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梅ボーイズ「超完熟梅」の梅干しを天日干し、超大粒でも皮破れ皆無の順調な仕上がり(和歌山県みなべ町産南高梅その2、完成編)

今週もせっせと梅を干している。
今干しているのは福井梅(3日に分けて塩漬けしたのを順番に干している)と杉田梅。そして昨日の早朝に、梅ボーイズさんの超完熟梅が干し上がった。いずれもしそは使わず白干しである。

大粒で実にふっくらとして、ところどころ紅がさした様子もなんとも可愛い。

こんなに大粒なのに、塩漬け中の皮破れや産膜酵母、カビ等のトラブルは一切なかった。素晴らしいことだと思う。

今年もいくつかの品種、産地の梅を手に取り漬けてみて改めて感じたことは、やはり梅農家さんから買った生梅の品質は素晴らしいということ。色や形が整っているという見た目の美しさだけでなく、塩漬け中のトラブル、特に産膜酵母やカビの発生がないのは農家さんから買った梅の最大の特徴で、適切な塩分濃度で仕込みをすれば、後は安心して見ていられた。

今夏のような猛暑下では例年以上に産膜酵母の発生リスクが高く、塩分15%で漬けた梅にも一部産膜酵母がみられたほどで、毎日見回りながら「せっかくこの塩分で漬けたのに…」とがっかりし、その梅を取り出し膜を除いて焼酎で消毒する手間にも少々辟易していたが、梅ボーイズさんや曾我梅林の昇珠園さんから買った生梅はそうしたトラブルとは全くの無縁。農家以外の方から買った梅とはその点で明らかに一線を画していた。

そんな梅ボーイズさんの超完熟梅。粒が大きいので重さあたりの数が少なく、干すのも楽。大粒梅が完熟化すると皮が破れやすく、扱いが難しい場合が多いのだが(高田梅や節田梅等、東北のジャンボ梅系統にその傾向が高い)、この大粒南高梅に関しては皮破れが皆無。それにも感服した。本当にすごい。

こちらが干し始める前に並べた様子。塩を2種類使って漬け分けたところ、同じロットの梅でもいくらか色に違いが出ている。

こちら「珠美の塩(天然塩)」
こちら「五島灘の塩(精製塩)」

梅酢の色はよりはっきりと異なった。同じ16%で漬けてこれだけ色が違うのは、やはり塩の成分の違いによるものだろう。

この期間は特に天気が良く、途中にわか雨等もなかったので、まる2日、計50時間ほど外に出しっぱなしで干すことができた。
粒が大きいのでもう半日ほど干そうか少し迷ったが、触ってみるともう両面とも十分に乾いていたので天日干し完了とした。

干し上がってもやはり大粒でまるくて可愛らしい。美梅だなあ…。私は十郎梅を見るといつも「美人」と思うのだが、この梅ボーイズ南高梅は「かわいい」と思う。十郎梅はどちらかというと大人っぽい美しさ、この南高梅は若々しくぴちぴちとした健康美といった感じ(梅「ボーイズ」に引っ張られてそう感じるのか??)。

さて、できあがりの重量だが、どちらの塩も生梅の67〜68%とたいへん優秀な歩留まり。やはり皮破れが皆無だからで、収穫時に一粒ずつ手に取ってもずっしりと重い。この大きさ、重さで皮が破れないのはすごいことだ。南高梅は皮が薄いが強いのか、それとも梅ボーイズブランドならではの固有特性か。

超ふっくら、ふかふかで実に可愛い

ともかく、1キロ3000円超と今年買った梅の中でも最高値だった梅ボーイズさんの超完熟梅。それだけの価値はあったと納得。

美しい

改めて、重量と梅酢の量・色の比較を。

塩に関しては別途まとめようと思うがやはり五島灘(精製塩)は失敗だったかも

それでは早速干したてを実食。「珠美の塩」の方からひと粒食べてみる。

うん、酸味よりもフルーティな感じがまろやかに舌に感じられる。柔らかな南高梅ならではの味わいだ。
それと、珠美の塩はやはり美味しい。尖ったところがなく、漬けたてでもしょっぱ過ぎるとは感じず、この時点ならではの美味しさを十分堪能できる。漬け上がりの色も綺麗。

久しぶりに南高梅を食べてみて思ったが、他の品種と比べて種がまるっこい。他の多くの品種はもっと細長く、先端の尖りも鋭いが、これは全体的に丸みを帯びていて、種自体かなり小さい。これはやはり、育てる側としては南高梅は効率が良いよね…。

とは言え各品種それぞれに特徴があるのが良いところ。南高梅は至ってフルーティなので、酸っぱい梅干しが苦手な方でも比較的食べやすいのが魅力だが、それとは対照的にレモン並みにクエン酸を含む酸っぱ〜い杉田梅が現在着々と干されている。どれだけ酸っぱく仕上がるか、酸っぱい好きの私はとても楽しみだ。

ともかく、ようやく手に取り漬けることのできた念願の梅ボーイズさん南高梅。たいへん優秀で素晴らしい梅干しに仕上がった。ありがとう梅ボーイズさん!大満足である。

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