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気品高い香り豊かな京都の梅、城州白梅来る(城州白その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月3日)
なお、これまで梅関連の過去記事はなるべく同品種を連続して着手〜完成をわかりやすくして来ましたが、この後の分は梅仕事繁忙期で(6月下旬〜7月中旬)複数品種を並行していたため、記事内に他品種が頻出します。
そのため、元の投稿に近い順番で投稿していきます。

とうとう買った。
買ってしまいました城州白(じょうしゅうはく)。京都府原産の梅である。
特徴はなんと言ってもその香り。桃に似た非常に良い芳香に、熟すと果肉はとろけるように柔らかくなるという。
香りの良さを活かしてシロップや梅酒にするのが一般的なようだが、私はやはり梅干しにしてみたい。

買ったのは訳あり2.8kg入り。訳ありの理由はやや小粒で斑点が少しあること、熟が進みつつあること。熟が進んでいるのは私にとってはむしろ好都合だし、粒の大きさも斑点も全く問題ない。
売り手の方が少し多めに入れてくださり、開封後に軽量したところ500gほど多く入っていた。うれしい!

箱を開けた瞬間、辺りに漂うなんとも気品あふれる香り。とても芳醇でフルーティ。思わず目を閉じ、香りに集中。
蝋梅の花やかりんの実のような、どこか蝋っぽさも含んだ上品な香りだ。この趣は、これまで買ったどの品種の梅とも異なる。梅というより桃に近い甘さもあり、これは確かに独特。
今年はこれが最終出荷だそう。なんとかぎりぎり間に合ってよかった…。

量があるので、まずは実の選別からスタート。

1)傷のないきれいなもの:梅干し用
大きさでさらに二分した。
中粒は塩だけで漬ける梅干し用、やや大きいものははちみつ入りの梅干し用。
私は基本的には梅干しに砂糖やはちみつは使いたくない考えだ。
だがこの城州白は香りが非常に甘く、また主な用途が梅酒やシロップなので、少し甘みを加えても美味しくなるかも知れないと思い、試しに漬けてみることに。

2)目立つ傷や過熟が目に付くもの:ジャム用
3)少々汚れが目につくが形はきれいなもの:シロップ煮用

それぞれ計量し、洗って加工開始。
…と、ここで問題が。
いつも使っている「鳴門の塩」を、作業途中で使い切ってしまった。しかもこの日は旅行帰りで疲れがひどく、たとえ徒歩数分の距離でも外出したくない。やむなくキッチンにあったシチリアの塩で間に合わせ、結果、梅干しは以下3種類となった。

①鳴門の塩の梅干し:700g(塩分12%)

②シチリアの塩の梅干し:約530g
(塩自体の食塩相当量が高かったため、①よりもやや塩分低めの10%)

粒も細かなシチリアの塩(それがどんな影響を及ぼすか、この頃は思い及ばなかった。今なら細粒の塩は基本的には避けます)

③はちみつ入り梅干し:約1kg
(塩は鳴門・シチリアを混ぜて80g、酢30cc、はちみつは翌日以降に10%=100gを2度に分けて加える)

シチリアの塩はイタリア食材店の福袋に入っていたもので、最近愛用している「鳴門の塩」に出会うまでは家でのイタリア料理に時々使っていた。

だが、精製塩ではあるものの、ある程度ミネラル分を含んだ優しい味の鳴門の塩を使い慣れてから改めてこちらを舐めると、塩辛い!
ミネラル等の詳しい成分も、製法等も記載がないため(日本の塩ならだいたい製法が書かれている)詳細は不明だが、これはたぶん高度に精製されているのでは。旨味より塩気が強く、舌に刺さるような塩辛さ。海水自体の味の違いなのかなあ…。

ともかく使用量を減らそうと、生梅の10%とした。同じ海水からの天然塩(と書かれてはいる)ではあるけれど、どうなるか…。

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