見出し画像

コンパスで円を描けない擬かしさ

休職135日目です。

1ヶ月前の話ですが、息子が授業でコンパスを使う様になりました。

「授業でコンパスを使う前に自宅で一度使ってみてねー」と先生から言われていたそうで、コンパスを手に入れるとすぐに自宅で円を描く練習をしていました。

最初はうまく描けませんね
何度もチャレンジします


…初めてのコンパス。

自分が小学生の頃、なかなか綺麗に円を描く事ができなくてかなり悔しく辛かった記憶が蘇ります。


少し自分の昔話をします。


コンパスを学校で購入して初めての授業の前日、父に「これ、どうやって使うの?」と聞きました。
父は新品のコンパスを取り出し、いとも簡単に綺麗な円を描きました。流れる様にスーッと。
まだ幼かった自分なのでそれを見て思いの外、感動。こんな簡単にここまで綺麗な円が描けるとは…

余談にはなりますが、父は手先が器用な人でした。
絵や工作は昔から好きだったみたいです。高校も高い費用を払ってもらい美術系の学校に通っていたそうです。
でもその学校も結局中退してしまい、その後様々な職場を転々として父の兄が経営する工場で働きだしましたが、兄とは反りが合わずいつもケンカしては我が家で妻(私の母)に愚痴をこぼしていたみたいです。元々家族関係も良くなかったみたいで母親(私の祖母)とも散々揉めては苛立っていたのを覚えています、、、

…まぁ長くなりそうなので父の話はまた機会があれば書きたいと思います。


自身の初めてのコンパスの話に戻ります。

「俺もやってみる!」と円を描いてみるものの
支点がブレてまったく描けません。
支点に集中していても片手でうまく回転させる事ができず必ず円が途切れてしまいます。
何度か父からアドバイスをもらったと思うんですが結局うまく描けないまま(多分しっかりアドバイスを聞いていなかった)、まぁ授業でやるからいっかみたいな感覚で練習も早々にやめます。
今考えると詰めが甘かった…

そして次の日、コンパスの授業を迎えます。


周りのクラスメイトもきっとコンパスを使うのは昨日か今日が初めてなのに、数回失敗したらすぐに円が描けるようになっていて、それを横目で見ては焦ってしまい、余計な力みが負の流れを生み出して尚更うまく描けなくなる。そんな自分にとっては辛くもどかしい時間になってしまいます。
あの時、ちゃんと描けるまで練習しておけばよかった…という思いと共に、なんで自分はできないんだろう…という不甲斐ない気持ちになってしまったと思います。

その不甲斐なさを感じるのは他の事でもそうでした。
体育のマット運動であったり、図工での絵であったり、通っていたサッカースクールでの技術面でも他の子と比べて劣等感や焦りを常に感じていた気がします。

結局それ以来、何度チャレンジしても円もうまく描けずじまいでコンパスに対してかなりの苦手意識を持ってしばらく授業を受けます。

幸か不幸か、円がうまく描けなくても思ったより支障なく算数の授業は進みます。出来なくてもまぁいいか。という気持ちも生まれましたが、それでもコンパスを使う時になるといつもヒヤヒヤして焦っていましたね。。


そしてその約30年後、今子供がコンパスの練習をしています。
文明は進化していて今は回す部分にキャップがついています。そのキャップを軽く捻るだけでそこまで力まなくても円が描けます。
息子も数回失敗しましたが、すぐコツを掴んで描ける様になっていました。良き時代です…

私も妻も一応チャレンジ。
妻は元々手先が器用なタイプ。
1秒もかからずスッと円を描きました。
試しにキャップを外してみても変わらず。
「こんなん得意よ」と得意げなく言う姿は当時私が羨んだクラスメイトの1人と同じです。

うーむ、なんか悔しい。

まぁでももちろん今は私もスーッと円を描く事ができます。ちょっとドギマギしましたが。
(キャップなしは一度失敗した)
できますよ流石に。


コンパスで円を描くだけ。なんですが、他人と比べてできない自分に自尊心を無くしてしまうのは昔から今もそうですね。
今の時代はどこでも多様性が叫ばれていて、誰しも個性が尊重されやすい環境にはなってきていると思いますが、それでも他人との能力値の物差しで比較してしまう自分もまだ根強く在ります。
それでこちらからマウントを取ったりはしませんが、人と比べて劣等感を感じるとやたら落ち込んでしまいます。

それをバネに飛躍していけるのであれば、むしろその劣等感は感じて然るべき感情でしょうが、今はまだ飛躍の一歩とはなりませんね。


そんな事を思い出して書いてみましたが、行き着く先のオチはなんかいつもダークサイドで気持ちよくありませんね。。
まぁこの劣等感をバネに出来なくとも、気にせず自分は自分だと胸を張れる時が来ると信じて休みます。


しかし、コンパス描きやすかったなぁ。
なぜあれが自分の幼少期になかったのか。

…というか未だに手で円を描くのはどうなんだろう、とも思ってしまいましたが。じゃあどう書くのよ?と私に聞かれても困ります。



以上です。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

この記事が参加している募集

#子どもに教えられたこと

33,172件

#SDGsへの向き合い方

14,807件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?