我々を含む哺乳類のほとんどは、体の色に多様性を保有しておらず地味なものが多い。
例えば、バッタやカエル等の生き物は周囲の環境に合わせて緑色を獲得する事で、外敵から身を守る事が出来ているが、緑色の鹿は存在しない。その理由はなぜだろうか。
それは我々哺乳類の祖先である生き物に遡る。
恐竜が跋扈していたその時代に生きていた我々の祖先であるネズミ(ツパイ)は生きるために日中は寝て過ごし、恐竜たちが寝ている夜に活動する事を選択する。
また、合わせて子供を安全に育てる事が出来るよう胎生という手段を得る。
夜間に活動する様になると、次第に色覚が退化していき2色色覚(赤・青色覚)へと変化する。
その後恐竜が絶滅するとまた日中帯で活動する事が増えていくが、この時哺乳類に対する脅威であった恐竜がいなくなり、哺乳類に対する脅威は「それ以上の大きさを持つ哺乳類」でしかなくなった為、脅威もまた2色色覚(赤・青色覚)でしかなく、体を緑色にする意味がない(=ライオンからは緑色は認識できない)。よって周囲の草と同色に見える現在の地味な色彩と
なっていると予想されている。
なお、我々人間やサルである「霊長類」が緑色を認識できるのは、
昼間の森で樹上の果物を主食にしており、緑の木の葉の間から見え隠れする赤や黄色の果実をすばやく見分けることができる生存上有利な形質であった為、後天的に獲得したものである。
さて、遥か未来で人類には何が見えているのだろうか。