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地元民がお伝えしたい「餃子の王将」やらなんやらのお話。

 

 餃子はお好きですか? 嫌いな人はまずいないでしょう。ラーメン、カレーとならんで外国にルーツを持ちながら国民食になった庶民の味ですからね。その餃子で、全国的にチェーン展開しているのが、京都発祥の「餃子の王将」です。今週は餃子の王将と大阪王将、鹿児島王将、そして色々とアレなお話を妄想します。

一号店にある記念石板

餃子の王将

 餃子の王将は1967(昭和42)年に京都市の阪急大宮駅の近くで開業しました。1974年に株式会社王将フードサービスを設立し、全国に734店舗を展開しています(FC店を含む。2021年3月現在)。
 看板メニューはもちろん餃子。国産豚肉・キャベツ・ニラ・にんにく・生姜を、比率としてはやや野菜多めのブレンドにし、若干厚めの皮で包んでいます。皮はもちもちした食感で具の旨味を逃さないので、口の中で旨さ爆発です。

餃子の王将の餃子

 餃子の他にお伝えしたいのが天津飯です。
 餃子の王将の天津飯は、カニカマ、ネギなどが入っていて、見た目が若干カラフルです。
 また、天津飯の味は関東と関西で違います。関西の店舗では、餡は醤油と生姜の京風ですが、関東の店舗では京風、ケチャップ甘酢、塩の3種類から選べます。元々はケチャップ甘酢だけだったのですが、出張や転勤で関東に来た関西人が赤くて酸っぱい天津飯にびっくりするから選べる三種類にしたそうです。

※餡の味を指定しないと甘酢の天津飯が出てくるのでご注意下さい。

 かく言う筆者も、横浜の中華街に行く前に立ち寄った餃子の王将で、赤くて酸っぱい天津飯に腰を抜かしたことがあります。尚、西日本メニューと東日本メニューの境界は静岡県の大井川で、浜松店から西が西日本メニュー、焼津店から東が東日本メニューです。

イーガーコーテー!

 餃子の王将で「イーガーコーテー」とか「リャンガーコーテー」なんて符丁を聞いたことがありませんか? 「イー」は中国語の数字の「1」、「ガー」は「個」、そして「コーテー」は餃子の中国語発音が訛ったもの。つまり「餃子一人前」ということです。「リャンガーコーテー」なら二人前です。お店によっては餃子が「コーテル」になっている場合もあります。
 
 ついでですが、愛知県稲沢市の稲沢店にはタイ料理があります。

餃子の王将 稲沢店のメニュー

大阪王将

 1968年(昭和43年)、開業間もない餃子の王将に42歳の新人が入社しました。脱サラして飛び込んで来たのは、餃子の王将の創業者、加藤朝雄氏の親戚である文野新造氏でした。王将で餃子の修行をした文野氏は、暖簾分けとして翌年独立してわずか5坪の「餃子の王将」を大阪市都島区・京橋に開業します。開業当初のメニューは餃子、チャーハン、ラーメンの三種類だけでしたが、すぐに繁盛店になりました。
 開業から半年後には、チャーハンとラーメンを止め、大阪初の餃子専門店となりました。1977年には大阪王将食品株式会社(現・イートアンドホールディングス)として法人化し、「餃子の王将」の店舗名でチェーン展開を始めます。しかし、本家の「餃子の王将」の営業区域である京都に出店したことから、商標の使用を巡って裁判となり、1985年末に店舗名を現在の『大阪王将』に改めました。※現在、関西では「京都王将」「大阪王将」と呼んで区別することがよくあります。

大阪王将の餃子

 大阪王将の元祖焼餃子は、国産豚肉・キャベツ・にんにく・生姜を豚肉多めのブレンドにし、やや薄めの皮で包んでサクサクに焼き上げます。餃子の王将が使用しているニラが入らないのも特徴です。その他、大阪王将にはぷるもち水餃子、スープ水餃子、蒸し餃子、揚げ餃子等、店舗独自メニューも含めて餃子のバリエーションは豊富です。「水餃子の天ぷら」なんて謎メニューもありました。

  天津飯は卵だけで包むシンプルなもので、味は醤油ベースのあっさり味でフワフワです。こちらは全国どこで食べても同じ味です。
 全体的に見ると、餃子の王将よりも大阪王将の方がパワー系と言いますか、ガッツリ系と言いますか、スタミナ満点メニューが印象的です。また、ファミリーレストラン的な大規模店が多い餃子の王将に比べて、大阪王将の店舗は小規模店が多く、居酒屋的な利用を意識しているように見受けられます。

鹿児島王将

 鹿児島県内の「餃子の王将」は、全国で唯一、「餃子の王将」を経営する『株式会社王将フードサービス』から「餃子の王将」を名乗ることを許されている別会社『鹿児島王将株式会社』の直営店舗です。ややこしいですか?
 
 鹿児島王将は1978年(昭和53年)9月に鹿児島市中町に第1号店を開業しました。創業者は稲盛実という人物(現社長は稲盛幸広氏)です。稲盛実氏は稲盛和夫氏(京セラ創業者)の義弟で、1978 年7月まで京都の餃子の王将で働いていました。しかし、実氏が独立を和夫氏に相談し、和夫氏が『株式会社王将フードサービス』に掛け合って快諾を得たということです。【やっぱり世の中はアレなんだなーと思いますね💦】
 ただし、「餃子の王将」という店舗名の使用は鹿児島県内に限るという条件付きで、現在鹿児島県内に8店舗を展開しています。残念ながら筆者は鹿児島王将未経験なので味については分かりません。

大阪王本店

大阪王

 続いては大阪以外の方はまず知らない餃子専門店「大阪王」のお話です。
  「大阪王」は1969年、大阪王将(当時は餃子の王将)と同じ年に創業し、現在大阪府と兵庫県に12店舗(テイクアウト専門店舗含む)を展開する本格餃子専門店(一部店舗では餃子以外のメニュー有り)です。中でも、伊丹店は関西エリア餃子ジャンルで初めて『ミシュランガイド 2016 兵庫特別版』 に掲載されて話題になりました。
 その餃子は「餃子の王将」とも「大阪王将」とも違います。バリっと羽根つきで生姜のインパクト抜群のパンチがきいた味です。ネットショップで買えますので是非お試し下さい。

大阪飯店

国内でも中華?

 上の写真は「大阪飯店」、中華料理のチェーン店です。下の写真は「餃子の王将」です。やはり「中華」だからですか?

餃子の王将

 さらに下の写真は「餃子王」の本店です。こちらは大阪王のセカンドブランドです。

 他にも、千葉県行徳市には「餃子の帝王」が存在するそうですし、埼玉発祥の「ぎょうざの満州」が大阪に進出しています。また、全国的に無人販売の冷凍餃子が流行しており、餃子ビジネスは混沌としています。

餃子の玉将

    この先、餃子ビジネスがどうなるのか、筆者には妄想もできません。しかし、いずれ「餃子の大阪大王」や「餃子の大将」、「ぎょうざの九州」が登場するのではないかという妄想はしています。ただし、「餃子の玉将」は裁判で負けそうですから止めておいた方がいいでしょうね。

#創作大賞2024


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