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【詩】過去【なもなも】


■本日の詩『過去』


過去は消えない
過去は消せない
影のようにぴったり着いて回って離れない
あと何十年これを背負い続ければいいの

忘れられるなら なんでもするわ
忘れるためなら なんでもするわ

脳が溶けるまで ロンリコを流し込む
ほんの数時間のtripのために借金をする
暴力みたいなセックスだって何度でも

人は私を笑うけど
ほんの一瞬忘れるためだけに 私は馬鹿になるのよ

神様教えて
どうして私がこれを乗り越えられると思ったの

ある日偶然頭を打って 過去を全部忘れてしまいたい
一本道みたいな人生はいらない
川の中にポツンと浮いた小石に つま先立ちで立っていたい
どうやってそこまで進んできたか誰にも 自分にすら分からないように

私の前からはあなたが消えない
ずっとあなたと目が合っている 何をしているときでも
でももっと悪いのは 目を閉じると一層近くに感じること

誰と話していても私はあなたと話している気がしてくる
人ごみを掻き分けている時でさえ すぐ先でこっちを睨んでるあなたが見える
優しい人に優しい言葉をかけられたって あなたから言われた気がして顔がこわばっちゃう

忘れるためなら なんでもするわ
忘れられるなら なんでもするわ

過去から逃れられるなら 

              (作 なもなも)


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