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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 

(ネタバレがありますのでご注意ください!)


ずっと前から友達に進められていた本作。
NETFLIXで配信終了になると知り、焦って鑑賞しました。

印象としては、画がとてもきれい。
一秒一秒どこを切り取っても西洋画のようです。
セットや風景、衣装、ヘアメイク、カメラワークの構図まで、凝って制作されているのが伝わる。
色合いもとても好きでした。

エイミーが最後家に帰る前に馬車を待つシーンや、ローリーが告白する前にジョーと二人で草原を歩くシーンなど、引きで撮られた画の綺麗なこと。

そして入り乱れた複雑な時系列。
鑑賞後にもう一回見たいと強く思わされました。
案の定 その8日後に再鑑賞。

頭をフル回転させながら観る映画になかなか慣れていない私は、この映画を存分に堪能するには最低でも2回観る必要がありました。

短い期間に2回見ても飽きない、ストーリーの面白さも同時に実感しました。

特にジョーとローリーが築いた友情はとても美しくて、脆くて、切ない。
ジョーがお母さんに汽車代を渡すために、自慢の髪を売って帰ってきたとき、それを見たローリーが驚きと照れを隠すように後ろを向いて表情を隠すしぐさ。
そんなローリーに「おい!見たかよ!?」とでも言わんばかりに目を向ける家庭教師のジョン・ブルック。
このシーンは男の子同士の青春の一コマのようで大好きです。

そして、ティモシー・シャラメの演技はとても自然でかっこいい。
これまで、彼の人気ぶりは認知していましたが、私自身は良さをそこまで分かっていませんでした。
ところがこの作品を観て一気に好きになってしまった…
ああ、もうこれは後戻りできませんね。

告白後に「まだ何か言いたいことある?」と歩み寄る仕草。
ジョーが家族に押されて気になる男性を追いかけるときに奥さんに使いっ走りにされながら馬車を用意しようとする様子。
演技なのか、自然なティモシー・シャラメがあふれ出た結果なのか分からないけれど、やさしさと男らしさが混じっていてとても好きでした。

少女であった時代が最も自由で、最も楽しいの?
家族みんな幸せでいられるの?
大人になったらそれはもう終わりなの?

結婚する以外にも女性に道があると強く信じていたジョーにとって、姉妹が様々な理由で離れていくことが隠し切れないくらい辛くてさみしいことだったのだろう。

「宝石のように輝いていた私たち4姉妹の少女時代。」
ジョーが思い出を本にする形で残して、そして夢も同時に叶えることができた。
ベスの願いにも応えることができた。
ジョーの、そしてマーチ家を取り巻くすべての人の幸せを祈りたくなるような物語でした。


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