マガジンのカバー画像

日本全国魅惑のローカル梅たち

79
ひとくちに「梅(梅干し)」と言ってもその個性や味わいは育った地域や品種により驚くほど多様。 梅仕事を始めて出会った全国のかわいいローカル梅(2024年1月現在自分で漬けた、食べた…
運営しているクリエイター

#ローカル梅

2024梅シーズン天日干し開始、まずは地元神奈川の十郎梅から〜(2024十郎梅その3)

このところ首都圏は一気に暑くなり、35℃を超える猛暑日もちらほら。梅雨明けはまだ宣言されていないが、猛烈な暑さや日差しの強さは既に真夏のそれである。 こういう天候になって来ると、そろそろ天日干しを始める頃かな…という気になって来る。今シーズン初めに漬けた梅はそろそろ塩漬け1ヶ月。干しても良い時期のものもある。 今朝目覚めると、外は早朝からギラギラ照りつける日差し。天日干しにうってつけの天候だ。 という訳で、2024シーズン天日干し開始!出しました。 …と言ってもご覧の通

生食可、「幸福丸」はあんずか梅か〜シンプルに混ぜて焼くだけ、生あんずのしっとりウイーン風ケーキ(長野県産幸福丸)

先日、もう梅もすっかり東北まで北上したな…などと思いつつ、シーズン最後に買いたい梅はないかと探していると、初めて見る品種名が目に飛び込んで来た。 「幸福丸」。 これまで梅ではあまり聞かなかったタイプの名だ。だが「梅」と明記されているし、産地は豊後梅や八助梅をはじめとする杏系大型梅の代表的なふるさと青森県。これも杏系品種のひとつかも知れないと興味を抱いた。 とは言え5キロはさすがに多い。 私は初めての品種やお試し購入の場合は大抵1キロ、多くとも2キロで様子を見る。いかにも酸

3種類の漬け方を試した城州白の天日干し完了〜低塩やはちみつ入りで漬けた梅干しの味の変化について(城州白その4、完成編)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事と2024年7月現在の追記です。(もともとの更新日付:2023年8月6日) はちみつ入り、鳴門の塩(通常家で使っているドンキの安い粗塩)、シチリアの塩の3種類で漬けた城州白の天日干しが一通り完了した。 上がはちみつ入りとシチリア塩、下が鳴門の塩。 どれもトラブルは少なく、皮破れは少々あったもののきれいに干し上がった。 重量的にもまあまあで、干し終えた直後から美味しい。さすが城州白。我が家における城州白の地位は高

干し作業に最も苦心した会津のジャンボ梅、完熟高田梅の梅干し完成&天日干し中はハクビシンにも要注意(完熟高田梅その3・完成編)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事と2024年7月現在の後記です。(もともとの更新日付:2023年8月6日) 超巨大な会津の梅、完熟高田梅を干し始めて2日半。接近中の台風の影響で天候も怪しく、梅の乾き具合も良さそうなのでこの辺りで天日干し完了とする。 表面に塩(凝縮された梅酢)が吹き、いかにも梅干っぽくて美味しそう。 あのたぷたぷしたのがここまでちゃんと梅干らしく…と思うと感慨深い。 天日干し初日、破れた皮からの果汁(梅酢)の流出が止まらず、

とうとう今年も…梅干しの塩漬け中に発生した産膜酵母の除去と洗浄・消毒、そして紫蘇漬け(福井県産紅映梅梅その2、五郎梅その2)

今年は梅雨入りの遅かった首都圏。 入梅後も雨の降らない梅雨らしくない日々が続いていたが、ここ数日やっと雨が続いて屋内温度と湿度が急上昇。エアコンの除湿機能やサーキュレーターを駆使しているが蒸し暑い。夫が急に「除湿器買わない?」と言い始めたくらいだ。 それでふと気になったのが塩漬け中の梅干したち。 今年はどの梅も塩分15%前後で漬けたので、梅酢の出は至って順調だった。2~3日でファスナー袋がひたひたになるほど梅酢が上がり、品種別に置き場を分けて天日干し待ち体制に入ったのだが、

谷沢梅天日干し終了&紫蘇漬け、高田梅(完熟)干し始め〜熟し過ぎの巨大梅は皮破れ多発で梅干しには不向きか(谷沢梅その3完成編、完熟高田梅その2)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事と2024年7月現在の後記です。(もともとの更新日付:2023年8月4日) 今日は昨日にも増して朝から日差しが強く、気温も高い。7時過ぎには既に30℃を超えていた。5時過ぎには暑くなる気配十分だったので、ちょうどひと月前に塩漬けした完熟高田梅を干すことに。 とはいえこの高田梅の天日干しが大変だった。 完熟で購入したため入手時点で皮が相当柔らかく、塩漬け中に次々皮破れが発生。なにぶん1個あたりの平均重量が60g以上

青森・秋田の大きな大きな杏梅、なにわ(八助)・おうみ梅干しの天日干し開始(八助梅・おうみ梅その2)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年8月17日) なお、本記事投稿後に気付きましたが、本記事とその前の内容に当たる「その1」において、八助・おうみを取り違えていた可能性があります。現在確認中のため(追加注文して確認予定。おそらく1週間~10日ほどかかると思われます)、正誤が判明次第過去記事含めその旨を追記、必要に応じて修正を行います。申し訳ありません。 台風が去り、再び暑くなった。昨日まで残っていた湿気もなくなっ

大粒で酸っぱ〜い!クエン酸はレモン並、だから美味しい杉田梅、とうとう来る…!梅干しと炊飯器で甘露煮、杉田梅ひと粒ゼリー(小田原産杉田梅その1)

梅仕事を初めてからどうしても手に入れたいと切望していた品種のひとつ「杉田梅」。実梅の中で最も酸っぱいと言われる希少品種である。一説には含有クエン酸量はレモン並だとか。 こればかりは産地の神奈川県に住む私でも「梅の時期に直売所行けばいいよね」なんて呑気に構えてはいられない。何せ生産量が少ないのだ。直売所で見ること自体が珍しく、メルカリでも一瞬を争う厳しい勝負となる。 それはあまりに不確実なので事前予約が可能なところを探し、何度か梅干しを買った「昇珠園」さんでなんとか予約でき

【今週の週末ごはん】#24 今年の新梅・鶯宿梅&高田梅のカリカリ漬できた!鰻+実山椒とごぼうのごはん、塩抜き高菜と厚揚げの炒め煮(鶯宿梅その2、2024高田梅その2)

定期的に鰻が食べたくなる。 冷凍庫にはふるさと納税で取り寄せた能登の鰻の白焼きが。二本のうち一本は白焼きで食べ、もう一本は添付のたれで蒲焼きにしてみようと思っていた。 鰻と言えば山椒。茹でて小分け冷凍してある朝倉山椒とごぼうのごはんの上に鰻をたれごと載せたらきっと美味しい。それに合わせて周りを揃えた和食ごはん。 購入品の馬刺し(霜降り。本来は赤身の方が好き)と練り物(こんがり炙っておろし生姜をたっぷり)については割愛。 ◆鰻の蒲焼き、実山椒とごぼうの炊き込みご飯 鰻も

追熟させずに漬ける美しいまんまる希少梅、氷見市生まれの富山県指定品種「氷見稲積梅」の梅干しキットをふるさと納税で(富山県産氷見稲積梅その1)

氷見市のふるさと納税で申し込んだ「氷見稲積梅」の梅干しキットが予定よりも10日ほど早くクール便で届いた。 送付が早まりそうな旨の連絡も、発送時のメール連絡も遅滞なくあり焦らず準備ができた。氷見市のふるさと納税は対応がきめ細やかで安心。 氷見稲積梅は、全国のローカル梅を調べる中でその名を知った。しかしよほど希少なのか、品種名が明記された加工品を見つけることも難しく(都内のアンテナショップでは見つけられなかった)、今回が正真正銘のお初でたいへん嬉しい。 事前(6/7受信)にいた

山形産の杏系ジャンボ梅、豊後梅と節田梅の天日干しとしそ漬け及びその後(山形産節田梅・豊後梅その2・完成編)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事と(旧日付:2023年8月24日)2024年6月現在の後記です。 今週はずっと天候が不安定で、朝晴れていても一度は雨が降り、湿度も高く天日干しに適した天候とは言えなかった。 今朝になってようやく爽やかな空気を感じたので、残りの二大品種のひとつ、豊後梅を干し始めた。 天日干しを始める際は通常朝5時前後、遅くとも6時前には外に出すことにしている。6時半には外が暑くなるからで、できるだけ涼しいうちから干し始め、取り込む

砂糖漬けから3週間でかなりしわしわに〜初挑戦中「話梅(中国の甘い干し梅)」の途中経過①(白加賀梅その2・千光梅その2・ローゼンの梅その1)

このところ梅干しの塩漬け作業に追われ、その前に仕込んだ青梅のカリカリ漬けや「話梅」の続きを書けずにいたが、現状ひと段落ついたのでその辺も少しずつ書いて行こうと思う。 さて、5月末に作業を始めた「話梅(ファーメイ)」、白加賀については塩漬けまで、千光梅についてはその後の天日干しから砂糖漬けまでひと通りの仕込み方について書いた。 ーーが、実はもう1種類仕込んでいた。千光梅の様子に若干不安を感じ、保険をかけたくなったのだ。 それがこれ、通称「ローゼンの梅」。品種不明で、近所の相

ふるさと納税でどーんと大箱4.5kg、福井県越前町から福井梅(紅映梅)来る〜追熟梅はエステルの香り?(福井県産紅映梅その1)

全国のローカル梅について調べ始めた昨年、「今年は(時期が遅過ぎたり購入先が見つけられず)入手できなかったけれど来年はぜひ」と思っていた品種がいくつかある。その中でも心の優先順位が最も高かったのが、福井県のローカル梅の代表品種「紅映(べにさし)梅」。 その名前を知ったのはTBS「マツコの知らない世界」の「梅味の世界」だった。番組内で無印良品のねり梅に採用されている品種として紹介されていたのが紅映梅で、まろやかな酸味が特徴とのこと。 あの無印が日本で最も有名かつ生産量の多い南高

「福井梅」とは何ぞや?米原駅の梅そば、富山駅・金沢駅のとろろ昆布おむすびから続く旅〜福井梅の梅干しをマキノピックランド(滋賀県)で買う

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年9月1日) 趣味のひとつに鉄道がある。 撮る方や車両の型式等にはあまり関心はなく、専ら乗る方。路線図が好きなのだ。私は車を運転しないので、自力で移動する手段として最も手軽で信頼でき、幼い頃から乗り慣れているのは鉄道。路線図を眺めながらいつか行きたい旅のプランを立ててみるのも好きだし、乗りに行きたい路線や訪れたい駅が常に頭の中にある。 それもあって、ゲーム「ドラクエウォーク」(