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炎天という季語     

もう言いたくないのに「暑い」と発してしまします(;'∀')

10年前、いや15年前くらいは
次男のスポ少野球チームのお世話で
日焼け止めしながら応援しまくってましたが
もう、無理…です
近年は派手な酷暑ですよね(;´Д`)

俳句の季語で私が一番暑さを感じるのは
やはり
「炎天」です

「真夏の燃え上がる太陽が頭上に来て、
じりじりと大地に照りつける。
日盛の天のことである。
空は輝き、灼熱の太陽は炎のようにゆらめいている。
水分は蒸発し、路傍の雑草は枯れ縮むようである」
(成星出版「現代歳時記」より)
炎のような天・・
空に鬼がいそうな気がしてくる言葉です(*_*)

そしてまた
故・金子兜太先生の俳句が頭に浮かびます

水脈(みお)の果て炎天の墓碑を置きて去る
                 金子兜太

この句について、兜太先生は
「昭和21年、27才の11月下旬、戦後捕虜1年3ケ月を了えて、
トラック島からの最後の復員船で帰国した。
その船の中の作。
戦争末期は戦闘より飢餓との戦いの方が深刻だった。
朝目覚めると隣の人が冷たくなっている。
餓死だ。それが日常である。餓死の人のおおかたが国に殉ずると
いった志もなく、南の島に憧れてきた程度の人たちだった。
「非業の死者」であるだけに憐れだった。
「炎天の墓碑」は、それらの人たちへの鎮魂。
私は島を去り行く水脈の果てにいつまでも
墓碑の姿を見つめていた」
と記しています(『少年』より)
亡くなった戦友を置き去りにしてきた悲しみと辛さが
伝わってきます。

「金子兜太 自選自解99句」より


*冒頭の写真は宮城県岩沼市の金蛇水神社です
 狛犬さんも、「暑い」って言ってるみたいな口ですよね(^^)




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