早稲田ビジネススクール合格までに行ったこと

早稲田ビジネススクールのMBA夜間主総合プログラムを目指し合格しましたのでその記録を備忘録的に記します。これから受験される方のご参考になれば幸いです。※記載している内容は私個人の独断と偏見を含む意見であり所属組織を代表するものではありません。内容は私が受験した当時時点の情報をもとに書いており、将来にわたって正確性を保証するものではありません。あくまで一個人の体験記ですので、予めご了承ください。


準備

MBAに行こうと思ったきっかけ

 MBAを目指そうと思ったきっかけは現職に対する漠然とした不安感でした。
 私はJTC系製薬企業で働いています(受験当時)。圧倒的年功序列制であり、自分の5年後、10年後がかなり精度よく予測できてしまう環境です。5年後の自分の年収、どんな仕事をやっているのか。。だいたい予想がついてしまいます。
 また、製薬企業の特性上、パイプラインという形で会社の注力領域や将来の業績についてもおおむね予想がつきます。今日明日につぶれるわけではなさそうですが、安泰と言えるかどうかは微妙なところです。。さらに日本での製薬企業いじめとも言える毎年の薬価下げ。赤字になっても供給義務があるため製品を作り続けないといけない謎システム。原料や輸送費のコストがあがっても値段を1円たりとも値上げできない謎システムその2。とても正気とは思えません。
 こういう状況でいいのだろうか。自分はこのままここではたらいていていいのだろうか。「製薬会社は高給、安泰、ホワイト。」という誉め言葉?は聞きます。5年後、10年後もそうだろうか。いますぐキャリアチェンジする必要はないが、いつでも逃げられる準備くらいはしておいた方がいいのではないか。不安で毎日夜しか眠れません。

そうだ、MBAにいこう

 もちろん、MBAのタイトルをとったところで何か変わるわけではないでしょう。博士号ですら「足裏の米つぶ」なんて言われます。取らないと気持ち悪いが取っても食えないという意味です。とはいえ自分の専門性とビジネスの知識を組み合わせれば少しは希少性があがるのではないか。バイオベンチャーや新技術を目利きして新しいビジネスを作るところで一枚噛めないか。そう考え、MBAに行くことにしました。

どのMBAにするか

 私の志望校選定の基準は「対面形式」「夜間」「実務重視」でした。
 海外のトップMBAが一番価値があるのは間違いないでしょう。しかし、私の現職はMBA留学を一切認めていませんし、自費留学の場合は退職する必要があります。また、座学だけでなく、他の学生との交流やディスカッションもMBAの重要な要素だと考えているので、オンラインMBAは除外しました。また、アカデミック寄りではなく、実務面を重視したかったので、「実務重視」というフィルターも足しました。私は関東周辺在住(受験当時)です。

 したがって、「対面形式」「夜間」「実務」「関東」のMBAにしぼられます。対面&夜間の段階で早稲田、一橋、つくばの3択に絞り込みました。ほかにもMBAはあるかと思いますが、とりあえずランキング上位から順番に見繕いました。ランキングが高い方が競争倍率が高く、学生の質も高いと思ったためです。続いて自分の興味とのすり合わせです。各校の教員と過去の修論タイトル、主だった著作物をチェックしました。アカデミックな研究ではなく実務重視で学びたいと思っていたのと、自分の興味とマッチすることが確認できたので、早稲田を志望校にしました。平行して考えていたつくば、一橋は学生数が少なかったのとアカデミック寄りだったため除外しました。併願はしませんでした。

計画の立案

 さて、志望校(早稲田夜間主総合)を決定した後、最初に行ったのは過去問チェックです。勉強計画を立てようにも、何をどういう精度で勉強すれば良いかが分かりません。大学受験のように経営史の人物と彼らが提唱している理論を論述できるレベルまでカバーする必要があるのか、そもそも新聞に載っている一般常識程度の知識でよいのか。これが分からないと不要なことに時間をつかってしまいます。選考ステップは、「書類選考」「小論文」「面接」の3つでした(のちに小論文が廃止になり、「書類選考」と「面接」だけになりました)。

書類選考&面接
 まずは「WBS ブログ 対策」でググって先人の知恵に頼ります。
どれどれ。。

 書類選考のお題は自分の職務経歴1000文字、志望動機500文字、研究計画1000文字。「書類選考と面接はセット。書類で書いたことや自分のキャリアなど属人的な部分を聞かれる」。英語のスコアは無くても良い。

なるほど。。

 自慢ではありませんが自分の記憶は自信がありません。書類で書いたことを忘れないように、提出締切の1か月前まではそもそも書かないことにしました。まずは研究計画の方針決定と先行研究の情報収集を行い、締切1か月前から集中的に書いて完成させることにしました。
英語はTOEICを受けました。対策はいつか別記事で書きたいと思います。

小論文
 学校が公開している過去問をチェックしたところ、孫氏の戦略論をテーマにした問題(戦うは二流、戦わないが一流。一流は戦わず表舞台に出てこないので分析できない、ならMBAで学ぶ意味なくない?(意訳))などあまり奇抜なものはなさそうで、その場でもなんとなく解答を作れそうなものでした。一方、具体例をあげて説明しなさい という問題もありました。具体的な企業の経営状況や最近の提携情報なんてまったく知りません。新聞や日頃のニュースで知識を入れていくことが必要だと感じました。

 以上より、計画立案段階で洗い出した私のやるべきことリストは
「経営に関する具体的な事例や情報のインプット」
(締切1か月前まで)「先行研究の設定と深掘り」
(締切1か月以内)「書類書きあげる&修正」
「すきま時間で自分のキャリアやビジョンについて考える」
としました。
秋入試(9月書類締切)だったため、8月を区切りにしました。

教材とリソースの選定

経営に関する具体的な事例や情報のインプット
自分の興味に合う先生の著作やその分野で有名な本を買いあさりました。
戦略論について興味があり、研究テーマも戦略関連のものにしようと考えていました。以下は私が購入した書籍です。

 ビジネス書大賞2014の大賞受賞作であり、90余りの戦略コンセプトとその歴史が記載されています。経営や戦略のこれまでの歴史を俯瞰できるという素晴らしく分かりやすい書籍です。初めての1冊として最適ではないでしょうか。

 クリステンセンの有名な著書、イノベーションのジレンマです。作る側はどんどんしょうもない機能追加を目指すけど、買う側が本当に求めているのはそれじゃないよね というやつです。「なんとなく聞いたことあるけどよく知らない」「で、そのジレンマを解決するために結局どうすればよいのさ?」という人(この本を買う前の私)におすすめです。

 WBSで教鞭をとっている牧先生の著作です。前半が一般的なサイエンスや研究に対する考え方や姿勢、後半がサイエンスをエコシステムとしていかに社会実装につなげていくかについてわかりやすく解説されています。

先行研究の情報収集
 
自分の研究したいテーマがすでに研究されていたらわざわざ自分がやる必要はありません。また、似た内容を研究している人たちが実際にどういうデータをどう集めてどう解析してどういう結果を出しているのか、敵情視察することで自分の研究テーマをより良いものにすることができます。
 論文を読むには課金が必要なものと無課金で読めるものがあります。高いものだと論文1本あたり5000円以上はしますし、本当に自分にとって有用なものかどうかわかりません。なので、無課金で読めるものに限定して調べました。google scholarでfile:PDF検索し、関連していそうな論文を上から順番に100本ほどダウンロードしました。当然ですが玉石混交、かなりの割合で使えないものが混じってきます。Abstructを読んで面白そうなものだけ精読しました。

 論文を検索するとき、私はgoogle scholarを好んで使用しますが、どんなサイトでも良いと思います。ただ、有料論文を無課金で読める〇〇-hub系はたぶん法律的にアウトなのでお勧めしません。というかMBA入試で先行論文の精読は求められていないので読めるものを読む程度で十分かと思います。
google検索の際に”filetype:PDF 戦略”のようにfiletype:PDFをつけると、PDF形式の検索結果しか表示されません。表示されたリンクを順番にポチポチすればサクサクPDFを集められるので快適です。

受験編

書類

  1. 受験料を払う。

  2. 必要書類を集める。

  3. 書類を提出する。

これに尽きます。
工夫とか対策とかはありません。やるべきことはすべて入試要項に書いているので、チェックリストを作って1個ずつ片付けましょう。受験料を払ってしまうと後に引けなくなるので、できるだけ早く支払ってしまうことをお勧めします。

私は忘れる自信があったので、すべてgoogleカレンダーに登録しました。完了まで毎日繰り返し通知もセットしました。注意すべき点として、必要書類のうち大学の卒業証明書は時間が掛かるので早めに申請しておく必要があります。私の場合は、証明書申請用紙を印刷して大学に郵送する前時代的な方式だったので、10日ほどかかりました。なぜいまだに郵送なのか理解に苦しみます。修士、博士を取得している場合はそれぞれ証明書を取得する必要があります。

面接

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