【読書 note】 「迫り来る日本経済の崩壊」 藤巻健史 (著) を為替と昔のAmazonレビューと共に振り返る
私の読書noteを訪ねていただき有難うございます。本noteは私の読書感想を紹介するものになります。
藤巻健史さんは”伝説のディーラー”であり、もっと新しい著書もあるのですが、2014年に発売された本書を取り上げたのは私がドル資産を維持しているきっかけの本であり、この本の主張の一つである”過去に学ぶこと”が有効と思ったからです。
1. 円安のニュースが毎週流れる時代が到来した
ロシアーウクライナ間の戦争が2022年2月24日に始まり、原油が高騰していることに気づいた時、急いでドル資産を増やすことにした。本書を読んでいた私には円安になることが明白で、資産防衛が必須のアクションだったからである。
流石にここまで円安になるとは思っていなかったが、当初は肯定的だった円安も最近は行き過ぎという意見が出たり、昔だったら考えられない円高方向への為替介入がされたり、2014年当時だったら考えられないニュースが流れているのである。
2. 刊行当時の2014年を為替チャートとAmazonのレビューで振り返る
Amazonによると本書の発売日は2014/6/26とある。Amazonのレビューは3.4と高くはなく、警鐘という意見もあれば、本を売るために過激なことを書いている、詐欺だ、ハイパーインフレは起きない等々と散々である。
それもそのはず。藤巻健史さんは2013年から代議士として当時の日銀の黒田総裁と国会の場で量的緩和の出口について議論を戦わせていたのである。経済評論家として自身のブログでも本と同様の主張を繰り返す。そして下図のように、国債相場も暴落しないし為替も変わらないので、狼少年だというわけである。
3. 日本経済の崩壊は迫ってきているのか
あれから10年、気持ち悪いことに風向きが変わってきている。
国の借金は増え、労働人口も減り、財政面でも景気面でも金利を安易に上げることはできなくなっている。国力が弱まっているのは明白で、世界中に知れ渡っていることだろう。昔は「有事の円買い」といって地政学的リスクが起こると安全資産の円が買われ円高になることが多かったが、現在例えば中東情勢が悪化しても円安になるだけである。スイスフランと並んで安全資産と称された時代ははるか彼方である。
もちろん私は専門家ではないので為替は分からないが、昔のように1ドル100円に戻る日は遠く、または来ないのかも知れないと思っている。
4. 実は怖いインフレ
さて、本書では「ハイパーインフレ」という言葉が紹介され、良著としてアダム・ファガーソン著「ハイパーインフレの悪夢」を紹介している。本の帯に藤巻さんの「歴史が『生き抜く術』を教えてくれる」という言葉がある。正にここがポイントで、繰り返される歴史に目を向けるべきなのである。
上記リンク先には以下のような記載がある。
深刻なインフレで誰もが貧乏になり、憎しみを生み、不満に溢れ、ヒトラーが現れ、戦争の足音が近づいてくる。重苦しい悲惨な日常がそこには描かれている。
そして現在もインフレに苦しむ国は数多くある。アルゼンチン、チリ、トルコなどである。
アルゼンチンはスーパーインフレと戦っている最中であるが、最近1万ペソ紙幣を発行した。ロイターの記事中に”中銀は新紙幣発行により大量の紙幣を持ち歩く必要がある問題や銀行の保管スペース不足などが軽減されるよう期待している。”
とある。正に歴史は繰り返しているのである。
5. 資産防衛のためにドル資産を持つことが当たり前の時代が来ている
日本でも同様のことが起こるのかと言われれば、すぐには起きないと思う。でも2014年当時よりは起こる可能性は格段に高まっていると思う。
藤巻さんは元ディーラーである。為替を決めるのが市場だとすれば、元ディーラーの意見を嘘つきという言葉で耳を塞ぐのはもったいないのではないか。
ちなみに円安が進んだ2022年末に刊行された「超インフレ時代の「お金の守り方」 円安ドル高はここまで進む」のAmazonレビューは4.1である。私はまだ読んでいないが、書いてあることが2014年当時と変わっているのか確認してみたい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
よろしければサポートお願いします!