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タイトルのお話①【生誕120年 長谷川潾二郎展 ~ひっそりと、ささやかに。あの日の先に】

前回、
「生誕120年 長谷川潾二郎展 銀座のギャラリーで開催します。
この機会にぜひ潾二郎の風景画・静物画に触れてください。
R6.9.22~9.30入場無料」
という記事を書きました。
今回は、この「ひっそりと、ささやかに。あの日の先に」という副題についてお伝えします。

展覧会のタイトルを考えるにあたり、過去の図録類をもう一度読み返していました。すると、「夢人館4 長谷川潾二郎」(岩崎美術社)掲載の洲之内徹・現代画廊案内状の抜粋に潾二郎の展覧会への思いが記されていました。
少し長いですが、引用します。
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「ひっそりと、ささやかにやりたいですね、という長谷川さんのご希望に従って、ひっそりとささやかな長谷川潾二郎展を開きます。(略)/

ところで、新作を揃えて、新作だけで展覧会をするお約束を戴いたのは六年か七年前で、だから、小さな展覧会ですが、その実現にそれだけかかったわけです。そして、新作による個展は戦後初めてです。ということは、ここに並んだ二十点ばかりの作品が、ここ数年間の、すこし大げさに言えば戦後今日までの、長谷川さんの仕事の大部分だということにもなります。いったい一年当たり何点の作品が生まれたことになるでしょうか。/

寡作が必ずしも尊いと言えないのは、多作が必ずしも誇るにあたらないのと同様ですが、長谷川さんは一枚の小品を、何年もかかって完成することが珍しくありません。作品の一点一点に籠る想いは深いのです。私もたいていの作品の、筆を下してから出来上がるまでの、その時どきの姿を知っています。ひっそりとささやかにという長谷川さんの言葉の裡に、派手なことの嫌いな、控え目なこの作家の気質だけでなく、却って、並々ならぬこの人の作家としての自負を感じるのは、そのせいかもしれません。
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年表をみると、現代画廊で行われた「長谷川潾二郎新作油絵展」は、1970年11月25日~12月10日となっています。上記がこの時の案内文かはハッキリしませんが、それでも戦争がおわって大変な年月が経ったのちのことだろうと想像します。

2024年、生誕120年を記念した展覧会を開きたい、その場合、少しでも潾二郎の言葉や思いに近い形で実現したいと考えました。
「ひっそりと、ささやかに。」

ただ、そうは言っても、多くの方に足を運んでいただきたいのです。
作品一点一点に籠る作家の想いは、目の前の感動を描ききること。
どうか、その思いと作品に触れていただければと思います。

▶生誕120年 長谷川潾二郎展 ~ひっそりと、ささやかに。あの日の先に
▶会期:2024年9月22日(日・祝)~9月30日(月) 
▶会期中無休 
▶午前10時~午後6時(最終日午後4時まで)  
▶入場無料 (販売なし展示のみ)
▶場所:鈴木美術画廊  東京都中央区銀座1丁目13-4大和銀座ビル
▶TEL.03-3567-1114
▶主催:長谷川潾二郎 愛好家



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