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「銀河鉄道の父」を観て

本日、映画館に観に行ってきました。

宮沢賢治が好きなので、彼の存在が日本に広まるのは嬉しい。
しかし、公開してまだ約2週間。
席がガラガラだったことが悲しかった。


思ったことをただただ正直に書いていきます。
おべっかは言いたくありません。
ただの一般人の戯言です。気分を害した方がいたら、申し訳ございません。

・最初と最後、銀河鉄道を連想させるシーン。ちょっとありがちだなとは思ったけど、良かった。最後、賢治とトシが揃って電車に座っているのは、泣けた。
・役所広司の父親役が非常に良かった。一生懸命で不器用で、愛されるキャラクターである政次郎。違和感がなかった。
・菅田将暉は私の宮沢賢治像ではなかった。かっこよすぎるし、目立ちすぎる。もっと不器用そうで、隅っこにいそうな、木偶の坊っぽい人がいい。自己犠牲の精神を感じ取れない。「雨二モ負ケズ」を書いたとは思えない。どうしても、宮沢賢治と、菅田将暉は私の中でうまくマッチしない。
だからといって、代わりの俳優は誰なのか。ネットで若手人気俳優を検索して調べたが、いなかった。となると、菅田将暉が適役なのか。
・しかし、演技に泣いた。「できねえ!!」と何度も叫び散らすシーンで泣いた。「南無妙法蓮華経」と一心不乱に叫ぶシーンに泣いた。熱い男の役には、菅田将暉はマッチするんだろう。
・宮沢賢治は心が弱かった。だからこそ、信仰にすがった。でないと生きていけない人。それほどまでに、繊細で優しい人間だったんだろう。でも結局、誰よりも心が強い人になっていた。死に際をみれば、分かる。
・宮沢賢治は死ぬ直前に「南無妙法蓮華経」と叫んで死んだのではなかったのか。そのシーンを再現してほしかった。政次郎が死にかける賢治の前で「雨二モマケズ」を朗読し始めたとき、なんかわざとらしくて、恥ずかしくなった。
・トシの役に森七菜さんは若すぎる。でも、演技はとても良い。森七菜さんの演技はいつ観ても、引き込まれる。眼が綺麗、無邪気さ、強さが伝わる。
・おじいさんを「綺麗に死ね」とビンタしたシーンは果たして実際にあったのか。あのシーンが一番印象的だった。カッコよかった。
・トシは「次生まれてくるときは、丈夫な身体で生まれて、もっと人の役に立ちたい」と言った。私の生き方が情けなく思えた。
・主題歌は、いきものがかりではないだろう。最後のエンドロールは、早く席を立ちたくなった。米津玄師が良かったナ。


総評としては、悪くはない。と言ったところだろうか。
5評価で、3.2くらい。
でも観て良かった。全く後悔していない。


法華経について学びたい、と思った。
宮沢賢治が信じた法華経とは、どんな教えだったのか。
浄土真宗とは、どう違うのか。「南無阿弥陀仏」を唱えるだけで、極楽浄土にいける教えみたいだが。それに賢治は怒っていた。行動ありきだろう!ってことだろうか。

また、賢治は生と死をどうとらえていたのかも気になる。
ちゃんと勉強しよう。

「雨二モマケズ」は一番好きな詩だ。
朗読していると、いつも心が澄んでくる不思議な詩だ。
朝、仕事に行きたくなくて、精神が弱っているときは、車の中で大声で朗読していた。すると、少し落ち着いた。
私は、無意識に、宗教にすがっていたんだ。この詩には、法華経の精神が反映されているはずで、だからこそ、私は法華経を知りたい。

あ、、、今回、父の政次郎が主役なのに全然触れられていない。
賢治の傍には、こんなに愛情たっぷりで、賢治のよき理解者である父親がいた。トシの性格をみても、相当素晴らしい育て方をする親なのだろう。育て方を学ばせていただきたい。

帰り道、米津さんの「恋と秒熱」や「カムパネルラ」、bumpの「銀河鉄道の夜」を聞いて浸った。よきかな。


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