見出し画像

月と森のサブマリン ⑧       中古鋼材を買う                                                           

■たったひとりの建築冒険物語■

何十年という歳月をかけ、
太陽光と水、
そして、大気の二酸化炭素を栄養に、
天を目指して伸び上がったアカマツ。
高さ20m。
その大木を切り倒し、
枝を払いをし、
玉切りした、
太さ40㎝、
長さ8m、
重さ600キロ。
その堂々たるアカマツの丸太が、
森に山積み。
…。
この丸太をどう料理して、
家造りの材料に仕上げるか?。
それが問題だ。
そこで思い立ち、
オークションでバンドソーを買った。
バンドソーとは、
帯状で輪になったノコギリの刃を、
電気モーターで高速で回し、
丸太をスライスする木工機械だ。
だが問題は、
重さ600キロという丸太を、
どのようにこのバンドソーに水平移動させて押し込み、
丸太をスライスするのか?
難問なのだ。
この森で取れたアカマツの丸太は、
重すぎて人間が抱えて押しこむ事はできない。
製材屋さんが使う大型製材機は、
でかいバンドソーに、
トロッコのようにレールの上を走る電動列車に丸太を乗せ、
バッドソーに押し込み切ってゆく。
その装置はでかい。
小屋ひとつ分ある。
そんなバケモノを森に設置するわけにもいかない。
いや金が無い。
…。
あるのは暇と俺。
さてどうしたものか?。
暇な時に、
小形ながら丸太をスライスする機械を、
エンピツなめなめ考えた。
小形製材機を作るには、
材料の鋼材が必要だ。
…。
買うか、
家造りにも鋼材はある程度必要になるだろう。
とすると、
量は多いにこした事はない。
…。
そういえば…。
閃めいた。
あそこに…あるではないか。
田舎の畑のど真ん中に。
…。
それは通勤で通る田舎の畑に、
大量の鋼材の山が、
長いこと放置されているのを思い出したのだ。
…。
その鋼材を勝手に持ってい行くわけにはいかない。
…。
ならどうするか?。
安くゆずってくれないだろうかと、
聞く。
おおいいよ~。
って、
可能性はある。
なにせ放置期間が長い。
…。
聞いてみよう。
…。
休日。
車で鋼材の山積みされた場所に出かけ、
うろうろ。
持ち主がいそうな場所を探すと、
近くに工場らしきものが。
だめもとだと、
バックホーの購入の時を思い出し、
尋ねてゆくと、
お~、あれか。
倉庫を増設しようと、
工事現場でバラされた鋼材を
以前買ってきたんだ。
だがやる気がなくてさ。
と。
…。
話は進み。
新品を買ったら数百いくだろうものを、
驚きの低価格でで譲ってもらったのだ。
…。
早々にクレーン付の4トントラックに満載して、
なんと5回、
森に運んだ。
…。
それが写真だ。
…。
つづく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?