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緑色のシカはなぜいないのか

我々を含む哺乳類のほとんどは、体の色に多様性を保有しておらず地味なものが多い。
例えば、バッタやカエル等の生き物は周囲の環境に合わせて緑色を獲得する事で、外敵から身を守る事が出来ているが、緑色の鹿は存在しない。その理由はなぜだろうか。


それは我々哺乳類の祖先である生き物に遡る。
恐竜が跋扈していたその時代に生きていた我々の祖先であるネズミ(ツパイ)は生きるために日中は寝て過ごし、恐竜たちが寝ている夜に活動する事を選択する。
また、合わせて子供を安全に育てる事が出来るよう胎生という手段を得る。

始まりは、現在も東南アジアなどに生息するツパイのようなネズミに似た小さな夜行性の哺乳類でした。特徴は、ネズミよりも体の割には脳と前足が大きいこと。虫や葉っぱを食べながら敵のいない木の上で生活していました。

樹木の上でもある程度大型化できましたが、恐竜がいなくなった新生代には、夜行性である必要がなくなり、変化して昼行性になりました。昼行性のほうが色鮮やかな果実を見つけやすく、さらに行動範囲を広げることもできたので、都合がよかった、つまりそういう性質をたまたま持ったものが選択されて子孫を多く残せたのです。

https://gendai.media/articles/-/81901?page=3

夜間に活動する様になると、次第に色覚が退化していき2色色覚(赤・青色覚)へと変化する。
その後恐竜が絶滅するとまた日中帯で活動する事が増えていくが、この時哺乳類に対する脅威であった恐竜がいなくなり、哺乳類に対する脅威は「それ以上の大きさを持つ哺乳類」でしかなくなった為、脅威もまた2色色覚(赤・青色覚)でしかなく、体を緑色にする意味がない(=ライオンからは緑色は認識できない)。よって周囲の草と同色に見える現在の地味な色彩と
なっていると予想されている。

緑色をした哺乳類はいない。草食動物の哺乳類の捕食動物は、多くが同じ哺乳類の肉食動物だ。これらの動物は色覚があまり発達していないため、緑と黄色の識別がうまくできないのだ。そのため体の色をあえて緑色にしてもあまりメリットがないのである。また、哺乳類は、そもそも緑色の色素を作る遺伝子をもっていないためとも考えられている。

https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/062200088/062200003/


なお、我々人間やサルである「霊長類」が緑色を認識できるのは、
昼間の森で樹上の果物を主食にしており、緑の木の葉の間から見え隠れする赤や黄色の果実をすばやく見分けることができる生存上有利な形質であった為、後天的に獲得したものである。

網膜の光受容器である視細胞には夜間働く杆体昼間働く錐体があり、色覚は錐体の機能です。錐体オプシンを何種類持つかで2色型、3色型、4色型という色覚の次元が決まります。
多く哺乳類以外の脊椎動物では4色型だった色覚が哺乳類では2色型色覚となり、4→2と次元が低下しました。しかしその後の進化で、ヒトを含む霊長類では2→3と次元が上がり、3色型色覚を獲得しました。

https://meisha.info/archives/3375



さて、遥か未来で人類には何が見えているのだろうか。

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