米国投資の第一歩:Koyfinを使った企業分析の基本を図解で解説(第1回)
Koyfinという強力な財務分析ツールをご存知ですか?このガイドでは、米国株投資の成功率を高めるKoyfinの活用法を、実際の画面を使って詳しく解説します。
Koyfinは、米国企業の業績データ、財務諸表、アナリスト予想、株価チャート、最新ニュース、さらには経済指標まで、投資に必要な情報を網羅的に提供する究極のプラットフォーム。しかし、英語サイトゆえの言語の壁と情報量の多さに、初めは戸惑うかもしれません。
そこで本記事では、Noteの目次機能を駆使し、Koyfinの画面を見ながら段階的に学べる構成にしました。これでKoyfinマスターへの道のりがグッと近くなります!
第1回となる本編では、企業分析の基本中の基本、プレ・ファンダメンタル分析のテクニックを実例と共に学びます。この記事を読めば、あなたの投資判断力が確実にレベルアップするはずです。
米国株投資で差をつけたい方、ぜひご覧ください!
なお、本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。
プレ・ファンダメンタル分析の準備と流れ
準備編
・Koyfinのサイト(https://app.koyfin.com/)に行く。
※筆者はKoyfinの無料アカウントを活用していますが、このガイドの内容であれば無理にSign Up(①)する必要は無いようです。
・左中央部に分析対象の米国企業のTickerシンボルを入力する。今回はアマゾン(AMZN)を入力(②)
・直下のSnapshotをクリックして折り畳まれたメニューを展開する。(③)
・Snapshot直下のOverview(下図2の水色の枠部)をクリック、図2を表示させる。
プレ・ファンダメンタル分析の流れ
・🔴Key Data、🟠Valuation、🟡Capital Structure、🟢Analyst Estimatesのデータを比較検討しながら、優良な企業の最初のスクリーニングを実施する。
・丸印の色と枠色が一致するようにしています。
🔴Key Data(主要なデータ)
確認項目①:Dividend Yield(配当率)= 年間配当金 ÷ 現在の株価
・優良グロース株の目安 0〜1%
・優良高配当株の目安 3%前後
確認項目②:Beta(ベータ)=S&P500と比較した時の変動率の大きさ
・長期投資の目安は1〜1.3程度
・株価の乱高下のしやすさ
・Beta = 1.3の場合、S&P500が1%上昇したらこの株が1.3%上昇、2%下落したら2.6%下落する傾向があるということ
確認項目③:Volatility(ボラティリティ)= 指標に関係なく年平均で何%動くか
・Betaとは異なり、S&P500のような指標とは無関係
・数値が大きいと値動きが激しい
確認項目④:Competitors(競合他社)
・図2の実例では、競合としてグーグル(GOOG)、メタ(META)、イーベイ(EBAY)、マイクロソフト(MSFT)、ネットフリックス(NFLX)が提示
・競合のTickerシンボルをクリックすると、その会社のOverviewのページに飛べる。
・競合との比較分析の時に便利な機能。
🟠Valuation(企業価値の評価データ)
確認項目①:P/E(株価収益率)= 株価 / 1株あたりの純利益
・重要なのは次の12ヶ月(NTM:next twelve month)のP/E予想。ウォール街のアナリストの予想平均値が記載されている。
・NTMのP/Eの数字上にマウスポインターを置くと、過去からの推移がグラフ表示される。例えば現在のNTMのP/Eが、過去の平均値より高ければ割高、安ければ割安と推測できる。
・利益が出ていないスタートアップなどの企業はP/Eが計算できないので、数字がない。
・EV(Enterprise Value:企業価値)= 株式時価総額+有利子負債-現預金
・EBITDA(イービットディーエー Earnings before Interest, Tax, Depreciation, Amortization:金利・税金支払い前、減価償却費控除前利益) → 起業したばかりで利益が出ていない会社は、まずEBITDAがプラスなること、結果的にEV/EBITDAが計算されることを目指す。
・図3で説明すると、①のP/E(NTM)の数字(39.5×)の上にマウスの矢印を置くと、ピクチャーインピクチャーで②のウィンドウが開く。
・③の"Open Graph"をクリックすると、右の④のように拡大画面が開く。
・2020年以降のトレンドを見ると、現在のP/E(NTM)の数字(39.5×)は高くないことがわかる。(※必ずしも将来の株価上昇を約束するものではないので注意。自己判断でお願いします。)
確認項目②:Price/Book(株価純資産倍率)= 株価 ÷ 1株あたり純資産
・Price/Book(P/BV:株価純資産倍率)= PBR = 株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS:Book Value Per Share)
・倍率が高いほどその企業にブランド価値がある。
・P/BVが高い企業はROEも高くなる。
🟡Capital Structure(資本構成)
確認項目:Total Debt(総負債)< Cash &Inv. (Investment) ( 現金 + 短期有価証券)
・Total Debt(総負債)は借金の総額
・Cash &Inv.は短期流動資産のことで、すぐに引き出せる流動性の高い資産
・もしTotal Debt < Cash &Inv.ならバランスシートはとても健全。潰れにくい。
・逆に借金が非常に多い場合は、バランスシートとキャッシュフロー計算書の精査が必要。
🟢Analyst Estimates(アナリストの業績予想)
確認項目①:Sales(売上)
・成長率の3年分のアナリスト予想の数字とそのトレンドが重要。
確認項目②:EPS (Earnings Per Share) = 1株あたりの利益
・成長率の3年分のアナリスト予想の数字とそのトレンドが重要。
・EPSの成長率が2桁以上あることが株投資の一応の目安。
・1桁台のEPS成長率でも、必ずしも悪いわけではない。
実際にやってみた
・1つの数字を見て判断せず、全体を見て良さそうなのか自分なりに判断することが重要ということになっている。
・参考までに下表にアマゾン(AMZN)を中心に、競合のメタ(META)、グーグル(GOOG)の比較を実施してみた。
・さすがマグニフィセント7銘柄達、どの企業も優秀な数字だと思いました。
・このようにまずKoyfinのOverviewで対象企業の概要を掴んでから、さらに深掘りのファンダメンタル分析に進めるか判断していきます。
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これまでのKoyfinに関する記事をマガジンにまとめました
Koyfinに関する記事が増えてきたのでマガジンにまとめました。
全て無料となっていますので、よかったらのぞいてみて下さい。
参考図書:まりーさん著「負けない米国株投資術 米ヘッジファンドの勝ち方で資産を増やす!」
・もしご興味があれば教科書としての活用をお勧めします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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