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主人公の分類 能動型&受動型

こんにちは、渡橋銀杏です


今回は久しぶりのNOTEということで、キャラクターの研究をしようと思います。目的は未完に終わっている処女作『ReLight』の改稿と完成。ライトノベルを書くためには、まずキャラクターということで主人公のキャラクター性、ひいては物語の方向性を決める型を研究しようと思います。

この作品ではオムニバス形式の作品には言及いたしません

分類

まず、キャラクターの分類とはなにか。これは別に名称があるわけではありませんが自分で二つの定義をわかりやすく名前を付けました。

それが能動型と受動型。
まずはこの記事でその定義をしっかりさせようとおもいます。

能動型

能動型とは【自身の信念に基づいて行動し、話を展開する主人公】です。
具体的な例をあげると、
・ルフィ (ONE PIECE)
・夜神月 (DEATH NOTE)
・沢村栄純 (ダイヤのA)……などなど

ジャンプ系作品や、スポーツもの作品に多く登場します

受動型

受動型とは【発生した問題に対応し、話をある意味で俯瞰する主人公】です
具体的な例をあげると、
・野比のび太 (ドラえもん)
・キョン (涼宮ハルヒシリーズ)
・孫 (でんじゃらすじーさん)……などなど

日常系作品や、長期連載型の漫画やアニメーションで多く登場します

ここで難しいのが竈門炭治郎(鬼滅の刃)などですが、彼は前者の能動型に分類できます。確かに彼が冒険を始める最大の要因は鬼の襲撃ではありますが、彼の中には妹を守ること、そして無惨を倒すという明確な信念があるためです。このように前者の能動型主人公には【信念】が求められます。

それぞれの特徴

能動型

能動型主人公の特徴は、まず、【確固たる信念】を持つこと。
ルフィであれば海賊王になること。
夜神月であれば世界から犯罪をなくすこと。

極端な話、彼らが信念を持たなければ話の方向性が定まらないため物語自体がふわふわとします。ルフィは海賊王になるという目標があるため、カイドウやビッグマムと言った強敵に命がけで挑むという理由になります。夜神月であれば、世界から犯罪をなくすために裁きを行います。

仮にこれが信念を持たなければどうなるか、夜神月はただの快楽殺人鬼であり、ルフィは行く先々で街を破壊するだけの迷惑な海賊と変わりません。沢村栄純を始めとするスポーツものなら、前の二人と違って悪行はしていませんが、厳しい場面に遭遇した時に『なんでそこまでするの?』という気持ちを読者に抱かせて、冷めさせる要因となりかねません。

そして、もう一つは【優秀であること】or【正義感のあること】

主人公が物語を動かす特性上、受動型よりも主人公が物語に占める割合が大きくなるため、そんな人物が無能、あるいは倫理観が欠落した人物であればどうなるでしょうか。おそらくものすごいストレスになると思います。基本的には能動型主人公は追い込まれても作品が終了するまでは死亡することはなく、ほとんどの場合において勝ちが確定しています。

そのため、もしも無能な人間が主人公であれば、無能なのになぜか勝っている人間。倫理観がなければ、間違っているのに勝利して周囲からの称賛を浴びている人間となってしまいます。

特にこの2点は非常にキャラづくりとして難しく、上手くいけば爆発的な人気をキャラクターに付与させることができますが、失敗すればとても嫌われやすいキャラクターにもなります。

個人的に否定するつもりはありませんが、評価の低いとされるなろう系異世界転生ものは上記の要素が欠けているという点で評価を低くされている部分が多いと、他の方とレビューを見ていると感じます。

受動型

受動型の主人公はかなりキャラクターに幅があるので一概には言えませんが【善性を持っている】ことが大事だと考えます。

もちろん、欠点を抱えるキャラクターは多くいますが能動型に比べればかなり良い人が多いと思います。ある意味でかなり第三者視点に近い立場=読者に近い立場で物語を見るため特殊な価値観であったりを持っていると物語と読者の間にずれが生じ、没入感をそぐことに繋がります。

また、主人公に対する言及が能動型主人公に比べてその割合は少ないため、その特殊な価値観を理解させることは難しいのでお勧めはしません。話全体の主人公は、野比のび太でありキョンなのですが、それぞれのエピソードに区切ると主役はあくまで【問題】なのです。

ジャイアンやスネ夫が意地悪をしなければ、別にのび太はドラえもんに頼る必要はなく、涼宮ハルヒが何も望まなければキョンがSOS団のメンバーと協力して問題の解決にあたる必要もなく物語が進むことがなくなります。

そのため、あくまで大事なのは【問題】であって、それらを重ねていくことで自然と主人公の内面を理解していく。問題への対応によって他の主人公との差別化を図る必要がある点が最も難しい点だと考えます。

それぞれの利点

能動型主人公

・主人公のファンが付きやすい(読書継続率が高い)
・思想を含んだ作品を書きやすい
・キャラができていれば物語の方針が定まり、すらすら書ける
・主人公以外のキャラクターには幅がある

受動型主人公

・オムニバスに近い形式で書けるため、長期の連載に向いている
・【問題】に魅力があればキャラができていなくても作れる
・主人公のキャラクターに幅があり、無味無臭にもできる
・登場人物をたくさん出しやすい

それぞれが向いているジャンル

能動型

・スポーツもの ・ファンタジーもの ・恋愛もの ・歴史もの

受動型

・ミステリーもの ・ギャグもの ・日常もの ・サスペンスもの 
・ホラーもの ・ラブコメもの ・現代ドラマもの

最後に

最後にまとめですが、上記の内容は全てプロデビューはおろか新人賞の一次通過を一度しか経験したことのない21歳の弱小WEB作家の言い分であるため、参考にしすぎるのは危険です。あくまで一つの意見としてとらえて参考にしていただけると嬉しいです。向いているジャンルも、例外もいくらでもありますのでその点もご注意いただきますようお願いします。

皆様に少しでも役に立てれば幸いです

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能動型作品
Number9(渡橋銀杏) - カクヨム (kakuyomu.jp)
幻想魔法の学徒隊(渡橋銀杏) - カクヨム (kakuyomu.jp)

受動型作品
愛慾に至る病(渡橋銀杏) - カクヨム (kakuyomu.jp)
初心女(渡橋銀杏) - カクヨム (kakuyomu.jp)

次回は、受動型の新時代を築いた『涼宮ハルヒの憂鬱』について分析をしようと思います。お楽しみに!

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