「子ども主体の保育」ってどうしたらできる?
よく見るワード「子どもの主体性」。それを実現するにはまず大人の人数が十分に確保できなきゃ一生無理!!!
現場の保育士が弱音吐くなよ!と自分でも思います。しかし、保育士と子どもの人数比率の問題がようやくニュースで取り上げられたような最近において、同じ悩みを抱える保育所は山のようにあると思います。
「だから無理です」と諦めたくはありません。
今回はそんな気持ちの時に読んだ本のご紹介です。個人的な感想を書いていきます。
①目標とすべきは「子どもが安心できる」こと
「子どもの主体性」をもう少し具体的に説明するなら何と言えばいいでしょう?
私ならば…、
『大人が指示を出すのではなく、子ども自身が自分でやりたいことを決め、興味関心を存分に楽しめること』と答えます。
では「自分がやりたい」をどうしたら引き出せるのか…?
ある程度大きくなった年長なら会話からキッカケを作れるかもしれない。でも、それが幼い子だと違ってくる。
大人主導で環境を作り出すことも時には必要だけれど、それって大人の自己満なのでは…?
こんな風に何度も悩みのループをしてきました。そのことに関連する部分として、この本の中では「安心を提供することの大切さ」が記述されています。
安心できる環境だからこそ、自分のありのままを出せるようになる。
安心できる環境だから、自分のやりたいに触れてみよう・言ってみようという気持ちになれる。
確かに大人でも同じですよね。子どもだって一人の人間。「安心」ほど大切なことはないのかもしれません。
②「ちゃんと、きちんと、しっかりと」は、ただの大人の一方的な思い
保育士は「こう育ってほしい」とねらいをもって日々の保育を考えます。
そうしていると…
「〇〇できたね。すごいね」と褒めたり
「行事を成功できるように、練習時間作らなきゃ」と焦ったり
「食事は完食してもらわないと。うまい誘い方を考えないと」と悩んだり。
何かと「ちゃんと、きちんと、しっかりとできないといけない」と結果を求めることが多いです。
別にそれが悪いことだとは思いません。「できなかったことができた」は子ども自身に自信を与えたり、「またやってみよう」と次への意欲に結び付いたりしますから。
しかし、この書籍の中では保育士が常に子どもの「できる」を求めることは保育士の満足感を得るための保育になりかねないと指摘しています。
結果論に求めることは、保育士にとっても「うまく回せなかった」と自己肯定感を下げる要因にもなりかねないとも。
やりがちな考え方だと思いますが、確かに考えさせられます。
子どものやりたいを保証するためにはまずは大人の考え方が変化していく必要があるのだと痛感しました。
以上、今回の書籍に関する感想でした。
後半部分にはよく保育士が使いがちな声掛けに関するアドバイスが掲載されています。
「子どもの主体」に関する書籍は、抽象的内容のものが多い中、非常に具体的に書かれているので、読みやすかったです。
比較的新しい書籍なので、興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
今後も保育に関する読書感想文を書いていこうと思いますので、今後もよろしくお願いいたします。