って手を振ってくる。 「お待たせ〜、ごめんね寒い中」 「ううん、そん